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・・・少し口が過ぎたようだな、坊主

この後、これ以前の誤字修正を行おうと思います。

 


「レン君?」


「・・・」


「レン君!」


「ッ!・・・あ、ルトーすまない読んでいたのか?考え事していた、すまない」


「うんん、別にいいけどすこし危ない雰囲気だったから・・・その、昔『修羅』を暴走させた時みたいに」


「・・・そうだったか。まああれも操れるようになったしな」


「そうなの?がんばったんだね」


「まあな。伊達に年を喰っていない」


 自分はそう言ってルトーに笑いかける。

 するとその瞬間寒気が走った。


 凍りつくような冷たい視線二つ。


 それに、・・・・・・肉食獣が獲物を定めた視線。


 自分はすぐさまその視線を放つ人物の方へ目を向ける。

 冷たい視線は予想通りだ。アヤカとミレイ。

 今にもルトーの喉元を喰い殺しそうな勢いだ。


 僕は口パクで彼女がルトーであることを教える。


 ・・・なぜかさっきの量が増えた。


 ほかの人は気づかないが二人はすごぶる機嫌が悪い。

 やっぱり裏で何かあったのかな?


 そんなことを考えながらもう一人の視線を追うと、僕は一筋の冷や汗を流し硬直する。

 それはさながらライオンに見つかったウサギのように。


 そこにいたのは・・・



「獣王:エリーゼ」



 自分が小さくそういうと彼女は体をビクンッ!と跳ねあがらせる。

 まるで絶頂に達したように。


 彼女はとろけたような目でこっちを見て小さく何かを言った。


 読唇術でそれを読み解き、それ怒りに燃えていた自分の首元にナイフを突きつけられているような感覚に見舞われる。

 彼女はこう言った。


『よ・う・や・く・み・つ・け・た・♪』


 怒りでまともな考えのできない自分の頭がどんどんクリアになって行くのを感じる。

 怒りによる気力の上昇と恐怖による冷静化。

 今のこの状態は最高のコンディションと言える。


「レン君、なんか調子よくなった?」


「・・・いいや。むしろ調子は割るかもしれない。でも、戦うには最高のコンディションだ」


「・・・?そうなの?まあ、いいや」


 トップ10の紹介の後、試験の概要が説明される。


「今回の試験内容は無人島バトルロワイアル!時間無制限で人数がある一定数になるまで行われるぜ!無論監視はつく。これどういう事かわかるよな!?」


 ・・・つまり、この試験で求められているのは個人の身体能力の高さとヴァリエーション、それとペース配分に、協調せいか?バトルロワイアルと言いながら協調性を求めるとは...


 説明が終わり、全員が転移への準備に入る。


 ルトーは準備があると離れて行きダンジョンの二人もこちらによって来る。

 あの獣帝も飛びついてくるかと思い、身構えたが見当たらない。

 気配察知で確認するが・・・見つからなかった。気配察知から逃れる術を持っているか、それとも・・・

 僕は天井を見上げる。

 気配察知は基本2D表示なので横でしかわからない。つまり立体的判断に弱いのだ。

 そう思い、上に目を向けるが何もないし、いない。


「・・・え?」


 アヤカが何かに驚くように床を見つめて目をこする。その視線の先には何もない。


「どうした?」


 自分は何があったのか気になりアヤカに声を掛ける。


「うんん。なんでもない。・・・」


 そう言いながらアヤカは笑う。

 自分は見逃さなかった。アヤカは床ではなくレンジの影を見ていたことに。


 ・・・影か。魔法か、スキルか。もしかして...


 レンジは一応考え考えられる現象の中で優先すべきものを考えておく。


「ダーリン。私すぐに合流するから!」


「お父さん、私も!」


 その言葉に周囲の人達がどよめく。

 自分はこうなると予想し、仮面いグローブを装着済みである。顔でばれることはない。


「・・・わかった。でも―――」


「あ、ミレイ!」


 自分が二人に注意してほしいことを言おうとするとそれを遮る人物が現れる。

 しかもミレイを呼び捨て。その事にレンジは苛立ちを覚える。


「うっ・・・アルフレットさま、こんにちは」


 ミレイも困ったようにその声に返事をする。

 彼はそんな美鈴の表情をものともせずに声を掛ける。


「はは、今日もきれいだね。どうだい、僕のお嫁さんになる気になったかい?」


「はぁ?」


「・・・え?」


 アルフレットと呼ばれた青年は驚いたようにこちらを向く。

 しかし自分はやる気のなさそうなオーラで眠たそうな目元をしている。

 とてもいまどすの利いた声を出した人物には見えなかった。


「えっと、君は?」


「初めましてゼロと言います。冒険者です」


 自分がそう紹介すると、彼の表情に陰りが見える。


「そうか、私はアルフレット。この国のエルス伯爵家の長男だ」


 好青年のように見えるが、言動、口調、セリフから推測するに、いいとこのボンボンで世間知らず、話を聞かず、周りを困らせ、悪びれない…ゴミとと判断できる。

 こういったのはSP時代のもいた。ほとんどは無視で済ますのだが2人だけかまってあげたやつもいた。片方は男で片方は女の子。どちらも根はいい子だった。・・・元気かな?


