深層意識内での会談
全然更新できいなくてすみません・・・テスト近くて・・・
「ミオ?・・・泣いているのか?」
「おとう・・・さま?」
私が夢から覚めたかと思うと大きな男の人の手が私のまぶたに溜まった涙を取ってくれる。
まだ寝ぼけていて視界がはっきりとしない。
「・・・残念ながら、自分は君のお父様ではないな」
彼はそう言って私の頭を撫でた。
父が娘にやるような優しく、温かい撫で。
そしてこの撫で方には覚えがあった。
昨日、王令でやったが再現できなかったあれを今感じているということはこの手は・・・
ぼやけたまの視界が晴れ渡ってゆく。
「お、目の焦点があってきたな。・・・おはよう、ミオ」
そこには、レンジ君がベットの端に座って私の頭を撫でていた。
「ひゃ、ひゃん!」
ミオは恥ずかしさのあまり、掛布団で顔を隠す。
「なんだ、頭は隠さないのか?」
「・・・もうすこしだけ、撫でていてください」
私は今の時間が永遠に続けばいいのになと思った。
※※※
ミオが起きる少し前、ミレイの日記を読み終わり、自分はミオの寝ているベットに座る。
どうやら、自分はこの部屋ならどこでも動けるがそれ以上、もしくは者に危害を喰わることができないらしい。
これは王令の副作用で、今自分はミオの側近(愛しい人)とジョブに認識されていて行動範囲を制限されている。
力もうまくつけず、解除スキルで大方は解放されたが無理をすれば魔王の鎖と言う漆黒の鎖に無理やり体を縛られる。
自分は心を落ち着け、自分の中へと意識を向ける。
そこには円卓と4つの椅子。
暗闇より現れた自分はその正面の椅子に座る。
「お、主人格じゃないか。どうしたんだ・・・ってまあ、あいつの事か」
「我をあいつなどと呼ぶ出ない。将の人格よ」
「僕は貴方のような人を王の人格とは思いません」
ここは、自分の人格を分割してからできた深層意識の片隅。
ここで、僕は分割された人格と会うことができる。
「いいから座ろうか。・・・話はそれからだ」
自分がそういうと、3者3様の反応を見せながら椅子に座る。
「それで、主君は俺たちを集めてどうしたいと?」
・・・どうして、ではなくどうしたい。
自分は『俺』の陣開くを見た後二人を見ると、二人も頷く。
3人は今回の議題はすでに分かっているというように頷く。
今回の議題。それは―――新たに誕生した『我』と言う人格について。
「お前は、今回この肉体に付与されるべき人格だったという事か?」
「その通り。我は後のライファーの王となる男の肉体に宿るはずだった人格だ。しかし、いまさらそんなことなどどうでもよい。王をやるのも疲れたしな」
自分がそう聞くと我はそう返す。
「第3人格は主様に力を貸す気はないのですよね?」
「いや、王である我は本来何の下にもつかない。故に本来であれば貴様のような平凡な人格より我の方が浮き出てくるのが必然である。しかし、我・・・と言うよりおぬしら二人もだな。その平凡な人格が成長するまで封じられた。」
『我』はそう言って二人に顔を向けると、二人は心当たりがあるのか顔をよそへ向ける。
「・・・封じられた?派生したのではなく?」
「そうさ。我らは幽霊に近いかもしれない・・・我らは宿主を英雄へと導く」
「・・・それならあなだけでもできそうだが。この間は乗っ取ったじゃないか」
自分がそういうと『我』は少し困った顔をする。
「はは、俺もそう思うぜ。御前さん俺らと同時期に封が解かれたわけでもなく今になって解けて、しかも成長した俺らと同等だと?どうなっている」
「僕は心当たりがある」
「・・・さすがは『軍師』の人格。おそらくそれは正解であろう」
「『僕』、答えを教えてくれないか?」
「それはおそらく・・・彼は本来目覚めるはずのない人格だからです」
「・・・そういうことか」
「主君はわかったのか?俺はさっぱりだ。なぜ目覚めるはずのない人格なんぞがある?」
「・・・狂気、を持つからだよ」
自分がそういうと『我』の体が少し振える。
「思い出してください。彼は封印が解かれる間にもちょくちょく顔は出していました」
「ああ、主が怒りの満ちたとき・・・そうか。そういう事か、貴様『破滅の王』か」
「すまない、自分は逆に分からなくなった。破滅の王?」
「あ、すみません。破滅の王とは特殊なカリスマ性を持ち王となるも、最後に裏切りによる死を受けることを決められた存在の事です。かつていた織田信長。彼の代名詞である第六天魔王はこの破滅の王ことです。他にも秦の始皇帝、アーサー王など歴史に残っている中でも多くの偉人を大成させ、破滅させています」
「・・・そういうことだ。俺は目覚めない方が良かった。幸い、貴様は我を少しずつ解放させることで劣化版とはいえ我の力の大半をその身に収めている。我は消えた方がいいのだよ」
