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我が名はキンジ

 



「レン君?・・・それが我の名なのか?」


「あれ?もしかして違う人なのかな?・・・僕のことわかる?」


「・・・すまない。我は何も思い出せぬのだ」


 黄金のレンジはそういうって頭を下げる。


「ああ、いいって。・・・そうだ、ステータス見れる?ステータスって言えばいいから」


「うん?ステータス?」





 ・・・





「なにも起こらないな・・・」


「そんな・・・」


「あ、いや。今何か出てきた・・・『名前が設定されていません』?」


「・・・データロストなの!?」


 ルト―はそう言って無理やり黄金のレンジのステータスを確認する。


『※このステータス所有者は、存在がロストしました。分裂した存在である彼に名前を付けてください』


「・・・おい、ルトー?大丈夫か?」


「・・・え?あ、だ、大丈夫だよ」


 そう言ったルトーの表情は真っ青だった。


 ・・・レン君が消えた?ううん、分裂しただけだ。それは目の前の彼が証明してくれている。


「そんな顔されて心配しないわけないだろう。君はいつもそうやって溜め込むんだから・・・」


 黄金のレンジはそう言ってルトーの頭を撫でる。


「もう、レン君たら・・・え?」


「うん?あ、今なぜ『自分』・・・ぅう、今なぜ、『我は』あんなことを・・・」


 一瞬だけ本来のレンジが見えた。


「・・・欠片、といったところかな?」


 レンジの記憶の欠片・・・それがこの目の前にいる黄金のレンジを一瞬でも本来のレン君に戻したのかな?


「・・・キンジ。なんてのはどうでしょう?マスター?」


「はい?」


「名前ですよ、名前。このレンジ様の」


 そうだ、名前を決めなくてはいけないのだった・・・。


「キンジ。・・・うむ、悪くはないのではないか?不可能を可能にしそうな名前だ」


「えー!?決定!?」


「いえ、マスターに案があるのなら・・・」


「うむ・・・しかし、もう設定してしまったのだが・・・」


「も~二人のバーカー!」


 そう言ってルトーは窓から外に飛び出る。


「あ、マスター!」


「おい、えっと・・・」


「マスターの従者兼従魔、パールです」


「そうか・・・パール任せておけ。我が追おう」


「・・・では頼みます。マスターはおおそらく世界樹の上ですから」


「世界樹・・・ああ、あのでかい木か。わかった。」


「あ・・・」


「うん?どうかしたのか?」


「えっと、その服は目立つので・・・着替えてほしいと思いまして」


「うん?・・・ああ、たしかにな」


 金色の服をどうしてきているのか。それはキンジにもわからないことであった。







「これは精霊族の民族衣装なのか?」


 無地のクリーム色のシャツに茶色のジャケットシンプルなパンツと精霊はおしゃれに気を使わないように見える。


「・・・、そうですよ」


 今の間には少し何か思うことがあったようだ。

 ただ、それは何かを悔いるような感情が見られたことで深く追求することをやめた。


「じゃあ、探してくるか・・・」


 そう言ってキンジもルトーと同じく窓から飛び出した。

 ただ、言い忘れたが精霊の家とはツリーハウスだ。

 つまり、木の上だ。

 上空数十メートルに飛び出てしまったキンジは少しおど降りたものの、すぐに体が動く。


「〈空歩〉」


 そう言って彼は空気を蹴る。

 キンジは空気を蹴って歩いてゆく。

 風魔法で空中を移動する精霊が魔法も使わずに空を駆けるキンジに驚きながら通り過ぎてゆく。


「おい、そこに人間!そこから先は世界樹の領域だ!止まれ!」


 警備隊なのだろうか?黒を基調とした制服を着た人たちがキンジを追ってくる。

 しかし、キンジは後ろを向くと偉そうにこういった。


「我、命の恩人が拗ねて朝食も食べずにこの先に行ってしまったのでな。今から叱りに行くところなのだ。邪魔立てするな!」


 キンジの威圧に警備隊位の男はひるむ。


「だ、だが、この先には初代精霊王の防衛システムが・・・」


「ご忠告ありがとう。だが、ことわる。・・・今あの人には誰かそばにいる人が必要なようだからな!」


「・・・お、おう。そうか。がんばれよ。ちなみにその主に名は?」


「確か・・・ルトー」


「なっ!そ、それは・・・」



 キンジは警備隊の男の言葉を聞くことなく精霊樹の頂上へ駆けあがる。

 その先に後悔があるとも知らずに・・・




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