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ミオの色仕掛けと蓮二の殺気

 


「あ、僕です。レンジです」


 そう言って目の前の男はメガネとマスクを外す。

 そこにはレンジがいた。


 マスクによって変わっていた声は年相応も軟い物腰の声に、目はきれいな黒の目が現れ、ミオは胸の中が苦しくなった。

 ・・・まただ。レンジ君を見ていると胸がキューと苦しくなっちゃう。


「うん?ミオさん、大丈夫ですか?体調でも?」


「大丈夫です。でもなぜここに?」


「ああ、あなたに言った通り友達の所にね」


「あなたの友達は王城勤めなの?」


「うーん、呼びだされることが多いのかな?たぶん普段から弧ここにいる事はない思うよ」


「そうなんだ、その服に合ってる」


「そうかい?ありがとう」


「・・・」


「ミオもこれから用があるんだろ?自分はこれで失礼するよ」


 そう言って去ろうとするレンジは背後から服をつかまれ足を止める。


「・・・少しお話したい」


「・・・でも」


「ちょっとでいいから」


 レンジは少し考え、上目ずかいで頼んでくるミオに負けて了承した。



 ※※※



 自分は今応接室にいる。無論マスクにメガネはつけてある。

 ミオが一人でないことはしていたがお兄さんときているとは知らなかった。

 応接室に入ってそうそう、「さぁこい、ミオ」といって腹を突き出してきたときには思わずほうけてしまった。


 まあ、そのあとミオが瞬間的にお兄さんの懐に入り、僕の教えたやり方でパンチを放ってお兄さんは回転しながら飛びかけたから僕が鉄壁で受け止めたけど、普通の戦士だったら即死クラスとわかり、少々ミオが怖くなったが、羞恥に悶え、顔を真っ赤にする顔はかなり可愛らしく思わず見とれてしまった。

 ともかく、お兄さんはしばらく寝かせておけば直るということでソファに寝かせておいた。

 そしてミオと二人っきりになる。


 ・・・正直話題が無い。


 この世界の事をろくに知らない自分にとっては何が喜ばれるのか、何がタブーなのかわかっていないため不用意に話せないのだ。


「・・・」


「・・・」


 そうこうしているうちに5分ほどたつ。


 気まずい雰囲気の中ミオを見ると、頬を赤く染めて心なしか息遣いが荒い気がする。


「みお?大丈夫か?」


「え?ああ、大丈夫。・・・しかし少し厚くないかしら?」


 そう言って彼女は上着を脱ぐ。本当に扱ったのであろう汗をかき、それを吸った服が彼女の体のラインをかなり浮だたせていた。


「・・・ミ、ミオ。そういうのは少し気にした方がいいんじゃないか?」


 自分がそういうと、ミオはいたずらを思いついた小悪魔のように笑い、僕の頭を抱きしめた。


「・・・ね、ねえ。私、汗臭い?」


「え?えっと・・・そのまえに」


「これから王様にあうの」


 ・・・ちょっと待ってもらえますか、ミオさん。当たってる。その豊満な双丘当たっている!しかもなんかいい匂いするし、やばいって。下がテントはりそうだから!


「汗臭くはないですけど…」


「けど?」


「ちょっとびしょびしょすぎるかな?と、おもって」


「それは透け透け、ぴちぴちで目のやり場に困るから?」


 すると、自分は「それもあるけど・・・」と前を気をする。


「そのままだと風邪ひきますよ」


 そう言って僕はスト-レージからタオル取り出す。

 ミオはそれ受け取り「仕方ないな・・・」と言いながら体を拭こうとする。

 もはタオルを階に当てると固まった。


 ・・・何かにくさかったか?あ、もしかして俺がすでに一回使ったやつか?


「・・・」


「ミオ?」


「・・・」


「みお?・・・おーい、ミオ?」


 ミオから返事が無いので肩をゆすると自分に鋭い視線を向け、驚いた顔をすると自分との華をの近さに驚いたのか頬を真っ赤にしめて少し距離を取る。


「あ、あの。レンジさん・・・」


「うん?」


「もしよかったら私のp・・・」


 その時、「ミオ――――――――――!」言ってトールが起きた。

「はっ。あれは夢か・・・」と周囲を確認する。

 そして室内にいる自分に気づき、そして頬を真っ赤にしている妹に気づく。

 それからのトールの動きは早かった。


「・・・妹になにをした?」


 彼は自分のくびに手刀を当て、そう聞く。


「わたしはミオさんおともだちのレンジというものです」


「ほう、友達と言うか・・・ふざけたことを!」


 現魔王に擦り寄る良からぬ輩と思いトールは手刀を振るう。

 ・・・しかし。


「・・・あ?」


 その瞬間、トールは死を予見した。

 故に反射的に距離を取った。

 それはほんの一瞬。

 ただ、ほんの一瞬と言う長い時間トールは死んだ。

 そしてトールは理解した。

 彼もまた、自分のまだ届いていない高みにいる人物だと。


「いい反射をしてますね。・・・努力が好きそうですね。いいですね嫌いじゃない。まだ伸びしろは十分そうだ。もっと、訓練をがんばってください」


「・・・は、はい」


 さっき一瞬発せられた殺気が嘘のように消え、そこには純朴そうな青年がただ座ってお茶をんでいるだけだった。

 トールは自然に敬語になるほど彼を強敵視していた。


「さて、自分はそろそろ帰ろうかとおもいます。ミオさん、さようなら」


「・・・あ、うん。バイバイ。レンジ君」


 ミオはレンジに手を振り送ってゆく。

 彼がドアを閉め、足音が聞こえなくなるとトールはミオに聞く。


「・・・あいつ何者だ?」


「レンジ君」


「・・・あ、お前の言っていたライファーの3人目」


「うん。ちょっとかっこいい」


「そ、そうか・・・」


 トールは殺気を当てられたせいか弱化の苦手意識が芽生えていた。


「しかし・・・伸びしろか」


 トールはレンジの言ったことを思い出していた。


「彼には俺の伸ばすべき場所がわかっているという事なのか?」


 トールはレンジの消えた扉を眺めそうつぶやいた。








レンジ:「ミオさんさっきなんて言おうとしたんだろう?でもなんだか、一瞬ミレイが纏うヤンデレの気配を感じたけど・・・気のせいだよな?」

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