『我』は少し悲しそうにそう言った。
「彼らが・・・滅びたのは貴方の意志?彼らの自身の責任?」
「違う!・・・ただ、我が王としての霊気は大きすぎる。我が今まで宿った者は己が器が壊れることを覚悟し受入れ、確固たる意志を持って王として大成した。故にその石は風化してゆく。初めは意志によって耐えていた器にほころびが生じる。それは徐々に崩壊をまねく。主人格である貴様はすでに『軍師』と『将』の霊気をそのうちわに収めていること自体異常である。本来、普通の人間には霊気を収めることすら不可能だ。それはそこに己が魂が入っているから。年老いて、空きが出るのならわかる。我が今までに憑りついたものの中で我を王としてのみ使いきったのは2名。平凡王として歴史に名を残さなかったものの、世界大戦時に25年もの間その国に害を与えず、平和をもたらし続けた男と平凡な妖刀一本で剣王と呼ばれるまでになった女だけだ。貴様に奴らと同じ器と意志と心があったとしてもすでに高位の霊気二つ分。そこに我が入り、持つわけがない!」
「・・・なるほどね」
『我』は随分と熱く語ってくれた。
そしてわかったことは、彼は『僕』や『俺』の言うような破滅の存在ではなく、むしろ他と同じ導きなのだろうと思う。ただ、『僕』や『俺』よりも高位な存在であることは間違いないと思う。
故に多くの王が志半ばで死に、破滅の王などと言う名がついてしまったのだろう。
察するに、『我』は多くの王を死なせた罪悪感から自らの存在を消そうとしている。
それは所有者による人格削除が必要だ。
普通の人では薬などによる抑制程度しかできないが、僕は違う。
こうして深層意識であれば、他人格に干渉できる。
それがわかっていて『我』はそう言っているのだろう。
「結論を言う・・・君は自分が支配する」
その結論に『僕』と『俺』は頷きながら予想通りと言った態度を取る。
一方、『我』は細かく体を震わせ、拳を握りしめ円卓を叩く。
「なぜだ!よもや、貴様我を殺せぬからと言うを分けではあるまいな!我は知っているぞ、この場ならば主は我らを殺せることを」
『我』は怒りの形相で『自分』を睨みつける。
「簡単さ。・・・少しなめすぎだぞ、貴様」
『自分』はそう言って『我』を睨み返す。
その瞬間、『我』に寒気が走った。それは恐怖ゆえに。
『我』が平凡と評した『自分』に恐怖を感じた。
その事に『我』は驚愕を隠せなかった。
「・・・さて、話はここまでだ。今日はこれぐらいにしておこう」
そう言って自分は席を立つ。
先ほどまで物凄い殺気を放っていたとは思えないほどの切り替え。
『我』は主人格たる『自分』を見誤っていたのかもしれないと感じた。
王たる『我』がここまで圧倒さるなどふつうありえない。
主人格たる『自分』は早々に消えて行った。
残った3名のうち、『僕』と『俺』はため息を吐く。
「久しぶりに見ましたね、彼の睨み」
「ああ、たしかに。ここ最近あいつのすごさを忘れていたよ。ああ、なつかしいな」
「そう言えば貴様らは、主人格に対し乗っ取りは行わなかったのか?」
すると、聞かれた二人は顔を見合わせ笑う。
「そうだね、やったさ。けどね・・・」
「・・・見事に返り討ちだ」
二人は苦笑いでそう言った。
「なんと・・・『軍師』と『将』を圧倒したというのか」
「そうさ、彼自身僕より頭は回るし、」
「俺よりも戦い方を知っている」
「なんだと・・・彼は『平凡』ではないのか?」
すると彼らは笑う。
「いいや、彼は『平凡』だよ。けどね・・・」
「どんな『平凡』かはまた別なんだよ」
彼ら人格は過去の由来する。
主人格からは先祖がえりの気配を感じ、過去に複数の人格を得た存在がいるのであろうと思った。だが、それでは説明できない。
「『将』や『軍師』、『王』さえも超える『平凡』だと?そんなの・・・」
「そうさ、ぼくたちの宿るこの肉体は過去にあれだったということだ」
「そうじゃなきゃ、俺達が意識を奪えない説明がつかない、まあこれからあいつをよく知ることだな」
そう言って『俺』と『僕』は去って行った。
一人残った『我』は俯きながら肩を震わせる。
「まさか・・・彼らの言っていたことは本当だとはな・・・」
数々の破滅の王は最後に彼にメッセージを残していた。
それは決して彼を恨むわけでもなく、謝罪だった。
「『いつか我を受け止める存在は現れる。あなたは変革者に必要だ。私の死に後悔しないでほしい』か」
『我』は空席となった主人格の席を眺める。
「・・・では試してみようではないか。複数の人格を抱える偉大なる『平凡』よ」
次回、ミレイ、アヤカ出てきます。