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VS暴食のスライム

 


「ひ、久しぶりです。エリーゼさん」


「はうっ!・・・」


 苦手な人の登場に戦意がそれ、『俺』が解ける。

 だが、その瞬間暗闇でにやりと笑う自分が見えた。

 それはほんの一瞬。自分でもない俺でもない僕でもない何かが見えそうだった。


「私はぁ・・・あえてぇ・・・うれしいですぅ・・・」


「えっと、かなり時間開きましたから・・・って大丈夫ですかエリーゼさん?」


「ひゃん・・・」


 自分がエリーゼにそう挨拶すると彼女の体がビクンッと跳ねる。

 彼女はそのまま自身の体を抱きしめ未だに体を細かく震えさせている。妙に艶めかしい。

 なんか前回あった時とかなり雰囲気が違う気がする・・・。


「エリーゼさん・・・!スライムが元に戻りますよ!」


「だめぇ~。腰抜けちゃった」


 風魔法で空中に浮いていたがそれに回していた力が抜けたのか彼女が落ちてゆく。

 巨大スライムは先の自分とエリーゼの攻撃を体内で消化しきったのか、元の水滴状に戻ろうとする。このままでは彼女はスライムに飲み込まれかねない。


「光魔法〈聖十字の封域〉、闇魔法〈影縫い〉」


 スライムの四方に光の十字架が突き刺さり、簡易版の聖域ができる。

 さらに十字架によって国で手ているスライムの影を闇魔法で縫い付け、この場から逃げられないようにする。


「さすが旦那様。こんな芸当見たことありません・・・」


 腕の中のエリーゼがほめてくれる。その表情はどこかうれしそうだ。

 バトル大好きって言っていたから珍しい戦術見れてうれしいのかな?

 しっぽの振っていることから嬉しいのは間違いなのだがそれがバトル好きからくるものなのか、この状況をうまく使って自分をたぶらかそうとする策を思いついたからか?


 恋愛感情はないと思う。だって一回しかあってないし、自分の強さが好きならそれは恋愛ではなく好敵手つまりたたのライバルであるからだ。どちらかと言うと友達関係のジャンルだと思う。


「少し離れましょう。・・・ここらで休めるところ見ました?」


「ごめんなさい。みてない」


「構わないですよ。自分も探してないですし。・・・そうだね。ここから南に向かったところに開けた場所があるな」


「けど・・・」


 彼女はスライムを見る。今も自分の放った魔法から抜け出そうともがいている


「自分が何とかしますよ」


 自分がそういうとエリーゼが頬を赤くしてうつむく。


「頑張って、旦那様・・・」


「えっと、そのことについては、また後で・・・」


 自分は苦笑いでそう返すのが精いっぱいだった。

 自分は少し開けた草原にて彼女を降ろすと、再びスライムへと向かう。



※※※



「さて・・・どうしようか?」


 自分は湖に近い一本の木の上に降り立つ。

 眼下に広がる巨大スライムは無数の触手を伸ばし、鈍い動きで光の十字架を攻撃している。


「相性の悪い闇魔法と光を使ったんだ…そろそろか?」


 レンジがそう言うと、光の十字架は左右にぶれはじめやがてそのき刺さった後だけを残して消える。

 それと同時にスライムの影からも黒い靄が抜けてゆく。


『               !』


 スライム事態に声帯はないので鳴き声は聞こえないが体を震わせ、怒っているのは分かる。

 その証拠にスライムから延びる無数の触手は一斉に自分を狙ってくる。


「避けてもいいが・・・〈鉄壁〉!」


 そう言って自分の中で構成する壁を想像する。


 ・・・壁は三枚。

 ・・・始めは柔らかく衝撃を吸収する。

 ・・・次は目では分からないほど薄く中央に促すように斜面をつけて

 ・・・最後は元も小さくもっとも固くついでに付与も


 そして完成する一枚の半透明の7色の壁。

 たたみ一畳分しかないその壁にすべての触手の攻撃が集まる。


「鉄壁特殊スキル〈敵意集中〉〈攻撃誘導〉」


 鉄壁と言う特別なスキルにもとより備わる2つのスキルによってスライムの攻撃を全てをその壁で受け止める。


 ズギョンッ!


 壁は職種とぶつかり、音と煙を立ててる。

 その煙は風によって飛ばされる。


「スライム最強系物語は最近多いが・・・こうして身をもって知りたくはなかったよな」


 煙の名から聞こえた声は間違えなくレンジの物で、その目の前にある職種はすべてが爆散してかなり細かくなっていた。


『             !』


 スライムもかなり驚いているようで体の近くに触手を持ってくるとそれを口に入れ取り出す。


「・・・あ、治ってる!」


 破壊された触手は元通りに戻っており、その触手たちを使って再び襲ってくる。


「めんどうだな。よけて一発・・・風魔法〈春風〉」


 触手はそのままレンジを貫いた。


 ・・・いや、それは瞬く間に去りゆく春のような風の幻影。


 その風は暖かく触手をつかみ離さない。

 スライムは不可視の風の腕によって絡め捕られた触手を何とか動かそうとする。


「無駄だ」


 伸ばした触手の反対側から声が聞こえる。


「俺を探していたのだろ?」


 そこには光球を持ったレンジの姿があった。


「ようやく、俺へと戻れた。この状態なら貴様など倒すにたやすい・・・うん?貴様と言ったのか、俺が?まあいい吹き飛べ光魔法〈光爆〉」


 そう言ってスライムに光球を投げつける。

 それはスライムの体表にぶつかると内部にため込んだ高熱を放出してスライムの体を抉り取った。


 ・・・しかし、それでもスライムは生きている。


 とっさに核を移し、難を逃れたのだ。

 しかしかつてほどの大きさはなく、約3分の2が消滅して核が空気に触れてしまっている。

 スライムは急いて体の残りを集めて守ろうとするがもう遅い。

 すでに準備は終わっていた。


「無色魔法〈創生〉闇魔法〈闇纏い〉風魔法〈加速〉光魔法〈光の道〉」


 レンジは太陽を背に一本の槍を作る。

 それに闇を纏わせ、風を付与して加速させる。

 その槍は光のによって示された一本の道を伝い、スライムの核を・・・貫いた。


『                      !?』


 声なき悲鳴を上げて、スライムは水蒸気を出して消える。

 地面には飛ばした槍が核を貫いており、それが水羊羹へと変わり、槍の持っていた熱によって消滅する。


「ああ、水羊羹!?」


 そう言って落ち込むレンジの指輪のlogには、『隠しボスS『水』討伐。討伐者R。』と言うlogが流れ、島全員を驚かせるのであった。



 ―――試験開始から約2時間15分経過






旦那様・・・ステキ。それと、早く謝らないと・・・

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