人形~4
時間は有限。
正にその通りだ。
時間がない・・・
あれから俺は、人形を再び観察し始めた。
場所を見晴らしの良いマンションに移し、人形の行動ルーティンを把握した。
まず判明した事は、あの人形は決まったルートを徘徊し、エネルギーを摂取しない事だ。
不良とギャルを殺害したあと、死体に目もくれず。
ただ動いて徘徊している。
そして水や植物も関心がない。
この人形が機械の類いっぽい線が急速に浮上する。
俺は人形がマンションの下を通り過ぎる時に、人形目掛けて花瓶を落とした。
結果、人形の左側頭部の一部が欠け。
慌てて身を隠したが、人形は気にもせず通り過ぎていった。
「耐久性は高く無いようだな・・・これなら・・・」
人形攻略の糸口・・・見つけたぞ!
必要な物を探す為に、俺は色々と探し回った。
工務店・工場・住宅と回った結果。
必要な物は揃った。
しかも、新しい発見もあった。
人の痕跡だ。
しかもまだ新しい。
これがまだ出会っていないサラリーマンの物か、もしくはこの世界の人間か判らないが・・・。
そして、無惨にバラバラにされた不良の死体も見つけた。
人形にやられたのか、見事にバラバラだった。
目・鼻・耳すらもバラバラだ。
全て周囲に散らばっている。
だが、この不良のバラバラ死体は本当に人形がやったのか?
あいつには指がない。
疑問は残る、残るが。
今は人形だ。
「あとは・・・これだな」
俺は工場で拾った鉄パイプを手に取り、グッと握った。
次で人形壊します