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ルトーの心

 


 Side:ルトー


 僕は精霊種 ルトーム・エルデフ・アーカリ・ウロイス。主にルトーと呼ばれている。

 皆さんは精霊種を知っているだろうか?

 精霊種とは概念の擬人化存在であり、神の使徒天使と同格に存在である。

 天使は自我を持たず、神の命が無ければ基本的には眠り神のそばに控える。


 一方、僕たち精霊は見時からの足で世界を歩き知識を蓄える。

 まあそのせいで知恵の為に旅に出る知識派閥と能力至上主義で腕試しの為に旅に出る能力派閥が存在してしまっている。


 まあそれでも対立しないのは各種に存在する古来種の中の一つで精霊の古来種〈精霊王〉。

 精霊王は知恵も能力も卓越しており、数百年ごとに代替わりをしている。


 ・・・代替わりと言っても姿が変わるだけだが。


 精霊王は8人おり、みんなは彼らをやさしきおじいちゃんのような方々という。

 実際そうなのだ。彼らは暇さえあれば町を歩き、気づけば子供の相手をしている。

 悪さをする者がいれば、成敗し、説教して、回心までさせてしまう。

 故に精霊種は多種族からも評判はよく、そしてかなり強い。

 そりゃあ、大様の強さ見せられてあこがれない方がおかしい。

 そしてその強さは自分たちを守るための力と知ればなおのことだ。


 王様は自分は傍観者でしかないという。

 事実、町の危機と言うの王様は動かなかった。

 その時は王様永遠と頭を上げた。

 私たちだけでなく多種族にも。

 その誠意にあてられた冒険者が、商人が、僕らを助けてくれた。

 王様は頭を下げる事しかできなくてすまないという。

 でも、私たちはそんな王様を馬鹿にすることはない。

 王様がすごい優しいのは知っているから。


 僕には王様のほかに目標となる人物がいる。

 双盾の英雄の力は死んだ。腰抜けの血は消えた。頭の固いエルフや古龍はそういう。

 でも僕にとって双盾の英雄は憧れだ。

 万民を守る力。無益な殺しをしない姿勢。そのすべてがあこがれだった。


 僕には才能があった。

 2つの武器を操る双武の才能。

 中でも剣はそれも双剣は最も相性が良かった。


 盾を使った。何かと盾ならうまくいく。

 でも、盾と盾ではうまくいかなかった。

 なんというか、使おうとすると何かに阻害されている感じがした。


 僕は双武の精霊。かの英雄と同じらしい。

 お父さんは僕に槍を教える。双槍の英雄のようになってほしいらしい。

 まずは普通にやりが使えるように両手で練習した。


 ・・・全然うまくいかなかった。


 お父さんは怒った。なぜ使えないのか。

 こっそり双槍で試したけど、これなら何の違和感もなく動けた。

 僕は両手で武器を使うのがダメなんだと思った。


 ・・・剣だけは両手で使えた。


 体が動いた。夢のあの子のおかげた。

 夢のあの子・・・いつも僕の夢に出てくる不思議な子。

 ここじゃない世界。大きな屋敷の庭で従兄弟の彼と僕は戦っていた。

 武器は想像すれば出てくる。


 剣は手にしっかりとなじむ。双剣の時といい勝負ぐらいだ。

 でも、双剣と両手剣は違う。速さと手数重視の双剣に比べて力と一撃の重さに比重がおかれた両手剣。

 体が覚えている方この世界にはない技で彼も使ってくるのですぐに覚えた。

 けど外では使わない。お父さんに怒られるから。


 双武はたのしい。色々な武器でいろんなバリエーションを楽しめるから。

 でも・・・両手剣以外一撃必殺が無いのがさびしい。

 そして、盾が自分しか守れないのが悲しい。

 何かに合わせて盾を使うとなるとほとんどが小盾との組み合わせである。

 よって速度は落ちるし、仲間を守る壁になれない。

 僕はどんな奴でも倒せる強く力ではなく誰をも守れる力が欲しかった。


 それも数年前に忘れた。

 仲間が傷つかせたくないならその前に殺せ。

 僕が選んだ答えだった。

 それは敵はすべて殺すという残忍な方法でしかなかった。


 僕には守る力はない。ただ壊す力はある。

 守りたいから壊す。

 僕はいつしか同年代で一番の成績を上げ、その代わりほとんど友達もいなくなってしまった。

 僕は最年少で12精霊将候補として名をあげられ、今日将になるための精霊騎士への進化の儀を受けにきた。


 我々精霊種は進化を遂げると成人したと認められる。

