君は魔力が美味しそうそうだった子!
前に一度だけでてきた子が登場。どこに出てきた子かわかるかな?
「おーい、セレビイ!」
「・・・おや、シルフがもう帰ってきたか」
セレビイはそういうと後ろを振り返ると、そこには薄い虹色の輝く花で飛ぶ小柄な女性がいた。
「・・・お?あ!君は魔力が美味しそうそうだった子!」
「え?」
キンジは戸惑いそんな声を上げる。
「・・・フフ、確かにおぬしはとてもきれいな魔力を持っているからのお」
キンジが戸惑っているのを楽しむかのようにセレビイは笑う。
「・・・うん?でも、なんか前にあった時よりおいしそうじゃないな・・・なんか薄い?」
「!」
このシルフと言う女性は自分が分かれ始めていることに気づき始めている。
「・・・って、それどころじゃなかった。なんか、ここに侵入者があったらしいの。だから屋外からいったん退避だって」
「おやおや、大変なことになっておるようだぞ、侵入者とやら・・・」
セレビイはそう言ってキンジを見る。
「・・・探している人を見つけたら火急的速やかに帰るから、安心してくれ」
「え?君が侵入者!?・・・すごいなあ。それで、探し人?誰探しているの?私、探し物得意だから探してあげるよ!」
「え?・・・えっと、ルトーっていう精霊なんだけど」
すると、シルフの表情が変わる。俯き、表所が見えんくなる。
彼女は急に席を立つとキンジの元へと来て手を握る。
「君が!ルトーの言っていた子か!・・・うん、うん。私としてはうれしいよ!妹分に彼氏ができるなんて!」
「え?いや、彼氏ではないのですが・・・」
「そうなの?」
「・・・まあ、命の恩人、ですね」
「へえ・・・まあいいや。ほら、ルトーッ!出てきなさい!」
そう言ってシルフは光り輝く手を伸ばし何かをつかみ、引き寄せるように引っ張った。
すると遠方から何かが飛んでくる。
「いひゃい、・・・もうなんだい、姉さん?僕は―――」
ルトーはそこまでい言ってキンジの存在に気づき、固まった。
「どうやって?」
「走って」
「「!!」」
「そっか・・・やっぱりか・・・」
シルフとセレビイが驚く中、ルトーはさも当然のようにいう。
「確かに、途中までいろんな色の光の玉の光線をよけるのは大変だった。壊していいのかわからなかったがあのままだと大けがを負いそうだったので、途中で破壊させてもらった。その後でてきた近衛兵とかいうのを〈言霊〉で黙らせてしまった。・・・まあ、そのあとは特に追手や迎撃攻撃は無かったからな・・・。それでここに来た」
「「・・・」」
「そんな、近衛兵がててきたというの?・・・近衛兵は何人だった?どんな人だった?」
「近衛兵?・・・えっと、半透明の空色と薄緑色の羽の生えた重厚な鎧をまとった精霊だったと思う」
それを聞くなりシルフはため息をつき、セレビイはわらう。
「それって・・・」
「おぬし、中々見込みがありそうじゃな」
一方、ルトーは少し笑い、彼が自分の好きなレンジとは違う事に気づき、うつむく。
「やっぱり、レンジ君は分れてもその凄さはそのままか・・・あれ?〈言霊〉?」
そして気づく。
レンジが、〈言霊〉を使うときの状態を。そして、彼がレンジの中に潜む何の感情なのかを
・・・もし、それが本当なら。レンジ君が、まずい。前にこれに近いときは猶予が・・・3か月だった。
そんなルトーをよそにキンジの前に突如ステータスメニューが現れる。
「うん?・・・メール?ほお・・・!」
「うん?どうしたの?」
キンジがステータスに届いたメールを見るなり声を上げたのでその内容が気になったルトーは内容を聞き出そうとする。
「・・・ほれ」
心なしかキンジの表情が暗く、どこか怒りに満ちている。
「うん?どれどれ・・・!」
そこに書かれているのは予想だにしないことだった。
『別れた『自分』に連絡する。―――『自分』を殺せ』
それは主人格からの殺害命令だった。