一撃破壊
ミオ視点です。
光の中でジルドニアは私の頬に手を当てる。
「今から私は君の一部となる。破壊神はその力を誤ればそれは世界から排除されかねない存在だ。そして最後に一つ。破壊神とは『Eの領域』と言うステータス異常。つまり数値化不可の領域に踏み込むことになる。その意味はおいおいその身をもって知るだろう。だが、ミオリレーゼ。記憶を覗かせてもらったが汝には良き友がいるようだ、大切にせよ。それと偽りの騎士、あれは危うい存在だ。大切に思うのなら目を離すな」
「!・・・ジル、ドニア?」
「?・・・ああ、さすがに私もこの完全じゃない状態で覚醒を促したからその代償かな」
ミオがジルドニアの様子の変化に声を荒げ、それを見たジルドニアはさも当然と言うかのようにその現象を受け入れる。
彼女の体は粒子となって崩壊を始めていた。
「待って、まだ聞きたいことがたくさん・・・」
「大丈夫、我は消えはせん。いつでも汝の力と共に・・・いるからな」
ジルドニアは少女のような無邪気な笑みをミオに見せ、・・・消えた。
それと同時にミオの体に熱が走る。
心臓を中心いからだ中に紫紺色の線が走り、体の構造が変わってゆく。
それと同時にこの力がどのような力か理解できる。
これは、…危険な力。身を滅ぼしかねない力。
だけどそれ以上に、今必要としている者でもあった。
彼女はそのすべてを受け入れる覚悟を決め、体が本能で抗っている改変を受け入れる。
・・・痛みが走る。けど、彼女は耐える。
全ては自分を信じて時間を稼いでくれる。大好きな彼の為に。
・・・そして力もそんな彼女に影響されたように彼女にあわせた覚醒へ持って行く。
そしてすべてが終わり、彼女は彼の待つ地へと舞いもどった。
彼は私が覚醒をしたのを感じ取ったのか、死神に強烈な一撃を加えると新たなスキルで死神を動けなくする。
まるでその場所だけ時が止まったように中途半端な状態で止まった死神。
彼はそのスキルを使い、死神が停止したのを確認すると私の方に飛んできた。
けど彼が以前より少し小さく見える・・・?
そして、レンジ君に声をかけ、―――私は覚醒により成長していることを知った。
※※※
その後、彼と少し話した私はうれし恥ずかしすぎて、彼の元から離れてしまった。
そしてはなれあの余韻に浸ろうとすると、死神鎌がミオの命を刈り取ろうとした。
それをミオは片手で受け止め、目頭を吊上げてものすごい怒気でこう言い放ちながら拳を振う。
「邪魔、消えなさい!」
その瞬間、破壊神のスキルが連鎖的に反応し、さらに元のスキルには干渉した結果・・・残り3割(と言ってもミオの5倍ほど)のHPを残していたはずの死神は上半身を消し飛ばされ、その身を黒い砂の粒子に変えると消えて行った。
これぞ、終焉に立ち向かう力。
魔王改め、破壊神の力であった。
ちょっと展開に困っているのでしばらく更新止まるかも・・・
はじめの方の加筆や誤字の修正でもしばらくやろうと思ってます。