レベルと帰還~2
次の話で1章が終わります。
数時間後。
パッチリと目が覚めた俺は、軽くストレッチをして身体の調子を確かめる。
「ッ!ッ!・・・よし、床で寝てたから節々が痛むが大丈夫だな。
手のひらの皮が剥けてヒリヒリするが、問題なさそうだ」
さてと、本腰入れて夥しいスキルとにらめっこ開始だ。
まずは1ポイントで取れるスキルで、有能そうな奴をピックアップ。
続いて2ポイント。
3ポイントと目を通す。
外はすっかり夜の帳が落ち、街灯と紫に輝く月が辺りを照す。
初めは紫の月に警戒はしていたが、何も起きないので。
気にせずスキル一覧へ目を通す。
「っふぅ~・・・一通りは終わったかな・・・しっかし。
多すぎ・・・げっ!四時間もスキル見てたのかよ・・・」
時計を見れば四時間余りが過ぎていた。
そりゃ、お月様が顔出すわ。
ため息を一つ吐き出し、ピックアップしたスキルについて考察する。
ステータスアップのスキルが多数。
超能力系と思われるスキルが多数。
スニーク(隠密)系のスキルが多数。
あとは有能そうな名前だが、効果の程は判らないスキルが多数。
ピックアップしてこの量だ。
軽く鬱になる。
さーてさて・・・こっからだ。
今回の人形相手にして、自分に足りない所を俺は伸ばすべきだと思う。
と、するならば。
「超能力系・ステータスアップ系を重点に置いて、あとは気になるスキルを取るか」
よし、方針が決まれば速いぜ。
取るスキルは『雷:異能力』1ポイント。
『水:異能力』1ポイント。
『俊敏アップ小』1ポイント。
『筋力アップ小』1ポイント。
『武術の心得』1ポイント。
『見切り』1ポイント。
『多数考察』1ポイント。
『成長』3ポイント。
合計ジャスト10ポイントだ。
直ぐ様スキルを会得し、目の前のウィンドウを手を振って消す。
「試してみるか・・・」
指先に意識を集中し、
『雷』の異能力をイメージする。
やり方は判らんが。スキルを会得した後に大体こうだろう・・・と何となく判るようになった。
不思議な感覚だった。
力んで、力を込めた訳でも。
意識して、身体の中から何かが涌き出る感覚でもない。
ただ、突如として周囲から見えない何かが集まる感覚。
それが指先に集まった瞬間。
バチリッ!と青白い火花が走る。
感動的だった。
まるで魔法。魔術。
それを俺が起こしたのだ。
「おぉぉ~・・・すっげっ!」
続いて水の異能力を試したが、雷同様。
すんなり成功した。
これで出来る事がかなり広がった!
よし!2体目の人形が現れても怖くないぞ!
と、息巻いていると。
『プレイヤー 小川匠夢の帰還準備が整いました。
帰還されますか?』
・・・・・・え?帰還?帰れんの?
明日までに1章は終わらせます。
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