人形
ここからグロ注意
さっそく、辺りを用心しつつ探索する。
荷物の買い物袋は、初めの倉庫に置いてきた。
何があっても、対処する為に両手は空けておいた方が良いと思ったからだ。
暫く歩くと、微かだが話し声が近くから聴こえてきた。
話し声から察するに、若い女性の声と。
男の声だ。
警戒心を高め、声の元へ近づいて行く。
すると、そこに居たのはあの不良達の一人と、ギャル二人が何やら話していた。
「何なんだし!スマホの電波も無いし!Wi-Fiも飛んでないとかありえない!」
「つーか、ここ何処よ!埃っぽくてマジで勘弁してほしー」
「いや、もっと危機感?っての持とうぜ?おい、明美。いい加減スマホ弄るの止めろよ」
どうやら彼等も突然の事に戸惑っている様だ。
しかし、3人の中でまともなのが一人だけとか・・・
悲しいかな現代の若者の危機感の無さは深刻だな。
はぁ・・・と溜め息を吐いた後。
俺は彼等から視線を外す。
(さて、彼等と合流しても何も得る情報は無いし。
仮に合流しても、あのギャル二人の相手もしなきゃならない。うん、ないな。)
「一人で探索した方が良さそうだ。さて、向こう側に行ってみるか・・・」
俺がまだ探索していない方向へ歩き出した時。
「キャーーー!!!」
と、叫び声が響き渡った。
「なんだ!?」
叫び声に反応し、振り向くと。
ギャル達が居る、すぐ近くに。
何かが居た。
それはまるで『デッサン人形』の様であった。
等身大のデッサン人形。
それがカタカタと、音を鳴らしながらギャル達に近づいていた。
「マジでビビったんですけど!?つか、デカくね?」
「デッサン人形って奴?つーか動いてない?さっきまで無かったよね?ウケる(笑)」
パシャパシャとスマホのシャッター音が鳴る。
どうやら呑気に写メを撮ってるみたいだ。
(いや、警戒しろよ。距離取れよ。近付いてるだろ。馬鹿だろ・・・)
明らかに怪しい人形に対して警戒心を出さない彼女らは大物なのか、ただのうすら馬鹿なのか。
俺の予想では、後者だと断言する。
「おい・・・ヤベェって・・・離れよう・・・怪しいって・・・」
やはり、あの不良は人形を警戒し。
ギャルに注意するが、ギャルは聞く耳を持たなかった。
逆に「あー?もしかしてビビってる?ビビってるの?弘?」
と馬鹿にした態度だ。
仕舞いには、自ら人形の隣に行ってツーショットで撮影しだす。
片方のギャルも、便乗してか。
「あー!ズルくね?あたしもー」
と近寄ろうとし出す。
だが、その足は途中で止まった。
撮影中のギャルを、人形の指が無い手が。
ギャルの首を吹き飛ばした。
文字どおり『吹き飛ばした』のだ。
飛び散る肉片と骨。
辺りを漂う血の薫り。
血液が飛び散り、近付こうとしたギャルの顔から血液が付着する。
ガクガクと、頭部を失った身体は。
首から血を噴き出して倒れる。
「・・・ミキ?・・・いや・・・イヤァァァーーーーッ!!!」
絶叫。
相方を失ったギャルの叫びが。
木霊する。
まずは軽くジャブ。
まだグロくなってきます。
なかなか描写が難しいですが、頑張ってます・・・これでも