愛美とあいつ~3
今年もあと数時間。
来年はまともな年にしたいです。
今日の授業を終え、帰り支度をしていると。
またもや、宇津木が話し掛けてきた。
休み時間の合間も、宇津木は話し掛けて来るようになった。
一体どうしたのだろう?
俺って何かしたか?
「小川くん。今から帰り?」
「あぁ、そうだけど・・・」
「良かった~!ねぇねぇ!一緒に帰ろ?」
やはり判らん。
何故、宇津木は俺に絡んでくるのだろう。
昨日、偶然。帰りにぶつかっただけなのに・・・。
だが、俺は手にした異能力を実験したいってのもあるからな、流石に宇津木に見られる訳にはいかない。
丁重に断ろう。
「すまないが、誰か違う友達を誘ってくれない?」
「え・・・」
まさか断られると、宇津木は考えてなかったのだろう。
唖然として動かなくなってしまった。
「・・・・・・」
「悪いな・・・じゃ」
俺が教室を出ていった数秒後、教室から宇津木の「ええぇぇぇぇぇ!?」と、女の子が出してはいけない声が聴こえたが。
気のせいだろう。
※※※
有り得ない・・・有り得ない有り得ない有り得ない有り得ない有り得ない!ありえないっ!
何あいつ!断ったよ!断ったよ?あいつ!
何で!?何で何で何で!?
私の「一緒に帰ろ?キャピ」を断るなんて・・・
え?あいつホモなの?ゲイなの?不能なの?
「あ・・・愛美?大丈夫?何か、凄い叫んでたけど・・・」
「だ・・・大丈夫・・・ただ、ちょっとショキングピンクのパンツを履いたお爺ちゃんを見ただけだから・・・」
「何があったの!?そのお爺ちゃん趣味悪いって言うか、色々と大丈夫!?」
友達の田中・J・花子ちゃんが心配してくれているが、私の頭は小川のせいでショートしている。
駄目だ・・・弱気になるな・・・。
こうなったら、無理矢理付いてってやろう・・・
「大丈夫ダヨ・・・花子ちゃん。
私、もぉ帰るね・・・またね」
花子ちゃんにバイバイを言い、私は小川の後を追った。
まだ学校から出てない筈だ。
追い付ける。
友達の花子ちゃんのファミリーネームは。
田中・ジョンソン・花子です。




