愛美とあいつ
これより2章になります。
私は今、カンカンのお冠だ。
何故ならさっき。
クラスでも浮いた存在。
まあ、悪く言うならボッチな男子生徒の『小川匠夢』に素通り(本人は会話したから素通りだとは思ってない)されたのだ。
信じられなかった。
大体の男子は私に積極的に話し掛けて来るし、1秒でも一緒に居たいと思っている筈だ。
なのに小川と来たら・・・
「ムキーッ!明日絡んでやる!」
こうして、私。
『宇津木 愛美』(うつぎ あいみ)の1日は腹立たしくも終わった。
※※※
爽やかな朝だった。
晩飯は食いたかったカレーも食ったし、何故か。
あれだけ走り、命懸けな事もしたのに。
疲れが残っていなかった。
これもレベルが上がったせいなのかは、判らないが。
自宅の部屋で、試しに雷の異能力を使ってみたら、難なく紫の火花が走った。
どうやらあの異世界に関係なく使える様だ。
って事は。だ。
「ふんっ!」
ビリビリと裂ける少年ジャ○プ。
まだ全力じゃない、まだ半分しか力を入れてないが、簡単に千切れてしまった。
これは手加減とか覚えないと大変かも知れない。
ふと、半分に千切れたジャ○プに目を配れば。
ある事にか気づく。
・・・しまった。まだ読んでない今週号だった。
ガックリと肩を落とし、学生服に身を包み。
学校へ向かう。
試しに軽く走ったが、問題なく俊敏になっていた。
いや、俊敏ってか足速いぜ。
100メートル8秒とかじゃないか?
俊敏値小でこれなら、大とかになったらヤバイぞ?
楽しくなってきた半面。
恐ろしくもなってきた。
・・・速くはなっても、スタミナは変わらんのね。
腹いてぇ・・・
ヒロインの愛美ちゃんと、匠夢視点が主になります。




