拠点獲得
「さて、調査するには拠点が必要だ」
「はい。この場合、木の上でしょうか?」
「そうだな、この水源をできる限り使いたいが・・・」
「同時に生き物も寄ってきます」
「そうだ。まあむしろそれを観察したくもある」
「でもさっき仮想空間をって・・・」
「そうだ。故にここから10キロ先のあそこに行く」
僕が捜査した際には大樹がそびえたっていた。
「あそこに拠点を?」
「そうだ、中に作る」
「・・・なかに?」
トルーはよくわからないようだからとりあえずこの肉を補完できる場所をつくる。
「トルー、いくぞ」
「え、あ、待ってください!」
僕が歩き出すとトルーは急いで追いかけてきた。
※※※
―――シュン
「うん?」
「レンジさん?」
「今なんか違和感を感じなかったか?」
「いいえ、どうかしましたか?」
・・・今、何かを超えた気がしたが。
足元に謎の文字の石がることにレンジは気が付かなかった
※※※
「レンジさん・・・」
「そうだな、これは予想外だ・・・」
僕とトルーの前には巨大樹があったが、その根元に穴があったのだ。
「・・・もう穴を作る必要が無いではないか」
「そっちですか!?いや、これ世界樹ですよ!」
「世界樹?あの、昔の精霊王の住処と言われたやつか?」
「・・・はい。昔っていうか今も世界樹に住んでますよ、精霊王」
僕は肉をや素材をおき、根元に近づく。
「しかしここから先進めないな空洞になっているのに」
レンジは大樹の下部分の空洞へ入ろうとして見えない壁にぶつかる。
「え、そうなんですか?・・・入れますけど?」
レンジが途中で止まった場所より先にトルーは壁にぶつかることなく進めた。
「なっ!・・・本当だ、進める。さっきの気のせいか?それとも別の・・・」
そう言ってトルーを見る。
「レンジさん、とりあえず先に進みましょう!」
「・・・そうだな」
そう言って二人で進んでゆく。
「お、扉だ・・・」
薄暗い中、そこには扉がある。
「とってはないね・・・あ、自動ドアだ。タッチパネルがある・・・」
『ピピッ、精霊種の反応を確認。霊気識別。双盾の霊気確認。おかえりなさいませ、マスター。ドアが古びたので開錠まで少々お待ちください』
電子音が聞こえ、機械の声が聞こえると扉が開く。
「ルトー、やっぱり君は・・・」
「あ、はは、ばれてましたか・・・はい、自分は精霊種のルトーです。確かに精霊種なのですが・・・」
「いわれた霊気に心当たりが無いか?」
「いいえ。正確にはその霊気は私には宿っていないと判断されたものだったので・・・」
「・・・君の言っていた英雄だよな。双盾の精霊。君は」
「祖母が最後の双盾の精霊と言われていました」
「なあ、数時間前に君に適正は剣でないといったのを覚えているか?」
「・・・はい。少し気になってました」
「その時言おうとしたのは・・・盾だった」
「・・・盾、ですか」
僕は黙ってうなずいた。トルーは少し表情を暗くし、何か考えるようでもあった。
「・・・レンジさん、私―――」
トルーが何か言おうとした時、扉が重々しく開いた。
「こ、これは・・・」
そこには巨大なモニターにたくさんの本など居住区が広がっており、3人ほどが寝とまりしていた形跡が
あった。
―――ブオンッ!
急にモニターが起動し、ある文章が表示される。
『わが子孫にこの場を譲る。ジャック・ガーディアン』
「ジャック・ガーディアン?」
「双盾の英雄名の名前ですごいです。こんなものがここにあるとは」
付けの周りにおかれた本を少し見ただけだが、かなり価値がありそうなものばかりだった。
「ここを拠点するしかないか・・・」
僕がそう言うとルトー目に見えて喜んだ。
大好きな英雄の事を知れるかもしれないからだ