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アール

夏休み、塾に時間を取られてまったくかけない・・・。

かといって、勉強中に浮かぶ小説の新ネタ・・・どうしよう。

 



「アール様、いいのですか?・・・その、あの方は貴方の半身か何かですよね」


 要塞の城壁の上に転移し、ミレイたちを見ていたアールの真後ろの現れたのは半透明の少女とはいい色の髪に色の違う目、黒と白の混ざったはだに白と黒の相反する羽を生やし、龍のしっぽを持つ幼女。


「レイ、キイラ。なんだい?嫉妬か?」


「・・・まあ、あの二人はまだ知らないけど私たちは見てしまったから」


「そうですね。あのミレイと言う方今すぐにでも殺したいですが・・・今はそれどころではないので」


 半透明の少女、レイ。彼女の言葉を聞いたアールは控えめに笑うとどこか冷めたように、覚悟、いや決意は固いというかのように自虐的に言う。


「はは、僕はもう死にゆく人だからね・・・。しかし、幽体種も目的の為に受肉できるとは驚いたよ」


「我々は不死ですが、未練もあれば寿命ではありませんが時間制限があります。その私の未練が恋をして子を作れなことなので、交配できるように肉体を得るのは当たり前です」


 そう言って彼女は自らの腹の少し下を撫でる。


「・・・わたしも、あなたの子供ほしい。こんな色々混ざった体だけど、あなたはかわいいって言ってくれたから」


「恥ずかしいな・・・」


 キイラと呼ばれる幼女はアールの表情を見て満足そうにうなずく。

 この天空要塞。随分と懐かしく思える。


 かつて、双盾の英雄として、創生神の生まれ変わりとして活動していた自分が守れなく難民となった4種族を『自由』を司るレーピオの守護領域に住まわせたのは懐かしい話だ。

 この4種はいずれも上位種。


 2神によって衰退していった地上の種とは違い、古の力を残している。

 ダンジョン愛はすでに彼女たちの手に落ち、町として機能している。


 この要塞に主は決めず、4種の代表者が話し合って運営をしている。


 この要塞の主は常に一人。・・・この地に彼らを連れてきた双盾の英雄ただ一人であるからだ。

 霊体種はその記憶を構成へと引き続けることができ、生者に記憶を転写することもできる。

 またキマイラ、正確には混在種は肉を取り込めばその種の特性を引き出すことができ、血を飲めばその者の記憶を見ることができる。


 キイラが自分の血を飲んだことにより自分の記憶を見られ、さらにレイは長命ゆえのその頭脳で自分が双盾の英雄の生まれ変わりであることを突き止め、キイラ軒を見て知っている。


「けど、アール様がその・・・」


「あいつの事かい?・・・まあ、きにしないで。自分もこんなところで死を選ぶとは思っていなかったけど、これは自分のやるべきことだから」


 レイは申し訳なさそうに顔を俯く。

 彼女は涙をこらえながら、自分の首元に手を当てる。


 触ることはできないけど、確かに感じるその枷は自分と彼とのつながり。


「アール様・・・キイラ、寂しいのいやだ」


 キイラは、この先のことを想像したのかアールの後ろから抱き着く。


「・・・ごめんね。もっと早く解放してあげられればこうならずにすんだだろうに。最後まで利用する道を選んで」


 アールはそう言いながらキイラの頭をやさしくなでる。


「うんん・・・。わたしはアール様に会えてうれしかったよ?」


 幼い見た目のキイラ(キマイラは種の中で最強を長とするため、キイラは長ではあるがあまり歳を重ねていない)は涙目の上目ずかいでそう言ってくる。


 その姿は幼いころのアヤカと重なり、思わず頭を撫でる。


「キイラ、羨ましいです。私はもう大人なので恥ずかしくて・・・」


「そうなのか?・・・おいで、レイも撫でてあげる。と言っても次行かなきゃいけないところがあるから少しだけだけど・・・」


「!」


 レイは体をビックッとさせ、恐る恐るこちらを向く。

 察するに先の言葉は心の中、もしくは小声で言ったつもりだったのだろう。

 彼女はどうしていいのか戸惑い、固まってしまっている。


「どうしたの?・・・時間が無いから早くおいで」


 少し急かすように言うと、例はゆっくりと近づいてくる。

 そして近づいてきたレイの頭を強引に膝に乗せる。


「あ、・・・」


「・・・二人とも、ありがとうな」


 アールは自分の肩に頭を乗せるキイラと膝に頭を乗せる例の頭をなでながらそういう。


「礼には及ばないの・・・」


「アール様の為ならば、私たちはどこまでも・・・」


 二人は嬉しそうに頬を染めながら、当然というかのようにそういった。


「・・・」


 その言葉にアールは黙り込む。・・・罪悪感からくる、沈黙。


「・・・アール様?」


 レイの心配そうな声に、揺らぎかけてた決意を引き締め命令を出す。


「彼女たちが居る間、エルたちと同じ命令を下す。現在も彼女たちの下に自分の分裂体の一人が来ているからな。もう一人が気になる。明日にはエルの相手をしなくてはいけないからな・・・しっかりと食事でもするか。しかし、死を覚悟してから自分は随分と夜に強くなった気がする。前は彼女を満足させるだけで精いっぱいだったのだが・・・っと、余計な話だったな」


「いいえ、あの女への殺意が高まっただけです」


「それは困るな・・・先ほどの失敗で少し自分自身が警戒されているからな」


「・・・もう、アール様のばか」


「うん?レイ、何か言ったか?」


「もう、いいです」


 アールのうえで拗ねるレイ。

 その様子をみてキイラは笑う。


「レイねえ、かわいい。ね、アール様?」


「そうだな。でも、いつもの方がもっとかわいい」


「・・・ばかぁ」


 レイはその言葉で顔を真っ赤にして転移する。


「あれ?行っちゃった・・・あ、会議忘れてた」


「ほら、キイラも行きな。あの二人の事よろしくね」


「大丈夫・・・でもたぶん、3()()


「うん?・・・まあ、頼んだよ」


 そう言ってキイラも背中に羽根、頭に輪を展開して転移する。


「・・・3人。もしかして自分の欠落している分れる前に自分は何かをしたというのか?それらわかる。あの二人を3人と言ったのは。彼女は今は人ではないからな・・・。まあ、いい。あの時の自分がこの状況を打破してくれるというなら、自分はまずたどり着くべき結末へと向かおう。今の自分の状況に何かできるとしたらそれはもう少し先、だろうからな」


 アールは思い出せない過去に淡い期待を抱き、次に場所に転移する。


 彼のいた城壁を秋を感じさせる空風が優しくなでるのであった。





アールの正体は前世の記憶を取り戻した彼です。

けど、天然たらし感がやばくなってきた・・・。

本当ならこんなキャラではなかったはずなのだが・・・。

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