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ミレイの溜めていたもの

 


「それで、エリー。なんで初めて会ったときはあんあんだったんだ?」


「あ、えっと、ですね・・・」


「うん?ダーリン、もうエリーと会っていたの?」


「まあな・・・」


 あの時の事を思い出しで自分は苦笑いになる。


「じ、実はあの時は・・・」


「あの時は?」


「は、発情期でして・・・」


「・・・はい?」


 そのあと詳しいことを聞くと、あの日正体不明の不審な人間(常識がない、一見普通の人だが、見る人が見れば化け物とわかるその立ち振る舞い)がブラックカードを出したゆえに護衛として、最悪その場で暗殺のために駆り出されたらしい。

 獣人の発情期とは周期的に回ってきて短い期間起るらしい。

 発情期と言っても脳内完全ピンクになるわけではない。

 基本的に男は身体能力が上がりその代わり短気になり、女性の獣人はその間に意中の相手を見つけると襲いやすくなるということだ。

 前回は自分も若返っていて外見が分からなかったが、前世で大好きだった自分と同じ匂いに体が反応し、それを抑えようとしたが獣王としての自分が自分と同等かそれ以上の雄の匂いに目覚めてしまった結果があれらしい。依頼自分が名前を呼ぶだけでもスキルである獣王が暴れて感じているようだ。

 この獣王と言うのは通称であると同時にエリーのもつスキルでもあるらしい。

 基本能力をあげる代わりに野生本来の本能の力を強めるらしい。

 それと、本来の口調は今のような丁寧な言葉遣いだが、冒険者ギルドでは女であるから、獣人であるからと言って舐められないようにあえてああいった言葉遣いをするそうだ。


 ・・・ここまでをまとめたがこれは、あれかな?


「エリーそれ告白になってない?」


 綾香が自分の隣でそう言う。


「・・・えっと、そのつもりです」


 エリーは恥ずかしがりながらさっきの言葉が告白であることを認める。


「え?え?」


「お母さん!」


「私はいいと思うわよ?」


「え?え?」


 もうさっきから『え?』しか言えない自分。

 自分の意思関係なく自分の事が決まってゆく。


「・・でも!」


 綾香はそれでも食い下がる。


 ―――いいぞ頑張ってくれ!娘として(?)お父さんの重婚はだめだよな!


「・・・アヤカちゃん。私も、ダメ?」


 ―――うわ、なんと純粋でつぶらな瞳・・・


「う・・・わ、わかったわよ。エリー」


 そこで許しちゃうんだ・・・


 自分は空気と化し、声も上げられず、自然と自分の事が決まっていくことに不満はない。

 ただ・・・自分の事をミレイにほとんど管理されているのは気のせいだろうか・・・?


「さて、ダーリン」


 お、ようやく自分に意識が。最後に事後承諾を取る気だな・・・まあ仕方ない。エリーは元々家族だしな・・・


「お腹すいたから、拠点作って夕食つくりましょう」


「え?」


 自分に確認すらとらないの?尻に敷かれているというか・・・こう、みんなを繋ぎとめるための男と言う物と扱われている気がしてきた。

 そう思うとミレイに裏切られているようで少し落ち込む。


「ダーリン?どうしたの?」


 相変わらずミレイは視覚に自分がいても自分の状態変化に敏感だ。


「え?いや、何でもないよ・・・ただ、エリーの変容に驚いただけ」


 僕はごまかそう様にそう言うと、ミレイの表情がどんどん曇ってゆく。

 あれ・・・これまずくない?なんか前世でのデジャブが・・・


「そう?・・・なんか、私いやなことした?ねえ、お願い捨てないで。私嫌いにならないで。何がいけなかった?夕食作ってとお願いしたから?私がリーダーしているから?私がダーリンと全然しゃべらないから?あーちゃんより先に迎えに行かなかったから?転移前にダーリンの言った言葉に反応してあげれなかったから?伯爵の息子さんにひるんでダーリン以外の男に人に触れさせそうになったから?」


