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遠い記憶の中で~second memory~:02

久し振りで、すみません

 



「・・・きれいな星空は少し憧れだったのだ」


「突然どうしたのですか?」


 時は夜となり、闘技場の広い舞台の上で布団を並べ、二人の間に赤ん坊を寝かせるタケミカヅチはトキに空を見上げながら話しかける。


「トキ、見てみろ。天井を神力のバリアで作ったおかげで空がきれいに見える」


「・・・きれい」


 その(もちろんタケミカヅチの)に寝そべるアヤカはいつかレンジやミレイと沖縄にいた時にレンジが満天の星空に感嘆の声をあげたことを思い出した。


「確かにこんなきれいな星空、写真でしか見たことないかも」


「この世界には街灯もなければ、蛍光灯などの人工明かりは一切ない・・・これがありのままの自然と言うわけなのだろう」


「この自然を守りたいわね。・・・もしかして、そのためにここに?」


「そう。この龍脈のもっと集まる場所を拠点として地下に神域を創造。・・・そのうち守護龍でも作るよ」


「・・・始まるのね。創造神としての仕事が」


「ああ。つくる世界は自然にあふれさせたいな」


 二人はそう言って寂しさや心細さを紛らわせるように唇を重ね、眠りにつく。

 それを見守ったアヤカは一人闘技場の外に出る。

 転移する前より自然の多い世界。その世界のはるか昔にこの世界の生まれでもない私が立っている。

 その始まりの光景に、私は無意識に涙が流れた。


『ようやく入れた。・・・って、泣いているの?』


「・・・来たのね。この光景」


『ええ。私たちの目に焼き付いている最もきれいな時だから』


 夢であるこの世界は彼女、フーの記憶をもとにできている。

 よって彼女の知覚外は、無の空間である。

 しかし、こうしてこの情景が見えるということはこの景色は彼女の記憶のはっきりと残っているということだ。


「・・・きれいね」


『そうね、・・・』


 二人は満天の星のほのかな光に照らされ、その光景をしかと目に焼き付ける。

 2人そろって静かに景色を見る中、沈黙を破ったのはアヤカだった。


「・・・その、ごめんなさい」


『え?』


 アヤカが突如として謝るので、フーは呆けた顔で問い返す。


「この夢に入ってすぐ、彗星に乗って降り立つあなたたちを見たわ。とても幸せそうなあなったたち。・・・でも、あなたの口ぶりからさするに何かがあるのは分かっていたはずだけどあの時、赤ちゃんを作れないことを軽くとらえているように捉えられた言葉にかっとなってしまった。おそらく、二人は死ぬのでしょ?それも、あなた。いいえ、私のせいで」


『・・・思い出したの?』


 アヤカの申し訳なさそうな声音の謝罪に、フーは戸惑うように問いを返した。


「いいえ、思い出してはいない。けど、お父さん譲りのこの頭脳なら、わかる。この先に起る悲劇の結果が」


 アヤカがそう言うとフーは悔しそうに下唇を噛む。


『・・・そうよ。ここから先は特に見るべき夢もなく平和で、大変な日々が続くわ。まずは植物の生態家の調査。既存の動物を環境に合わせる遺伝子組み換え。それらによってつくられた動物と最初の生命体、ヒューマン』


 すると、周りの景色が歪み二人はいつの間にか闘技場の真上にたっていた。


「・・・これは」


 タケミカヅチはヒューマン300人の集団を闘技場を中心として東西南北に住居や畑と共に適当か記憶を吹き込んで配置した。

 ヒューマンは原初の世界、地球の人間を模して造られたもので、唯一の違いとして科学の代わりに魔法と言う名の自称改変能力を授けた。

 彼らは着々と数を増やし、村は町へ、町は都市へ、都市は国へと変わっていく。

 しかしやはり人を模したからと言うか、世界はやがて戦乱へと移り変わってゆく。

 国は分かれ、また一つになるを繰り返し、魔法は生活の為ではなく戦いのために活用されていった。

 そして魔法を研究する者はある時、タケミカヅチが世界を管理するエネルギーとして使っている龍脈を発見する。

 だが、その使い方はひどく稚拙で、無駄が多く、・・・ヒューマンを殺すのに使われた。

 タケミカヅチはこの事実に歯がゆい思いでいっぱいだ。

 星を豊かにするために使ったヒューマンは、星の命を吸い取り、その吸い取ったエネルギーで星を破壊する。


 故に彼は作り出してしまった。













 人類共通の敵、魔王を。











 魔王はタケミカヅチから一つの力をもらっていた。

 それは龍脈の無効化能力。

 今まで浸かっていた特大威力の魔法を封じられたヒューマンは今まだ魔法に頼ってきたつけを払うかのように力で魔王に負けた。

 魔王はヒューマンを掃除し、その間にタケミカヅチとトキは自らの神力を使って龍脈を修復してゆく。


 やがて、魔王が圧倒的力のために、人類がこのままでは消滅してしまうのではないかと言うときに幼き3姉妹降り立つ。


 彼女たちは瞬く間に魔王の手の物を退け、ヒューマン弱気なヒューマンに喝を入れた。

 それから彼女たちを中心としたレジスタンスと呼ばれる組織によって魔王までの道を切り開き、魔王を倒すにいたった。


 しかし、魔王を殺しても魔王の作ったモンスターは消えなかった。


 3姉妹はそれを倒す補助団体冒険者ギルドを設立後、信用できる部下にギルドを任せて消えて行った。


『・・・この時、帰った私たちは驚いた。二人の容体が明らかにおかしかったのだ』


 フーが映像を切り替えると、そこには帰還したフーたち3姉妹を出迎える二人の姿があった。

 だがその姿はやせ細り、元気がないように見える。


『実はこの時、私たち地上に下ろされたのには魔王討伐の他にも理由がったのだ』


 フーそう言うとアヤカの空間は歪み、夢は新たな視点へと移った。





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