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それぞれの目的の場所へ

ちょっと短いです

 




 食事を終え、食料をマジックポシェットにしまったミオは部屋に戻る。

 そこには黒のリュックサックほどのバックパックを背負ったコクレンと明るい水色を基調とした女の子らしいリュックサックが用意されている。


「ミオ様。お待ちしていました。霧咲が一応準備してくれましたが、中を改めてください。それと持った食料の半分を私が持ちます」


「了解。はぐれた時用と言うことね」


「はい。それとあるかはわかりませんがこのバックが万が一盗まれた時のために」


「所有者登録しているか大丈夫じゃない?」


 所有者登録とは、こういった魔法バック制作の際にそのバックに付与できる一定のリソースを使って付与できる持ち主の固定(他の人が許可なしに開けられない、盗まれても自動で回収できるなど盗難対策として掛けられる。ただ成功確率が低いのと、付与するのに大量の魔力を使うから基本的に付与されたものは準国宝クラスの価値が付く)


「お忘れですか?今回の敵は私の主人格ですよ。ジョブスキルでこの程度の解除は余裕です。・・・まあ、彼がまだジョブを保有しているかすらわかりませんが」


「たしかに・・・。私の〈王令〉が破られたの忘れてたわ」


「日記に書かれるほどショックだったのではないのですか・・・」


 コクレンは呆れたようにそう言う。

 霧咲も笑っているのか念話で笑い声が聞こえ、刀が震えている。


「あ、もう、バカにして。はぁ、もういいや。さっさと行くよ」


「あ、待ってください」


 自分バックパックを持ったミオがさっさと窓から出て行ってしまったので、コクレンもそれを追うように慌てて出て行く。


 ・・・確かに龍の谷は西に在り、魔王城の西に門は無いが魔法を使って出てゆくのはどうだろう。とおもうコクレンをよそにミオは風で城壁を飛び越え地面へと着地して歩き出す。


「待ってくださいミオ様・・・」


「待たない。時間が無いんだから・・・」


「はぁ・・・ミオ様」


「なに?」


「ミオ様」


「なに?」


「こっち見てください」


「なにッ、ぷ!?」


 ミオがイラつきながらコクレンを見るとコクレンは変顔をしていた。

 それに思わず笑ってしまったミオは顔を真っ赤にする。


「はは、ミオ様。リラックスです。視野が狭くては探し物をするとき、見つけたいものが見つかりませんよ」


 コクレンは愉快そうにそう言うと、ミオは不機嫌そうな顔をしながら深呼吸をして歩き始めた。

 その足取りは先ほどの入るつめた様子は無く、少しばかり余裕が出たようであった。





 ※※※




「うわ、まっしろ」


「本当に霧ばかり・・・霧払いのスキルもきかないし」


『そこで待ってるだけでいいわ』


 白き樹海と呼ばれるライファ―南東部にある山脈の頂上の正午に雨の降った翌日のみ道が開かれる伝説のダンジョン。

 その山脈の内部はダンジョンになっており、そこを超えると頂上へとでることができる。

 その頂上にあるのが天空ダンジョン。またの名を天空要塞。


 古代の文献によれば現存する巨大建造物、ダンジョンは生命神、魔法神による世界の確立される前に存在したとされる守護獣の住み家とされている。


 ミオの試練が魔王城で開かれたのがいい例である。

 魔王城も元はダンジョンであり、神代の英雄の一人。

 初代魔王と後に呼ばれたブレイファーによって試練は突破され、城へとリフォームされていったらしい。

 現在確認されているにはあと2つ、ライファ―である精霊の都市の中央にそびえる世界樹。


 そして、この天空要塞。


 他は候補があるだけで試練を受けることができると確認できる文献が見つかっていないため、現状この3つ以外の試練情は見つかってないと言える。

 そしてミレイは、とある事情によりこの天空要塞の試練を受けようとしていた。

 なぜならこの天空要塞を住み家にしていたのはすでに彼女に力を貸すレーピオ。

 その力を十全に引き出すため試練を突破しなくてはいけない。


『さて、そろそろかしら』


 レーピオのそんな声が聞こえると突如として霧が晴れてゆき、二人の足元にい本の虹の道が現れる。

 その虹の道の先に目をやると二人は目を疑った。


「あれが天空ダンジョン・・・」


『そうよ、この先に私の試練を受けるための場所があるの』


「おお、ミレイ。これ、まるでラ○ュタじゃね?」


 そうそこにはまるでジブリのあの映画を連想させる島と言うか城のようなものが天空に浮いていた。


「フフ。面白くなってきたわね・・・さて、ハクレン行きましょうか」


「おう、ミレイ!」


 二人はそうして天空ダンジョンへ乗り込むために虹の道を歩き出したのであった。




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