中学の思い出 (6)
中学の思い出を書いていたら、
話がズレまくって。
一年以上エタらせておいたのですが、
続きを、
書いてみようと、
思います。
要は、
私は、
中三の六月の修学旅行の時に、
デートをする相手すらいない
という惨めな状況だけは、
避けたかったんですよ。
それで、
当時、支配していた
剣道部を利用する事を、
考えました。
具体的には、
中三になる春休みに、
部活そっちのけで、
新三年生全員で、
部室で、
作戦会議を開いていたのです。
当然、
剣道は、
しません。
後輩達に、
「俺らのやっている事は、
解ってるだろ?
練習は、
お前らだけで、
やれ!」
と言ったら、
ニヤニヤされて。
当時は、
戦後の平和教育の時代ですからね。
部活に、
顧問は、
来ません。
中学三年間で、
顧問の先生が、
練習に来たのは、
一度だけです。
元々、
私に逆らえる人間など
一人もいない
剣道部だったのですが、
いざ、
私が、
「修学旅行の時にデートが出来なかったら、
惨めだ」
と、
提案したら、
全員、
同じ悩みだったようで。
剣道部が、
一つに、
まとまりました。
剣道部には、
男しか、
いなかったので。
それどころか、
私の暴政を嫌って、
陸上部へ避難していた
Hが、
話を聞き付けて、
戻って来ました。
これ以降、
朝鮮人にボコられそうになるまで、
私は、
Hと、
行動を共にする事に、
なります。
実は、
私がこんな事をしたのも、
Hと関係が有るんですよね。
その年の二月十四日、
バレンタインデーの日に、
学校帰りの時に、
私は、
ある女の子に、
呼び止められたんです。
その女の子は、
手に、
プレゼント用の紙袋を、
持っていました。
その後ろには、
彼女の友達のKがいて。
私は、
一瞬で、
理解しましたよ。
Hに、
チョコレートを渡して欲しいんだなって。
KはHが、
好きなのです。
でも、
Kは、
私を、
嫌っているので、
そのまま帰されました。
もう、
お分かりだと思いますが、
私は、
その声をかけて来た女の子が、
好きだったんですよね。
だから、
紙袋を持っているまでは、
ある意味、
夢の様な光景では、
あったんですが。
惨めで。
その時に、
『六月にも、
また、
同じ思いをするのは』
と、
決意しました。
ちなみに、
その女の子は、
それから三十九年後に、
結婚詐欺師として、
テレビに出て来ました。
話を剣道部に戻すと。
春休みの間中、
作戦会議をして、
新学期が始まったら、
即、
行動です。
具体的には、
私の事案は、
Hが、
Kルートを使って、
結婚詐欺師に話を通してもらい、
残りは、
全部、
私が担当しました。
でも、
嫌われ者の私が、
しゃしゃり出たのが、
まずかったようで。
全敗してしまいました。
中には。
剣道部には、
『ガリ勉』と噂される奴がいて、
まあ、
底辺不良中学のガリ勉君なので、
大した事ないのですが、
その『ガリ勉』が、
『スケ番』と噂される
学校一身体能力の高い女の子に、
告白したのです。
その時に、
『PV0作家の密かな楽しみ』
の第13話に出て来る
Kさんに、(当然、結婚詐欺師の友達のKとは、別人)
仲介を頼んだんですが。
「彼女は、
あんたが怖いんだよ!」
と言われて。
断られてしまいました。
さて、
Hが担当した結婚詐欺師は、
Hが、
女子に人気が有るので、
OKを、
獲得して来ました。
私だけ、
ラッキーだったのですよ。
その結婚詐欺師は、
男をえり好みしない、
男なら、
なんでも良い
珍しいタイプの女性だったのです。
なにしろ、
後に、
結婚詐欺師として、
自分よりも二十歳近く若い男から、
九百万円騙し取った
女ですから。
でも、
私は、
OKをもらえた事で、
それだけで、
もう十分に満足してしまい、
結婚詐欺師を放置してしまいました。
それ以降、
Hの事案に、
専念するのです。