変わっていく日常~1
さて、おまんたせしました。
(待ってる人は居るか判らんが)
3章の開始です。
あの日。
2度目の転移から3日が過ぎた。
小西さんを亡くしたショックからか、山下さんは何も話さずに立ち去った。
だが、顔を見てはいないが。
解る。山下さんの立ち去る背中から感じたんだ。
『赦さない』
俺だってそうだ、正直。
腸が煮え繰っている。
俺と小西さんは、ハッキリ言って他人だ。
面識だって、あの時が最初で最期だ。
保護対象ってだけで助けようともした。
別に特別な感情を持ってたりはしない。
俺って人間は、めんどくさがりで。
真面目な人から見たら、不真面目で、ろくでもない奴だろうよ。
でも・・・な。
こんな奴でも・・・こんなろくでもない奴だけど・・・
許しちゃいけねぇ事だけは解る。
それを奴は!きたねぇ靴で踏みにじった!
赦しちゃいけない。赦しちゃいけねぇ。
俺は山下と同様。大杉の野郎に復讐を決意した。
宇津木とは、その場で別れた。
何か喚いていたが、この時は、俺も熱くなっていたのだろう。
また今度と言って、あしらった。
3日。
あれから転移は起きてはいない。
もう、転移は起きないのか?と考えたが。
既に39件の失踪事件が起きていると新聞や、テレビでも放送されていた。
転移は起きている。
そして、今も・・・犠牲者が出続けてけている。
朝の珈琲を飲み終えた俺は。
鞄を手に持ち、学校へと向かった。
「遅い!」
「いや、何で居るんだよ。宇津木」
玄関を開けると、何故か宇津木が待ち構えていた。
しかも大層御立腹だ。
「小川くん。言ったじゃない!今度教えてくれるって!あれから3日よ!私がどれだけ眠れない夜を過ごしたか!」
「ちょ・・・朝から変な事を大声で言うな!誤解されるだろ!」
しかし、悲しいかな。
早速、ご近所のオバサン(高田さん)に聴かれてたらしく。
チラチラと顔だけ出して此方を伺っている。
「はぁ・・・わかった。わかったから。
歩きながら話す・・・これで良いか?」
「良いわ、じゃ、行きましょ!」
何だか、今日はろくでもない日になりそうだ・・・
暫くは日常パートになります。