 儀式には人間が必要。でも、誰が広めたか悪いうわさが広まり僕と共に戦ってくれる人間はいなかった。

 ある日、僕と共に進化の儀を受けてくれるものがいると呼び出され槍一本を持たされて転送機に乗せられた。


 同い年の子は成人になった子がちらほら出ている。

 まあ、成人してなかろうと戦闘力は彼らより強いわけで相変わらず12霊将候補に居続けている。

 ・・・たぶんそれが気に入らなかったのだろう。

 今思えばすぐ気づけることばかりだった。

 武装を槍だけに変えられ、調子のおかしな転送装置に投げ込まれた。


 僕は嫌われていると思った。多くの期待を受けたのにそのすべてを裏切ったからだ。

 その瞬間僕の中で何が砕けた。鎖のようなものが・・・。そのせいか、力が入らなくなる。

 熊が現れた。槍を構える。


 ・・・槍がうまく振えない!


 僕はいとも簡単に熊にやられる。

 後で確認するとその槍は見た目業物じみているが、エンチャント一回分しか耐えられないような耐久度しか残ってなく一回攻撃したら消滅してしまった。


 ・・・熊を倒した。でもそれは自分御おかげじゃない。助けてくれた人がいたからだ。


 彼はレンジと言った。


 ・・・これはもしかして神がお送りになった自分のパートナーではないか?


 ここは試練で使われる島によく似ていた。故にいままでの努力に神が気づいた。

 彼はいろいろ言っていたがよく聞いていなかった。

 なにしろ誰かに助けられるということをしばらく経験してもらってなかったもので、思いのほかうれしかったのだ。


 そして自分とパーティーを組んでくれることにかなり驚いた。

 彼は僕のことを知らないかもしれにとそんな考えが頭をよぎる。

 それでも彼とぼうけんがしたかった。


 実際、彼は実力もあり知恵もある精霊王様みたいな人だった。

 さらに憧れの双盾の英雄様の隠れ家まで見つけ開いてしまった。

 そして、機械に感知されたことで自分のなかで枷にはめられていた力が解けるような気がした。

 島の計測、地図描き、動植物の採集、モンスター狩り。

 様々なことをこなした。そして気づいた。


 僕は・・・レンジ君を守りたい。...うんん、守られたい!一緒に旅がしたい!

 でも試験が終わればさよならになってしまう。

 精霊騎士になり12霊将になればもう僕に行動の自由はないだろう。

 彼とぼうけんがしたい。そう思い彼にそのことを伝えようとした。


 その時はもう予定時間の3分の2が過ぎていた。すでに日は半分ほど沈み、周囲は暗い。

 そしてそこに、やつらはやってきた。

 ヘカトンケイル。双盾の英雄一の使い魔。


 伝説の存在がらわれた・・・敵として。とても複雑だ。

 神から依頼を受けた。喜ばしい。

 そして何より・・・


「左右から挟撃。2つ腕を半壊もしくは殲滅、5分。その直後6腕に一発で合流・・・いいか?」


 レンジ君が私を信用し、心配までしてくれた。頼られた。・・・内心にやけが止まらない。


 彼の命令、普通の精霊種では・・・それこそ一二霊将の下位の者たちですら不可能であろう。

 それなのに僕にお願してくれた。信用されている。

 それがたまらなくうれしかった。

 僕は久しぶりに、興奮した。

 体が動く。暴れたい。彼に見てほしい。彼に褒められたい。僕を見てほしい。

 僕は彼の隣でともに歩きたい。


 でも今のままではいけないと思った。僕をいじめる精霊をなぜ守らなくていけないと感じた。

 だから・・・力を貸してほしい。夢に出てくる男の子。

 わたしに技を押しててくれる男の子。

 今こそ僕は過去(キミ)を受け入れて今の僕と一つになろう。

 頭の中で彼は僕と頭を合わせる。

 知識が、記憶流れてきて涙が溢れだす。


 その記憶に彼がいた。―――幼き日の彼がいた。


 従兄弟で僕の戦闘訓練に付き合ってくれた彼が。

 僕は今一度君と背を合わせて戦おう。


 再び友としてあわよくば――――君の大切な人(恋人)として。

 いいよね?だって、今の僕は・・・女の子だから。


































 ――――最後の二腕の巨人を倒すと僕は光に包まれ、ドレスのような鎧をまとっていた。




僕っ子、前世男の幼馴染!

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