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VS転輪の守護者01

2018501:誤字修正


 


「ヴァエアアアアアアアアアアアア!」

 茨を切られたことで元転輪の守護者は怒りに身を任せ数十本茨を振る。

 ただそれは的を得ず、ほんの数本気まぐれに当たりそうになる茨を4人は器用に避ける。

 4人の速度に恐怖したことにより、頭が冷えたのか今度は茨による攻撃が適格になる。

 しかしこの距離では現在以上に出ている茨が大して使えないことは想定していた。

 数重本の茨は体が互いの攻撃に干渉し、思ったような攻撃をおこなえない。


「・・・小さな茨を出してくるかと思ったがあの茨しか使えないのか?」


 先ほどから出てくる茨は大きなものばかりで小さな茨が出てくる気配なかった。


『マスター、多分転輪の守護者は元の権能のほとんどを失い、今使っているあの茨・・・攻撃名前を森の刃と言うのだけど、あれも暴走状態で使用してるんだと思う。破壊する者に細かい感情とか思考とかいいらないから。それに神獣にあの復讐心の塊を植え付けられて理性を働かせることなんて・・・おろかね』


「・・・なるほど」


 理解はできるが、共感できない考えだ。

 邪神・・・この世界には珍しい生命体のように感じる。

 しかし腐っても神。あの転輪の守護者と呼ばれる転輪の守護者を仕留め、あそこまで狂わせた手腕には舌を巻く。

 前世にて天才的知能を持つ者と多く対峙してきた。

 それを善の為に働かせるもの、悪のために働かせるもの、欲の為に、理想の為に。


 多くの人がいた。

 特に人を操る(特に洗脳、先導系)には苦労した。

 彼らは決して前に出ない。

 仲間がいつの間にか敵についている事すらあった。

 その邪神はそういうタイプ・・・いや、それにしてはお粗末な気がする。確かに用心の注目は高いだろうが、一般市民への情報統制が取りやすいであろうこのタイミングで?

 人の心の隙間に入り込み、自分の駒とする。主に恐怖心を煽って。

 この転輪の守護者もそうなのだろう。

 言葉を聞くに、おそらく守護していた森を壊された・・・人間に。

 だが、今の時代にそんなことをするような奴がこのいるようには見えない。

 ・・・ならば昔、か?それとも自分と同じように異世界から?それはまあいい。だがこれが知略の天才の一手だとするならこれはデモンストレーション。おそらく邪神の存在を知らせるのが目的、か。


レンジは目をつぶり、一瞬という長い時間を使う。


 これまでの経験から導き出した推測。


 それによりこの先の展開を思考する。


 今のレンジには並列思考に演算能力向上もある。


 さらに胸元のペンにある所有者の文官系能力向上などによりその精度、速度は前世のコンピューターも超える域に達している。

 それにより、邪神がこれ以上部下を出す可能性は低いと判断を下す。


「接敵。距離100。みんな、一気に決める」


「「「了解」」」


 自分の言葉に全員が返事をする。

 しかしその瞬間、転輪の守護者が動く。


 ・・・光速移動による角突き!


 レンジは鉄壁を使用し、攻撃対象を自分へと移行。

 鉄壁をはり、防御姿勢を取る。しかし・・・




 ―――バリンッ




 それは予想以上だった。


「なッ!まにあわ―――」


『マスター、助ける!』


 ラスがスライムの酸ぶちまけながら触手を効能の地面に突き刺し、それに引っ張られるようにレンジの体を転輪の守護者から放す。


「ダーリン!」


「お父さん!」


「旦那様!」


 自分の胸元を確認すると、穴が開いていた。


「・・・スキル展開より早かった」


 そう、鉄壁が構成されるより早くあの転輪の守護者は迫ってきた。

 故に多少の減速はできたが完全防御とはいかず、危うく死にかけた。

 転輪の守護者はスライムの酸による苦しみの声を上げる。

『そうか、そうか、そうか、そうか!貴様、貴様、貴様間も私を殺すのか!』


 自分の頭の中にそんな声が聞こえる。


『我一撃を防いで一喜一憂してるようなら5分と持つまい』


 ふたたび転輪の守護者は光速移動をする。


 ―――キシンッ


『なに?』


「うわ!」


 転輪の守護者がつぎに狙ったのはアヤカだった。レンジはすぐに狙いが自分でないことを感じ取り反射的に最高速度の最高密度、最適鉄壁を張り、防いだ。

それでも転輪の守護者は性懲りもなく再び、攻撃姿勢に入る。

しかし、それは転輪の守護者にとって最も悪手であった。




















 ・・・なに娘に手ぇだしてんだ。


 レンジの中で怒りの炎が燃え出す。

 転輪の守護者はその瞬間、邪神なたえられた力や怒りなどすべて忘れて・・・恐怖した。


転輪の守護者は神獣。そして輪廻転生の輪を回す土地、転輪の森をかつて守っていたもの。

故に見えた。かの男の中には三人の人格があることに。

武人の纏う剛熱を持つ人格。軍師、賢者の才を持つ者が持つ冷徹の人格。

そして狂気と言える破壊と王の資格を持つ人格。



「自分、いや、僕。違うな、俺・・・ふう、そうだ。我だ!わが娘に手を出そうなどとよく大それたことをしてくれたな」


 そのようすに転輪の守護者やみんなは固まり、アヤカにサインを送ると、退避する。


「転輪の守護者よ。わざわざ我が出てきた。われが満足するまで死ぬなよ」


 レンジは姿勢を低くして常々を構え、技の姿勢に入る。


「散桜!」


 二人はぶつかり、そこには瞬間巨大な花火のような火花が上がったという






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