「おい、ミレイ?落ち着け・・・」


 自分とアヤカ、それにエリーも顔が真っ青になってゆく。

 このままだよヤンデレて暴走する。最悪自殺しかねない。

 そう思ってどうするか自分は行動しかねていると、ミレイの頬を一滴の涙が流れ落ちるのが見えた。


「受付の時にダーリンの提案に少しごねたから?その前ので店で全部ダーリンに払わせたから?訓練でふざけてダーリンを困らせたから?王城であーちゃんとバトルしちゃったから?そのせいでこんな大会に参加させちゃったから?ダーリンの狩った地龍を献上品にさせたから?読んだ時にいたあの屋敷が気に入らなかった?いきなり夜にやろうとしたのがいけなかった?この世界に来て私のサポートが少ないかな?何でもできるダーリンから見たら私なんて足手まといで、しつこいストーカーで、もしかしてこっちの世界に呼んでほしくなかった?向こうの世界の方が良かった?私良いない方が良かった?私が死んでせいせいした?ごめんね、ダーリン。私ウザいし、きもいよね。こんな粘着質でダーリンに近寄る女の子は許せないし、頑張ったけどやっぱり心はもやもやするし、でも私の知っている中でもダーリンを私と同じぐらい愛せる人は許せるように頑張ったの。この十七年間ダーリンの事だけを考えて、ダーリンはすてきだから私だけのものにするのはやっぱダメだと思ったけど・・・私は一番近くに、そして隣にいたくて―――」


「ミレイ!」


 感情を爆発させ、子供の用に泣きじゃくるミレイ。

 ヤンデレの自覚があり、それを直そうと頑張っていた。


 ―――思えばそうだよな・・・ミレイは自分と同じく17年会えなかった。その割に監禁しかけたのは一回だけ・・・。初日にいきなり抱くことになったけど、そんなもので彼女の17年の思いを受け止められるはずもなく・・・クッ、自分はなんてばかなんだ。


 自分にそんな怒りが込み上げて来てそんな少し威圧感がある状態の声音でミレイの名を呼ぶ。

 ミレイの体はその体からふつふつと漏れ出る威圧感の成果体をビックと震わせる。

 その姿は駄々をこねて怒られることを覚悟した少女のようだ。


「・・・ミレイ」


 目を閉じ、顔をあげて、歯を食いしばり、彼女は顔を差し出す。

 ビンタされる覚悟はあるといわんその体制に自分は何見当違いのこと考えているんだと威圧が緩み、自分への怒りも収まってゆく。

 左手を顎に添えると彼女は目をさらにぎゅっと握る。


「はは、ミレイ。俺はお前のいる世界以上に最高の世界はなねえよ。お前が俺の一番であり、唯一右側を歩かせてやる奴んだからな」


 レンジはそう言ってミレイの口づけをする。

 すると、それに驚いたミレイは目を開き、食いしばっていた口は一気に緩まる。

 そこにレンジは舌を入れ込み、かつてミレイに封印指定された舌づかいを披露する。


「~~~!~~~~!!」


 ミレイはレンジの一瞬の隙もない舌づかいにどんどんとろけてゆく。

 彼女の涙は止まり、暴走気味だった体内の魔力や隠しもっていた刃物も一応回収しておく。

 やがて腰砕けになって顔を真っ赤にし、ビクンッ、ビクンッ震えるミレイをお姫様抱っこする。


「今はお休み、ミレイ」


 そう言って彼女に闇魔法〈安眠〉をかける。

 今の抵抗力の低いミレイはそれに安易にかかり眠ってしまう。


「お、お父さん」「旦那様・・・」


 エリーとアヤカが心配してかけよてくる。

 そんな二人の方を向き自分はもう大丈夫だよと優しく微笑む。


「…さて、ちょっとまずいかな?」


「え?・・・・・・!」


「抜かりました・・・私としたことが」


 この周囲はモンスターに囲まれいる。

 現在わかるだけで600近くがいる。


「一点突破で逃げようか・・・」


「了解です」


「・・・あ、うん」


 僕らは武器を構え、魔法を展開させて湖の方へ走り出した。みんなもついてくる。


「さあ、まずは安全の確保をしよう」


 そういってぼくは走り出した。開始から4時間30分経過



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