邪神登場
何とか方向性が決まった・・・。
・・・それが現れて、最初にしたのは攻撃だった。
自分はそれに見覚えがあり、体はすぐに彼女を庇うために動いた。
そして自分は、・・・石になった。
※※※
それは一瞬の出来事だった。
戦が終わり、ミオを引き留めミレイを言い訳に殺していた感情を言葉にしようとしていた。
自分が気づいたのは本当に偶然だ。
転輪の力が急にエネルギーを高速循環させて戦闘態勢にさせ、霧咲、常々が一斉に警戒を示す思念を送ってくる。
そしてミオの後ろに漆黒の楕円が現れ、そこから一人の男があらわれる。
その男は精霊族のようだが、体から漆黒のオーラのようなものがわき出ていた。
その男はこちらに向けて手を向ける。
その瞬間、自分でない自分の記憶が脳裏をよぎる。
あのオーラ、そして彼の腕輪。
それによって使える、特別な魔法―――
「12邪法:〈封印:石化〉」
その瞬間、自分はミオを横に飛ばす。
「ミオ!逃げろ!・・・奴が邪神だ――――」
レンジはそのまま光を浴び、石になってゆく。
「レンジ君!?」
ミオは飛ばされたショックでそのまま地面を転がる。
「なに?俺を邪神と知っていると?」
男はそう言い、石像となったレンジに近づく。
「ふむ、どこかで見たよう・・・ッ!な、なぜ!?」
男は驚いたように数歩後ずさる。
「ふふ、ふははは、はっはは!」
そして、彼は歓喜と狂気の表情で高らかに笑う。
「兄さん!兄さんじゃないか!しかし、石化してしまってしゃべれないか・・・そうだ!」
「12邪法:〈封印:魂石〉」
男がそういうとレンジが光り輝き、正六角形のクリスタルに変わる。
「・・・うん?目が見える・・・けど、手足が無い、のか?今どうなっているんだ?」
そのクリスタルから声が聞こえる。
「やあ、兄さん。やっぱり生きてた。俺がだれだかわかるよね?」
「・・・うっすらとだが、覚えている。あれは夢の世界の話だと思っていたが、前世の一つだったとは。『自分』自身さえも一前世の人格から構成されておるとは考えたくもなかったな。しかし、本当に邪神核と融合するとは・・・」
「相変わらず、兄さんは難しい話をしているね」
「レンジ君?レンジ君なの!?」
クリスタルがレンジの声でしゃべりだしたことに気づいたミオはクリスタルに向かって聞く。
「うるさないな・・・、兄さんとの話を邪魔するなよ、破壊神!火魔法、覚醒。紅魔法〈鳳凰〉」
「ミオ!くっ、ジョブ:SP特殊スキル発動!身代わり!」
男の放つ炎はまるで生き物の鳥のようになり、ミオへと向かう。
その速度は光ほどではないにしろ亜音速クラス。
ミオは防御姿勢を取るがそれが無駄であることは明白だった。
そんな中現れるクリスタル。
「スキル:鉄壁、最大枚数、最公率発動!魔王契約能力、近衛のスキル発動!〈王の盾〉!紋章による自身のスキル強化!創生魔法:真空箱!」
鳳凰の前に現れた透明な壁には魔王の騎士である紋章をつけた盾が浮かび、その紋章がスキルを強化する。しかしそれでも2枚、呆気なく割られる。
しかし、それによって勢いの弱まった鳳凰は3枚目、4枚目と壊れるまでの時間が遅くなってゆく。
その間にその壁と鳳凰を囲むように箱が現れ、中では鳳凰が苦しむような叫び声と共に壁に数回何かがぶつかる音がし、ひびが入る。
しかしそのひびはそれ以上割れることなく、そして壁にぶつかる音もやむ。
「おお、さすが兄さん!封印されてもスキルを使い、覚醒魔法を覚醒魔法消すのではなく、別の方法で!?やはり兄さんはすごいなあ。でも、俺は邪神。神ですよ!モンスターを操り、終焉を操れる。あなたが配置した12の守護獣はすでにわが手中。・・・といってもすでにあなた2体。そこの子に1体。過去に2体倒され7体となっていますが・・・。まあ、新たな魔法創造の駒でしかありませんし、種族覚醒を増やさせないためのものなのでいいのですがね」
「はは、防衛システムを破壊システムにされるとは・・・詰めが甘かったという事かな?」
「レンジ君、だいじょうぶですか!?」
ミオはクリスタルに近づきそれを手に収めて問いかける。
「大丈夫だ、それより・・・」
「御嬢さん、それを返してもらえますか?」
「終焉の魔物を、作ったのは、貴方のですか・・・?」
「うん?・・・それは違いますね。作ったのは兄さん、そこの石になった人。まあ星を守る者としてですが・・・。私はそれを守るではなく破壊するよう改変しただけ」
「じゃあ、あの黒死病は・・・」
「黒死病?・・・ああ、『崩壊』の常時展開スキル(パッシブスキル)ね。しかしあの程度から身を守れないとは・・・随分と弱くなったものですね。・・・と言っても、モンスター創造に使われる世界の悪意を私が横取りして守護獣の体を犯すのに使ったのですがね」
「モンスター創造?世界の悪意?・・・あなたがモンスターを作っていると?」
「違う、違う。モンスターとはもともとこの世界に組み込まれたシステムの一つさ。まあ、詳しいことは知らないけど、兄さんなら知ってるのかな?」
そう言って男はクリスタルとなったレンジに問いかける。
――――ピシッ
その瞬間、何かがきしむ音がする。
「おや?まさか・・・!ジルドニア、こんなもので私を殺せるとでも?」
『思っていないさ。・・・だが、二人を逃がすことぐらいはできよう』
男の声にジルドニアの声が答える。
しかしその姿は見えない。
ひびはやがて空間を割り、亀裂はミオとクリスタルのレンジを吸い込む。
男はそれに気づき手を伸ばすがすでに遅かった。
「くそ。だが、俺の復活は近い!心して待っているんだな!」
亀裂に吸い込まれたみおは、そのまま意識を失った。
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本物の天才たちの中で~僕は彼らをうらやましく思う~
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