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2次試験開始

今少しずつですが、投稿済みのものを修正しています。

まだ第8部分である『そのころのレンジ3』までではありますが一部加筆修正もあるのでよければ読み直して下さい。



 


『OK!全員転送終わりましたね!まずはみなさん、右手を見てください。それは・・・』


 羞恥心から立ち直ったレンジはあの司会の男が上空に映し出されて先に説明されたことに加えてプラスで説明を始めたので座って聞いていた。


 そして転移前と転移後の話をトータルすると・・・


 ①ここが今回特別に用意された無人島の孤島であること。


 ②エリアは中央の湖エリア。そこから北に言った廃村エリア。東に言った古代遺跡エリア。南に言った森エリア。西に言った草原エリアである。


 ③終了条件は参加者の絞り込み。(人数不明)


 ④島にはモンスターあり。モンスターは食料をドロップするか、煙幕を吐き出す。


 ⑤親指にあるリングは島のmapを開くことができ、1時間に一回のスキャンが起こる。これから隠れることは不可能でここでスキャンされなかったものは強制的に失格となる。失格となった者は全員に通知され、確認して連絡を与えると主催者側が強制的に排除する。


 ⑥武器弾薬の補充は不可。ただ、モンスターのドロップ品と交換で持ち込んだ物の弾薬の補充は可能。


 ⑦島に隠れた隠れボス3体と5時間経過の際に召喚されるモンスター(2体)を討伐すれば特別ボーナス有


 ⑧時間制限なし



 ・・・これは消して自分が大雑把にまとめているのではなく余計な内容を省いて要点をまとめた結果だ。


 事前情報の開示はなかったし、説明を聞きながらすでに行動を起こして周囲の参加者の様子をうかがっていたが、全員例年は違う試験に戸惑っているようでもあった。


『最後に、指輪にむかってログと言ってくれ!』


「・・・ログ」


 すると、logとタイトルされた掲示板が現れる。ここには参加者や試験の進行に関する情報が流れるようになっているらしい。


「あれ?もう何か出てる・・・」


『参加者:アルフレット。モンスターによって殺害。失格』


 ・・・あの坊主、もう失格になっていた。逃げたことと言い、口ほどにもなさすぎないか?


 自分はそう考える。


「マジかよ、あのアルフレットが。伯爵さま怒るだろうな・・・」


 下からそんな声が聞こえる。

 自分は今、木の上にいてその冒険者を見張っていた。

 男は剣を使うようで物腰はかなりの腕前のように見える。

 すると、logにさらに一文増える。


『アヤカ・ミレイモンスター討伐。ドロップアイテム獲得』


 ・・・お、二人とも。元気なようだな。文面から察するに、合流して共闘しているのかな?



 ※※※



 そのころ・・・転移直後から二人は北の廃村を駆け抜けていた。

 二人の目的は一つ!



『アーちゃんより先にダーリンもとへ!』

『お母さんより先にお父さんの下へ!』



「グァアアアアアアアアアア!」「ウヲオオオオオオ」


 サイクロプスにケンタウロスが行く手を阻む。


「「邪魔!」」


 二人はモンスターの魔石をひったくり、即死させる。

 魔石はドロップ品へと変わり、指輪の中に取り込まれる。

 それとともにlogが全員へと流れる。

 二人は説明やログを確認することもなく迷宮のような村を進む。


 そしてようやく村の端、湖側へと出る。

 そしてそこにあった物に二人の体は固まった。


 それは目の前の看板。


 看板はそこから先のエリアについて書かれており、右に行けば東エリア。左に行けば西エリア。


『これは迷わず右!・・・と行きたいけど、私と同じくらいダーリンセンサーを持っているアーちゃんはどっちを選ぶの?』


『これは迷わず左!・・・と行きたいけど、私と同じくらいお父さんセンサーを持っているお母さんはどっちを選ぶの?』


 二人は互いの顔を見合わせ、牽制し合う。


 ・・・そして再び動き出すのこの数十分後だった。


(ちなみにレンジは南の森に中央にいるのでどちらから言っても同じ。ただ二人は立ち位置的にそれぞれの直感の示す道が数ミリ近いと判断しただけ)



