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玉座に座るもの

第5話『母と娘』の続きに当たります。王様視点です。

 

 勇者召喚とは元来神聖なものである。

 ふだんお目にかかれない神の力の一端を見ることのできる数少ない機会であり、この場にいるものも当然それなりの役割を持ち、自らの立場に責任を持つものである。

 勇者召喚をそんな風に聞いていた者達今の状況をどう思うだろうか?


 玉座に座る王テトレーンはそんなことを考える。

 目の前にはすさまじい殺気を発する二人。

 その余波で多くの文官(われとともに苦難を乗り越え、一部文官にも負けないような武力と度胸を兼ね備えらカリスマたち)に一部の武官(ギルドのAランク冒険者に匹敵する能力の持ち主)が気絶を起こしている。

 軟弱と言いたいがそれも仕方ないことと私も少しばかりは納得していたりする。


 王というジョブは生まれた時より与えられる王子より進化するジョブである。

 故に私は王子であった時代冒険者をしており、元Sランクでもある。

 Sランクともなると天災級のモンスター討伐に召集されることともあり、その時に味わった恐怖は今でも忘れたことはない。


 それと同じ、いやそれ以上の恐怖を今目の前にいいる女性二人は起こしていた。

 片や召喚された勇者。片やライファー最高位戦力にして転生者を名乗る天才聖女。

 しかも、勇者の故郷にて聖女は勇者の母と言う。

 そして言い争っている原因は聖女の夫。つまり聖女のお父さんに当たる人の事である。

 今私の前にその人が現れてくれて事態を収拾したら私はその人に最大限の敬意と報酬を与えたいくらいだ。


 しかし、聖女ミレイ。お前はどんなふうに自分の夫を異界より呼んだのだ?

 そしてその夫よ。前の世界でよくこの空気に耐えられたな。貴様はよほど胆の据わった男なのだろう。

 と、現実逃避はここまでとして・・・さて、どうしようか?


 王が困り果てたその時、テトレーンは感じた。

 ジョブ王に能力によりこの王城に何者かが空中より侵入したことを。

 そして彼はここに唯一の打開策を見出すのであった。



 ※※※



「・・・お二方、すまない。すこしいいだろうか?」


 王は珍しくも敬語でそういう。


 ・・・なんだみなして驚いた顔をして。敬語ぐらい使えるぞ!…たぶん。


「「・・・なに?」」


 二人は全く同じタイミング、トーンでそういう。


「ヒッ!・・・(バタン)」


 二人の殺気を受けた王様、気絶・・・(無念)


「て、テトレーン王!」


 賢者が近ずき、気付けの魔法をかける。


「・・・ああ、ミトル。今一瞬川の向こうに親父が見えたよ」


 ・・・三途の川と言うやつですね。という冗談を賢者は飲み込み、意識を現実へ誘導する。


「えっと、何かお二人に言おうとしたのでは?」


「え?・・・ああ。そうだ、何者かがこの城内が侵入した!騎士団長!」


「・・・(王に向けられた殺気の余波により気絶+失禁中)」


「近衛騎士!」


 ・・・ガシャ・・・ガシャ


 全員がフラフラになりながら敬礼を取る。かなり疲労困憊のようだ。


「影部隊!」


 10名配置していた影の内2名がすぐさまあらわれ遅れて5名残りは現れなかった。


「近衛魔導師」


 賢者が前に立ち、そのそばに控える二人と大杖を支えにするもの三名。あとは気絶している。


「侍女部隊」


 ドタバタ、ドタバタ


「すみません。気絶した方の介抱で手いっぱいです」


 枕に毛布を持って走る侍女長が代表してそういう。


「・・・たのんだ」


 今もかろうじて動けてる侍女たちが走り回っているところだ。


「・・・えっと、今動けるのはこれだけか」


 近衛騎士10名(25人配置した中の)。

 影部隊  7名(10名配置した中の)

 近衛魔導師5名+賢者(15名配置した中の)

 侍女   20名※介抱中(25名配置)




 ・・・侍女優秀すぎない!?




 王はそんなことを思うが、全員がこちらを見ていることで我に返る。


「ああ、そうだ。この城に侵入s―――『すみませーん』・・・!?」


 これからかっこよく侵入者討伐の号令をかけようとしたところ、執事長のの着るスーツ任た服を着た男が入ってくる。

 その者は口元を何かの道具で覆っており、メガネをかけたかなり知的な男だった。


「・・・貴様、執事の一人か?」


 王は男にそう聞く。


「・・・私は聖女様に火急の用事がある者の使いとしてまいりました」


「聖女か。この場で聖女と言うと・・・ミレイか」


 そう言ってミレイを見ると、彼女は今は言ってきた男を見て固まっている。


 ・・・あの男何者だ?


 王は、聖女のそんな様子関係なく男に注目していた。

 王は一目で見抜く。今あの場にいる男は間違いなく・・・強い。


「そうですね。聖女ミレイに用で・・・な、なんで、アヤカが?」


「え?・・・おとうさん?」


 ・・・はい?勇者殿のお父さん?


「ごっほん!・・・いえ。私はゼロと言う者です。レンジと言う人物は知りません」


「・・・お父さん。私名前言ってない」


「・・・」


 すると、この場に何とも言えない雰囲気が流れる。

 墓穴をほった勇者のお父さんでありおそらく聖女の夫殿。

 念願の(おそらく)お父さんと会えたがお父さんが変なぼかし方してどうしようか迷う勇者殿。

 よくわからないけどフリーズしている聖女ミレイ。

 そして招集をかけたけどどうしたらいいかわからす突立ったままの近衛騎士に影部隊、近衛魔導師。


「・・・えーっと、とりあえず。勇者召喚の儀式を終えようか。賢者、聖女、勇者にそちらの男性は自分と共に応接室へ」


「「「「・・・あ、はい」」」」


「了解いたしました」


 まともに返事を返してくれたのが勇者殿のお父さん(未確定)のみだった。

 この空気を生み出したにも関わらず即返答したことにはその度胸。かなり賞賛に値すると思ったが・・・




















「もっと早く来てほしかったかな・・・」


 と思うのであった。






済みません。次回こそ修羅場です…

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