人形~6
少し荒いです。
手直し候補ですわ・・・
ですわ・・・
三階に移動した俺は、通路中腹の部屋の前で人形を待ち構える。
部屋は・・・間違えてないよな?
事前に準備してある部屋は305だ。
・・・305よし。
間違いない。
人形はまだ姿を見せない。
ガシャガシャと階段から音は聴こえるが、多分。
階段を上がるのに手間取っているのだろう。
何せ良く滑る油を全身に浴びたんだ。
お陰で一息入れられる・・・。
「すぅ~はぁ~・・・よし、ミスは無い。
大丈夫。最後の罠さえミスらなければ大丈夫・・・落ち着いていけ・・・」
今までのトラップは云わば布石。
次のトラップが本命だ。
だが、危険な賭けでもある。
正直、したくない。
何故なら失敗したら、良くて骨折程度の怪我を負う。
悪かったら、まあ。
死ぬだろう。
・・・くっそ!今さらビビるな!
やるって自分で決めただろう!!
ガクガクと震える脚を叩き、活を入れる。
すると、階段から全身にヒビが入った人形が姿を現せた。
きた・・・やるぞ!
仕上げだ!
「おぃ!随分と情けない姿になったな!」
こっちだ!こっちだ!と手招きをして、305の部屋に入る。
人形も直ぐ様、俺の後を追って部屋に入る。
「こっちだ!捕まえてみろ!」
ベランダの縁に身体を預け、人形を引き寄せる。
まだだ・・・もっと・・・もっとこい!
人形が俺に向かって駆け出す。
人形が俺を捕まえるまで後・・・10メートル・・・
5メートル・・・
2メートル・・・
今だ!
俺はベランダの手すりにジャンプして乗り、四階の真上の部屋から垂らしてあるロープを掴む。
ギリギリとロープが軋み。
手からロープが擦れて皮が剥ける。
痛みを耐えていると、真下からガシャンと人形が手すりにぶつかった。
そして・・・人形は手すりごとマンションから落下していった。
直後に響く破砕音。
どうやら全身砕けたみたいだ。
慎重にロープからベランダに降りて、下を覗き込めば。
人形が見事に粉々になっている。
どうやら最終手段の油に火を着ける事はしなくて済みそうだ。
「いっつつ・・・手の皮がズルムケたか・・・」
こんな事をするんならゴム付きの軍手でも用意しとくんだったと、今さら後悔。
「まあ・・・何にせよ成功だ。ふぅ・・・」
その場で座り込み、緊張を解す。
すると・・・
『システムメッセージ
ポーンの撃破を確認。
レベルが0から2に上がります。
これにより、ボーナスポイントを10P獲得しました。』
目の前に何か出た。
よーやくファンタジー要素を入れました。




