鬼人と兎人と謎の男
昨日投稿し忘れた
「おー?客か?珍しいなこんな辺境のダンジョンに」
天空要塞へ踏み込んだ二人を出迎えたのはどこからか分からないが聞こえる女性の声だった。
その女性は天空要塞の入り口である門と虹の橋の途切れ目にある台地に1本さびしく生えたリンゴの木の上で眠っていたようで額に生えた白くてまっすくな角の下の目元にタオルを顔にかけていた。
「まさか、鬼人・・・ですか?」
「そう言うお前は人間・・・は?」
木の上にいた鬼人の女性は角を一瞬光らせると何を感じ取ったのかタオルを取り二人を見る。
「・・・」
「・・・えっと、私たちに何か?」
「・・・似てるだけ、いや、確かあいつが何か言ってたな」
彼女はそう言って二人を眺める。
すると、要塞内部から声が聞こえてくる。
「カクさーん、そろそろ会議始まりますよー」
そう言って城壁を軽々と飛び越えてくる影。
「ちょうどいところに来た、スケ。お客さんだとよ」
鬼人の彼女がいる木にちょうど着地した。
彼女は短パンに豊満な胸によってへその見えるタンクトップ。それにピョコピョコとうごく白い耳。
「・・・兎人」
「あれ?・・・ああ、そういうことですか。カクさん、この人がたぶんダンジョンの奥の試練を受ける人だよ」
「なに?・・・へえ、スケがそう言うなら間違えないか。しかし、あの人の言っていた…ふーん。まあ、強そうではありが・・・」
ミレイの鬼人と兎人を見る目はUFOでも見たかのようだった。
「・・・すまない。ここには君たち兎人と鬼人が住んでいるのか?」
少しフリーズしてしまっているミレイの変わりにハクレンが二人にそう問いかけた。
「うん?・・・ちがうよ。あと、霊体種に混合種・・・キマイラと呼ばれる不老種が住んでいる。・・・って言っても、わからないか?もう地上にはいない種だと思うが?」
「・・・やはり、あなた達は上位種。いいや、古来種と言った方がいいのか?」
「そうだね。長が私たちをそう言ったからそれでいいんじゃないかな?」
鬼人はそう言ってミレイの質問を肯定した。
「あ、でも君たちが奥の神殿に行くのは邪魔しないし、あと私とこのスケはつて行かないといけないって、長に言われているから」
「長に?・・・どういうことですか?」
「え?だって、あの試練に参加するには神代の力の一端を持つ者6つが必要だから。あなたたちはそれぞれ4つあるでしょ?」
「・・・神代の力?」
ミレイがわからないといった声を上げると突如として二人から殺気が放たれる。
「あんたら本当に長の言っていたやつか?そんなで試練を受けようなんて怪しいな」
鬼人の女性は地面に降りて、臨戦態勢を取る。
気づけば兎人はすでに気配をとらえる事すら困難となっており、ハクレンがあさっての方向を向いて意見を構えたことで外らに兎人がいるのはわかった。
「おうおう、スケの気配遮断を感知するとはいい腕だなそっちの奴は。御前はどうなんだ?」
「私は貴方の相手をするのであちらの方は気にしてません。ハクレンに勝てるとも思えませんしね」
ミレイはそうはったりをかます。実際、自分にはあの兎人の気配はつかめていない。
そうなると、ミレイは鬼人のカクと呼ばれたこの者に集中するだけと全力で身体強化を発動させる。
「おっと、いいじゃない。お前も見どころありそうだな」
カクはうれしそうにそう言って指を鳴らす。
「さて、確かめ―――「まちなさい」」
カクがミレイに殴り掛かろうとしたところで止めが入る。
振り返るとそこに灰色のローブに顔の上半分を覆う仮面をつけたものがいた。
声からさするに男。・・・しかし、その者にミレイは何とも言えないもやもやといた感情をいだく。
「アール様」
「長、止めないでくれ。・・・せっかく歯ごたえがありそうなんだから」
「そうか・・・別にかまわないが」
そう言うとカクが喜ぶが、
「じゃあ、二度と戦わないし、抱かない」
突如現れたものがそう言うと、カクの顔が青ざめる。
「ま、まって。それはダメ!俺、あんたとの子供欲しいんだ!」
「はあ、カクもバカなことしましたね。アール様。この者達が試練を受ける者でいいのですか?試練の条件も知ぬものとは思わなかったのですが・・・」
スケがカクにあきれたようにった後、アールと呼ばれた男にミレイたちが本当に試練を挑むものなのかと問いかけてくる。
「間違ってはいないよ。・・・それに彼らはその条件をそろえなくても挑むことのできる特別な存在と言うだけさ」
「・・・そんな方法があるのですね」
「言ってしまえば、試練の主の帰還に便乗するということなだけだよ」
『ミレイ、あのアールと言う男。気を付けた方がいいかもしれんな。・・・ミレイ?』
レーピオが念話でミレイにそう言うが、なぜかミレイの目は光を失い、背後からどす黒い嫉妬のオーラが漏れ出ている。
「お、おい。ミレイ?」
ハクレンも異常事態に気づき、ミレイの声を変える。
「・・・これは、やりすぎたかな?『陰吸』」
するとアールはミレイに近ずき彼女の放つ嫉妬の黒い瘴気を全て吸い尽くす。
すると、ミレイが我に返ったように「あれ、何かに怒っていた気がするのに・・・」と自分の手を見つめる。
「・・・おい、スケ。今の」
「ええ。今あの方に私は勝てる気がしません」
「フフ、これでいいですかね?カクさん、スケさん。お二人の案内お願いしますよ?」
「わかりました」
「了解したぜ!」
二人がそう言うのを聞いてアールと言う男は風と共にどこかへと消えた。
アールを見送った二人はこちらを向く。
「じゃあ、よろしくお願いするよ」
「・・・えっと、よろしくお願いします?」
ハクレンが先んじて挨拶をしてそれに続くようにミレイもあいさつをする。
「はい、よろしくお願いします」
「わかったぜ、時間があったら今度手合わせしてくれよな!」
こうしてあいさつを済ませ、カクとスケの案内の元ようやくミレイとハクレンは要塞都市の内部へと入ることができるのであった。