 ※※※



 開始20分後―――


「スキャンを確認したが、二人は一緒にいるようだね。合流したいけど・・・」


 レンジはlogを開く。


『参加者:スリー。死亡(参加者Rによる殺害)。失格』


『参加者:エルド。死亡(参加者Rによる殺害)。失格』


『参加者:クロイ。死亡(参加者Rによる殺害)。失格』


『参加者:アルジェイ。死亡(参加者Rによる殺害)。失格』


(以下6件参加者死亡による失格記録。そのすべての参加者Rによる殺害)


「・・・自分を狙うやつ、多すぎだろう」


 常々に着いた血を払い、鞘へと納める。すると、常々から思念が送られてくる。


「主の奥方と娘を見ればそれは嫉妬もおころうに」


「まあ、それはわかるよ。前世でも経験あるし」


「あの時も儂を使ったな」


「まあ、ヤクザ相手だったから」


 傍から見ればレンジは腰に手をあて独り言のように色々と言う。

 その手をレンジは流れるように刀へと移し、再び常々を一線振う。

 周囲の木が倒れ、logにプラス3件殺害記録が表示される。


「・・・だからヤクザとかの裏じゃなくてもこうやって報復できるこの世界は少しうれしいかも」


「ダークサイドな主。久々にぞくぞくするな!」


 常々は地球にて若き蓮二の見せた雰囲気を感じることができて楽しそうだった。


「ダークサイドね。・・・ミレイはこの状態を鬼神って呼んでたっけ?」


「ほう・・・でもそれはおそらく理性を失った時じゃなかいか?あのとき、主の悪を殺す姿なんてまさにご初代の闘鬼化した姿を連想させたぞ」


「ご初代って言われても自分にはわからないよ。剣技は君を通して習ったけど」


 レンジの剣技は親友との練習を基礎としてその後、夢に出てきた常々との幻想の切り合いによって体が覚えたものである。

 故に、本家で失伝とされた元祖の型を使え、生前のルトーの使っていた剣技から現代流高阪剣術も扱えた。


「・・・しかし、もう20人か」


 開始20分にしてトータルで20人が死んだ。

 そのうち13名は自分だが、残り7名を殺したのは二人組と思われるAとOから始まる者(殺害者欄に二人分のイニシャルある)

 この二人はたまたまそれを目撃し、片方が止めを刺したが殺害者には二人の名が出たことからとどめを刺したものではなく、戦った者の名が乗るということが分かった。

 これは仮想空間で死んでも実際に死ぬわけでもないので、今回は見殺しにさせてもらった。


 ・・・やはり、怒りによる闘志と獣王への恐怖からくる冷静さが自分位ある種の狂気を与えることを自分は少し自覚し始めた。


 アドレナリンが大量に出ているのかいつもより疲れにくく、けがをこわがらず、躊躇なく殺している


「ゲアァアアアアアア!」「グア、ア、アア!「ゲハァアアア!」


 ゴブリンチャンプと呼ばれるAクラスモンスターが3名あらわれる。

 チャンプの名の通り力自慢であり、随一の武力を持つ。自分より上位存在5体を倒したことで存在進化できる種族のはずだ。

 つまり、自分より上の奴を足すだけの経験を積んでいる。中々に厄介なはずだが・・・


「・・・お前らは女を犯すんだろ?ならミレイとアヤカの敵。不愉快だ、すぐ死ね」


 常々をこんな地で汚すのはかわいそうなので意志を3つ拾い、付与を複数掛ける。


「風:加速、鋭利、鎌鼬。光:組織破壊、高熱、帯電。闇:光奪い、能力低下、狂乱」


 それを3体へ投げると、3体は苦しみ、もがき、絶望し、やがて泡を履いてドロップアイテムへと変わる。


「・・・ふぅ。少し落ち着いた方がいい。今の殺し方はなんだ!?自分らしくもない」


 レンジはマジックバックアから水袋を取り出し、顔を洗う。


「・・・少し落ち着いて行こう」


 レンジは知る由もなかったが、自分、僕、俺に続く新たな自分が生まれ始めたことにこの時気づいていなかった。




我が目覚めも近い・・・

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