「それでゼロさん。あなたは冒険者を初めてどれくらい?」


「まだ一週間弱かな?」


 その瞬間、アルフレットの表情が変わる。


「なんだ、対してランクも高くないやつか。力自慢と言うわけでもなさそうだからな・・・そうか、貴様極東の島国出身か。あの国は力を技でねじ伏せるからな、その辺の力自慢あなら勝てるだろう。おおよそその技と姑息な手段で一次試験を通ったのだろう。だが、力もその技も持つ私には聞かぬぞ。・・・さあ、ミレイ。こんな男ほおって私と行きましょう」


 アルフレットはそう言ってミレイに手を伸ばす。

 レンジの事を散々言われたミレイは今にもアルフレットを殺そうかと思ったが、伯爵という立場である彼を害することにこの世界になじみすぎたミレイは一瞬躊躇する。

 それを了承と取ったアルフレットは彼女に触れようとする。


「・・・少し口が過ぎたようだな、坊主」


「あ?―――ぶべぇ!」


 かなり低音のどすの利いた声にアルフレットが振り返る。

 しかし、気色悪い音を残し、アルフレットは飛ばされ、部屋を支える柱の一つにぶつかる。

 そして、レンジはただでさえ集めていた視線をさらに集める。

 理由は単純。蓮二が伯爵を簡単に吹っ飛ばしたからだ。

 彼はあれでもtop10の一人。彼の言うとおり、技に力を合わせたなかなかに筋のいい戦いをするのだ。


「ミレイが困っているのを見ているのは不愉快だ。即刻視界から消えてほし・・・うん?なんだもう逃げたか。ミレイ、どうした?きみらしくもない。・・・あ、もしかして伯爵だからか?・・・はぁぁ。それならとで何とかしてあげるからきにするな。・・・ってミレイ!?」


 そう、実際にレンジがしたことはアルフレットの手首をつかみ、引き離すことだけ。

 ただ、その時の力が強すぎて遠心力が働き吹っ飛んだ。ただそれだけなのだ。

 それゆえに、レンジは手袋しか残っていない右手を見てアルフレットが逃げ出したと思ったのだ。


 それを見て、ミレイがどう思ったかは言うまでもない。

 自分が困っていたら助けてくれる。それこそミレイが最初にレンジに惚れたきっかけであり、今も同じである。

 故に彼女はすぐさまレンジの胸元へ飛び込み、彼のにおいを体に着けるように体をなすりつける。


「・・・ほんと、大好き。ダーリン」


「ミレイ?なにかいったか?」


 ミレイは胸元に顔をうずめて小さな声でそういう。

 それは慌てるレンジには聞こえなかったが近くにいた彼女には聞こえていた。

 そしてミレイは顔をあげて満面の笑みでレンジの口元を書く仮面を外し、口づけをする。

 周囲が驚き声を上げ、レンジは驚きで硬直する。


『時間となりました。第2試験を開始します』


 丁度そういうアナウンスが流れ、レンジは硬直を解く。

 今の行動の説明を問おうとするが、転移が始まってしまう。

 ならば何を言うか決まっている。レンジは深呼吸をして顔色を戻す。


「ミレイ、アヤカ」


 二人はちょうど装備品の最終チェックをしており、呼びかけられた二人はこちらを向く。

 そんな二人にここ一番のさわやかな笑顔でこう言った。


「I love you。Good Luck!」


 自分が羞恥心でもだえる前に転移に飲み込まれる。



 ※※※



 取り残された二人は顔を真っ赤にする。

 突然の告白。不意打ちすぎた。・・・そしてこれが二人をあることへと盛り上げる。


「お母さん!」「アーちゃん!」


「「私が絶対に先にお父さん(ダーリン)ところに行くから。そしたら私の勝ちね!」」


 二人は互いにそう言う。

 これはガイアのダンジョン中で決めたある約束のことだった。


 その約束とは・・・


 To be continue




転移後のレンジ・・・

レンジ:は、恥ずかしい・・・

真っ赤な顔でもだえていた・・・

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