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ヴァルキリー

少し短いです

 


「・・・殲滅完了」


「グァアアアアアアアアア」


 25メートル級4腕の巨人が拳を僕にふり下ろす。


「付与:風魔法 〈暴風〉」


 レンジの剣に緑色の光が収束する。


 ・・・右足から力の回転を右腕に。


 右足を後ろに構え、右足を地面と固定。右足の氣を移転させながら胴付近の練り上げられた気と共に右腕そして、剣へと伝わらせえる。

 前世にて汎用性の高い身体強化方法。それが氣を使いこなす事。

 レンジは周囲の人間のせいか人としてあるものが欠けているゆえに、本来気を合う際に起こりうる副作用が生じない。


 それこそレンジが氣を乱用する原因でもあるのだが、彼本人ははっきり言うと無意識に近い領域でそれをおこなうため気を付けるだけ無駄に近いのだ。


「吹き飛べ」


 そう言ってレンジは剣を振るうと膨大な風の塊が巨人の腕とぶつかり、腕を根元から吹き飛ばす。


「グァアアアアアアアアア!」


「ルトーはだいじょう・・・」


 背後に巨人の腕が落ち、巨人の叫び声が響く中ヘカトンケイルを挟んだ反対側で光の柱が昇る。


「・・・ルトー!」


 レンジは走りだした。

 途中にヘカトンケイルの腕が迫る。


「邪魔だ!」


 レンジは左肩の傷より常々を召喚。


「光魔法〈瞬洸〉、闇魔法〈影太刀〉、風魔法〈風刃〉」


 全Sランク魔力を込める。

 すると体が黄色の光に包まれヘカトンケイルの腕まで一気に近づくと体が光の粒となって消え、数メートル先に集まりからだを作る。

 さらに今度は影より無数の刃が現れて、そのすべてに振動する風の刃が纏う。

 レンジの剣と刀から影の斬撃が飛び、それを負うように影の刃が飛んでゆく。


 それはヘカトンケイルの腕の一本にぶつかる。


 そこに風の振動を纏って切断力があがっている影の刃がぶつかってヘカトンケイルのおおよそ半径7,5メートルの腕を切り落とす。


「グアアアアッァアァァァッァアアアアアアァァッァァァ!」


 ヘカトンケイルの絶叫が響く。


「ルトー!」


 ヘカトンケイルをよそにルトーのもとへ行こうとするがさらなるつげきがレンジを襲った。


「なっ!」


「危ないよ、レン君」


 ―――それは、懐かしき古き友が読んだ、自分の呼び名。


 その瞬間、白銀と紅の塊がレンジを狙っていたヘカトンケイルの腕を吹き飛ばした。


「・・・シオン?」


 レンジの口から前世にて死んだ親友の名がこぼれる。


「ふふ、そうだよ。僕も転生したんだ」


 ルトーはそう言った。顔はすこし変わっている。でも雰囲気はあの時のままだった。


「・・・しかも女の子としてね」


 ルトーは服装がドレスアーマーとなりそれはまるで・・・


戦乙女(ヴァルキリー)・・・」


「さすが、レン君。僕は精霊種の真祖。ヴァルキリーへと進化した」


「・・・と言うか、女だったのか」


「フフ、僕可愛い?」


 彼女はそう言って一回転する。

 彼女のドレスは赤を基調としており、まるで線上に咲く一凛のバラ。

 彼女の手には白銀の双盾が握られている。


「それは、武器庫にあった・・・」


「うん、双盾の英雄の装備。〈ツイン・イージス〉」


『・・・双武の精霊・・・主の盾、盾、盾、たてたたたたったたたあああアアアアアア』


 その声は頭に直接響いた。


「今のは思念・・・。レン君」


「思念と言うことはあのヘカトンケイルが?」


「たぶんイージスを見て一瞬意識が戻ったんだと思う」


「でも・・・」


「うん、もうあれを停めることはできない」


「・・・やるのか?」


「仕方ない」


「じゃあ、いこうか・・・あ、どっちで呼べばいい?」


「ルトーでいいよ。この体の名前の方がいいし」


「わかった、ルトー。・・・さて、始めようか」


 ヘカトンケイルはレンジによって切られた腕の修復を諦め、ルトーに潰された腕の回復をしていたようだった。

 よく見れば4腕の巨人も魔方陣らしきもの浮かべて取られた腕の部分の出血を止め、もう一体は回復に専念していた。

 レンジはバックらMPポーションを取り出しすべてを飲みきる。


「グアアアアッァアァァァッァアアアアアアァァッァァァ!」


 回復が終わったのかヘカトンケイルこっちを真っ赤な目で見ている。


「最終対決といこうかな!」


 直後、レンジは剣に付与を高速でかけ、ヘカトンケイルの片目を打ち抜いた。






「これは宣戦布告。さあ、死に物狂いでかかってこい!」





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