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彼を訪ねて・・・

新章『lost range』スタート。



「・・・ダーリン!」「お父さん!」「旦那様!」


 レンジが連れ去られたちょうどそのころ3人は目を覚ました。

 そして三人は自分体の中央に目を向ける。

 そこにはあるべき人の姿はなく、一枚の折りたたまれた手紙があった。

 それを代表してミレイが読み上げる。


『少し旅に出ます。探さないでください。 レンジ』


「ダーリンの字じゃない」「お父さんの字じゃないね」「旦那様の字ではありません」


 3人はまたしても揃ってそう言った。


「ダーリンの払いは鉛筆でも達筆だもん」「お父さんはすの丸の部分がもっとかくっとしています」「旦那様は手紙の時には自分の名はあの繋げ字のサインです」


 3人は各々の感じた違いを口にする。

 しかし、彼女たちはさらなる疑問を口にする。


「「「・・・でも、だれがこれを?」」」


 3人はこれをだれが書いたのか、またどうやっておいたのかがわからなかった。

「この屋敷は私が結界を張って監視してて見知らぬ人物は感知するし、どこかへ行くはずだけど・・・」


「私も勇者の能力で感知能力は高いけど、帰ってきたときに怪しい人は誰も・・・あれ?」


「私も元犬ですから嗅覚は人一倍はありますし、この部屋に何者かが来たとすれば違和感を感じるはずなのですが・・・」


 3人はこの世界でも上位に入る実力の持ち主だ。

 そんな彼女たちを出し抜いてレンジをさらった人物。


 ・・・彼女たちは何か違和感を覚えるもそれが何かわからない。


「そう言えば、窓があいてる・・・」


 アヤカがそういうと全員は屋根上へと移動する。


「・・・くんくん。旦那様と女性のにおい?」


 屋根には水筒が落ちていた。

 その飲み口に付着した唾液でエリーゼは誰が飲んだかある程度推測する。


「・・・しかし、この匂い。どこかで」


「・・・これ、お父さんが良く作るドクダミ茶でも―――」


「少し違うね。お湯の温度に、入れ方かな?でも、素人の入れ方じゃない」


 アヤカにミレイは水筒に残っていたお茶を一口飲みそう感じた。


「この世界でこのお茶の入れ方を知っているのは・・・」


「私にお母さん、それと・・・あれ?」


 すると急に二人の頭に靄がかかる。


「・・・これは、認知阻害!聖女スキル〈解除〉!」


『魔王スキル〈自己認識阻害〉が発動中です。これを削除しますか?』


「・・・え!?魔王!」


 ミレイが頭の中に響くその声に反応するとアヤカからそんな声が聞こえてくる。

 魔王・・・ブレイファー最強である者の称号。その称号に驚くのは無理はないけど・・・何かが胸に引っかかる。

 私はそのまま頭の声に了承を示す。


『―――私はさみしい』


「…ッ!」


 その瞬間数年前の記憶が引き出される。そこからいくつもの記憶が思い起こされる。


「・・・ミオ」


 ミレイは小さくそうつぶやくとその声にアヤカが反応する。


「ミオ?・・・!ミオさんだっ」


「ミオ?・・・ミオリレーゼ!そうか、屋敷に着いてから感じたあの気配は・・・」


 エリーゼがそう言って悔しそうに下唇を噛んだ。


「そう言えばエリーの鼻にミオがいるとは気づかなかったのか?」


「はい。誰も内部にいる気はしなかったのですが・・・けどあの時感じた違和感はこれか・・・」


 エリーゼはくやしそうに言うとアヤカにミレイはそれを慰める。


「気にしないの魔王相手じゃ仕方ないよ」


「むう、それでも悔しいものです・・・」


「それより今はお父さんでしょ!」


「・・・そうですね。旦那様を一刻も早く探さなくては」


 エリーゼはそう言って両頬を2回ほどはたき、気合を入れなおす。


「でも・・・エリーゼってことはブレイファー領だよね」


「たぶん。いいや、絶対そうだと思う」


 アヤカの言葉にミレイは絶対の自信を持って返答する」


「お母さん?」


「思いだしたの・・・あの子。ミオの抱えているものを・・・だから」


「旦那様をさらったと?」


「おそらくはね・・・」


 ミレイは顎に手を当て何やら考えながら装返事をした。


「じゃあ、お母さん!早くブレイファー領へ!」


「待ちなさい、アヤカ。その前にまず準備。あっちではエアバイク使えないから徒歩になるわ」


「どのくらい?」


「平均3日」


「・・・長い」


アヤカがどす黒いオーラが噴き出す。


「わかってる。だけど私たちが全力でも・・・おそらく1日」


 二人はなんとか許容範囲と言った頷きを返す。


「あーちゃん。じゃあ、食料と道具、アイテムをカバンに詰めて」


「了解、お母さん」


「次にエリー」


「はい」


「君は予備武器の選定。ここの地下にダーリンのうった武器があるから」


「へえ、そんなのあったんだ。」


 そう言って、彼女は武器を求めて地下へと向かった。


「あーちゃん、私これより王城にて特殊マップを使用してダーリンお位置を突き止めてくる」


「わかった、お願いねお母さん」


 そう言って各々移動を開始する。

 すると、アヤカのステータスウインドウに通知が入る。


『2次試験の合否通知』


 タイトルはそう書かれており、食料をマジックバックに詰め込みながら綾香はそれを横目で確認する。


「・・・!」


 彼女は持っていたジャガイモを思わず落としてしまう。

 それはちょうど下にあったバックに吸い込まれる。


「・・・うんうん。さすがは旦那様。いい武器をそろえている」


 背後からそんな声が聞こえ。

 振り返るとそこにエリーゼがいた。


「うん?アヤカちゃん?」


「エリー、通知きた?」


「え?通知?・・・!」


 エリーも自分のステータスウィンドウから確認し、おどろいた。


「・・・これは早く旦那様を見つけないとまずいね」


「これ見たらお母さん、どうなるか・・・」


 二人はその光景を想像し、身震いする。


「・・・とりあえず今はお父さんを」


「探すことです」


 レンジが連れ去られてわずか4時間。

 3人はブレイファー領へと歩き始めた。




次からしばらく主人公視点のお話が続きます

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