試験結果:前篇
2話に分けました。
「さて・・・お説教はその位にして本題に入りましょう」
「・・・うう、あ、足が」
「はい?仕事の上司の呼出しに遅刻し、その理由が女?・・・ふざけてますか?」
「すみませんでした」
僕は正座体勢から流れるように土下座する。
遅刻した自分がギルドへ行くと、入ったと同時に魔法で吹き飛ばされた。
予定されていたことなのか背後には被害を抑えるために5人の風魔法師による風袋が用意されていた。
・・・まあそれでも土魔法 SSランク〈爆石〉に付与:エンチャントで風魔法〈加速〉×6、闇魔法〈強化〉×3、光魔法〈ターゲット〉(ターゲティングの上位魔法)のブースト付きだった。
そりゃあ、まあ、急所に不意打ちされたら自分でも悶絶です。
・・・ちなみに常人なら貫通ものだそうです。コワイナー
それからギルマスの部屋で正座をさせられ説教を小一時間ほど。
・・・いや、マジでつらい。なんかギルマスの声眠くなるんだよね
とにかく眠気と戦い、まったく話を聞いてなかった。
ようやく終わると足は痺れ、朝なのに眠い・・・。
とりあえず、ギルマスから昨日精霊の国のギルドから送られてきた報告書とのすり合わせをして、(ルトーがの方の手柄多めにしておいた)ヘカトンケイルの討伐証明部位があるか聞かれた。
なので、あの島に関する自作の報告書とヘカトンケイルの魔石はルトーが持っているので4腕の巨人を提出した。
「これがあの下級神クラスと呼ばれるモンスターの魔石」
いや、それその部下のですから・・・。
ミレイにそれを見せると、中々のものだね!と言っていた。
「これどれくらいすごいの?」
僕は思わずギルマスに聞く。
ギルマスは鑑定士を呼び、調べる。
「正直このクラスの魔石はここ数十年確認されていない。ギルドにはモンスターのランクにSS~Fまであるけど、実はそれ以上のランクも存在する」
「それ以上のクラス?・・・もしかして、さっき言って下級神とか?」
「まあ下級神と言うのは、生命神様や魔神様が総称された眷属の戦闘力と同等クラスの者の事を指すのさ。そう言った者でも守護者として各地に点在していたりする。そう言ったのは基本放置だ。けれどね、中に暴走したりその眷属(子供)が暴れて進化して親クラスになる場合がある。その際彼らの脅威を示す記号があるんだ」
それは大きく分けて4つ。国落とし、大獄、天災、大変革。
これら四つは順位があるわけでなく、予想被害のランクを示すものっである。
国落とし・・・国を好んで落とし、城に住み着く。
大獄 ・・・地獄系モンスター(不死王、地獄騎士長など)であり、多くの部下を生み出せる存在。
天災 ・・・天変地異を起こすクラス。ただ破壊し、その地を更地へと変える。
大変革 ・・・それが過ぎし地は、それが死ぬまで生態系が変わるとされる。
ちなみに下級神クラスは天災に属している。
「まあ、精霊と共闘したたとはいえ、二人で天災クラスを倒せるのならあなたはXランク認定でいいんじゃないかしら?」
「Xランク?」
「ブラックカードには11つの種類があるの、無印、Iランク、IIランク、・・・(中略)・・・Xランク。これはギルドがそのブラックカード所有者にどれだけ信頼を寄せているかを示すもので、Xランクは完全に信頼していますという証拠よ。Xランクは普通のSランククラスの地位にあるから安心して」
「・・・それなら、ミレイとも釣り合うな」
自分は無意識に口からそう漏らした。
レンジは少し前まで無色、異世界人で保証人なし、信用無しの人間だったのだ。
正直、ミレイに信用されているから信用しているというミレイに頼った存在だった。
王さまは自分位価値を見出していたようだが、苦をせず誰かにそうゆうのを用意されるよりはそういうのは自分で勝ち取りたいレンジは前世でミレイとはかなりその点でももめたりしたが・・・最終的にはミレイがレンジの本気に負けて惚れ直して愛を深くして言うのだが、レンジはそれを知る由もなかった。
「・・・と言うか、あなた聖女とどんな関係なの?魔王にあれは最近召喚された勇者じゃなかった?」
この間試験会場に来た3人についてギルマスに聞かれて答えに戸惑う・・・すると今朝の光景が頭に浮かぶ。
「・・・家族、みたいな?」
「なんで疑問形なの?と言うかすごい家族ね・・・」
ギルマスはそれ以上何も言わなかった。
扉の向こうで何か音がする。
「なにわからないって顔しているの?たぶん、あなたの家族よ?あなたが試験に受かっているか心配で来たんじゃない?」
ギルマスはそういうと闇魔法の影の手で扉を開けると3人が流れ込んでくる。
「みんな!」
「へへ、ダーリン。心配に名ちゃってね・・・」
ミレイは舌をチロッっとだして謝る。・・・くっ、かわいい。
「べつにお父さんの心配で来たんじゃないわ・・・約束が守られるか気になっただけよ」
アヤカは顔を赤くしながらそっぽを向く。・・・アヤカ、それは私の心配もしているということだぞ。でもそういうのもかわいいな
「運動会出れる?」
ミオは3人の一番下で苦しそうなのにいつもと変わらぬ感じでそう聞く。・・・いや、これで受かっていてもまだ2次試験があるから
「それはまだ聞いてなかった・・・」
「そうね、じゃあ結果発表と行きましょう」
そう言って彼女は折りたたまれた一枚の紙をポケットから取り出す。
「あなたの試験結果は・・・」
僕はゴクリッと息をのんだ。こういうのに実は弱かったりするのだ。
受験も心臓はち切れそうだったくらいだ。
「・・・不合格よ」
僕の体は真っ白な灰となって風に消えた。
今日中に後半出します