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結婚詐欺師は、こんな女 (2)

 高一の秋、

『リューイソウ』に二度目に会った後、

ある日、

私は、

高校から街中へ向かって歩いていました。


 古文の授業で、

先生の説明に、

気に入らない点が有って、

それを調べに、

第十七話で書いた本屋へ

行こうとしていたのです。

この時代は、

ネットとか無いので、

調べ物は、

本屋か図書館に行くしか無かったのですよ。


 駅前を越えて、

ずんずん進んでいると、

通り過ぎた喫茶店から女が飛び出して来て。


 中学の時に同じクラスだった女でした。


 その女が、

走って追いかけて来たので。


 その女は。


 底辺不良中学アルアルの女でした。


 本人は、

真面目で大人しく、

理知的で、

でも不細工で。

そして、

家がヤバい。


 本人は、

中学の時に、

家に出入りしている

マトモじゃない人達から、

「ブス!」

と呼ばれていると言っていました。

「化粧すればゴマ化せるんだよ!」

と、

言い返しているとも。


 その『ブス』は、

『結婚詐欺師』と同じ

公立の女子商業高校に入学していたんですけど、

高一の秋には、

退学になっていました。


 第二十話で書いたSも、

高一で退学になったんですけど。

この時代は、

『イジメられたから』とか、

そんな些細な理由で学校を休む人は、

いないので。

その辺を御理解頂かないと。


 その『ブス』が、

自分の事は棚に上げて、

『結婚詐欺師』の事を、

「あんな人だとは、

思わなかった!」

って、言うんですよ。


 ちなみに、

この時は、まだ、

『結婚詐欺師』は、

退学には、

なっていません。

二十六歳の時に、

本人から聞いた話に拠ると、

「高一のクリスマスイヴの日に、

退学になった」

のだそうです。

お母さんには、

とんだクリスマスプレゼントで。


 その『結婚詐欺師』が、

何をしでかしたのか?

と言うと。


 『暴走族について行って、

山に捨てられた』

だけ、

なんですけど。

本人も、

ショボ過ぎて、

言いたがら無い話なんですが。

ただ、

その山自体は、

標高千メートル以上あるので、

交番に助けを求めたようです。

ダサ過ぎるでしょう?


 私は、

『ブス』と別れて、

本屋へ向かいました。

彼女は、

出て来た喫茶店に戻りました。


 これが、

私と彼女の最期になります。

それは、

確定しています。

それから半年後くらいに、

亡くなりました。

彼女もまた、

暴走族について行って、

カーブを曲がり切れずに即死だとか。


 この頃が、

暴走族の最盛期ですかね?


 実は、

この年の四月に道交法の改正が有って。

それまでは、

限定解除が無かったんですよ。

つまり、

私は、

あと一週間早く生まれていれば、

原付きの免許で、

ナナハンに乗れたのです。


 まあ、

この頃は、

後に漫画になった様な事を、

現実にやっていた

という事で。

彼女が亡くなって四十年以上経っているので、

思い出す人も少なくなり、

残念です。


 私は、

本屋で調べ物をした後、

『結婚詐欺師』の家へ向かいました。

高校から、

10キロ以上歩いて。


 その『結婚詐欺師』の家には、

『妹』しか、

居ませんでした。

その『妹』は、

当時、幼稚園生くらいで、

私をボーッと眺めていました。

後に、

『結婚詐欺師』から聞いた話に拠ると、

この私の出現は、

『妹』にとっては、

強烈な出来事だったようで、

私の事を、

憶えていてくれているのだそうです。


 私は、

その『妹』を見た瞬間、

何故か?

『この子も将来、

男を惑わす存在になるんだろうな?』

と、

思ったんですよ。

まさか!

それから三十八年後に、

本当に結婚詐欺師になっているとは!


 テレビで公開された

その手口は。


 まず、

当時、四十代だった『妹』が、

三十代だと偽り、

男に近付いてカモり、

次に、姉を紹介するのですよ。

その時、

『結婚詐欺師』は五十三歳だったんですけど、

三十代で通用した様です。


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