朝鮮人との邂逅 (1)
結婚詐欺師に告白して、
OKが貰えた
ただそれだけで、
私は、
充分満足してしまい、
それ以降、
一切、連絡も取りませんでした。
そして、
修学旅行の前日。
学校は、
半日で終わり、
私は、
Hと行動を共にしていました。
Hは、
『憧れの人』と、
同じクラスでしたので、
情報が入るらしく、
Hが行く所へ、
私がついて行くのですよ。
ちなみに、
Hと結婚詐欺師が、
W小学校出身で、
私と『憧れの人』が、
J小学校出身で、
結婚詐欺師が 1組、
私が 2組、
Hと『憧れの人』が5組でした。
実は、
私と『憧れの人』は、
幼馴染みみたいなものなので、
彼女の家も知っていたし、
例えば、
今度新しく出来たスーパーに、
『憧れの人』が行くらしい
という情報を、
Hが得て来れば、
そのスーパーに、
Hを私が案内するんですよ。
話はズレますが、
『憧れの人』にとっては、
子供の時に、
ピアノの先生の家で、私を見た事が
よっぽどインパクトが有る事件だったようで。
前話の公衆電話の時も、
卒業して三十八年後の学年会でも、
それを言うんですよ。
まあ、
私と『憧れの人』は、
小中九年間で、一度も同じクラスにならなかった
ですからね。
とんでもない馬鹿で乱暴者だと、
思われていたのは、
確実です。
て、言うか、
底辺不良中学最狂なので。
中三の三学期に、
体育館で、
三年生全員集めて、
私立高校の説明会が有ったんですよ。
公立高校しか受験しない
私だけ、
帰って良い
事になり。
一人で、
体育館から、
出て行ったんですけど。
それを見ていた他のクラスの女が、
「あんた!
高校受けないの!
就職なん?」
そう聞かれたので、
「いや、
受けるよ」
「どこ?」
「○高」
その○高と、
私が答えた時の
その女のシラけた表情といったら。
露骨に、
つまらない冗談言うなよ!
という感じで、
呆れられて。
ちなみに、
その○高は、
偏差値68以上ないと、
私の中学では、
受験させて貰えません。
その当時は、
戦後の平和教育の時代ですからね。
まだ軍国主義が残っているので、
個人の自由とか意思とかは、
尊重されないんですよ。
中三の七月かな?
女子が、
十人くらいの集団で、
泣いていたから、
いったい何が起きたんだ?
と思っていたら。
進路指導の二者面談でした。
こんな光景を見ちゃうと。
『特攻隊員は自分の意志で死んだ』
そんな寝言を、
信じ無くなります。
話を元に戻すと。
その前日は、
デパートへ行きました。
デパートへ着くと、
私が最初にするのは、
結婚詐欺師探しです。
その次に、
『憧れの人』を探していました。
そのデパートでは、
私の中学の三年生だらけて。
一階から順番に探して、
エスカレーターで、
最上階まで行きました。
結局、
結婚詐欺師は、
見つけられ無くて。
しょうがないので、
『憧れの人』を探し出して、
発見した様な気がした
その瞬間。
背後から、
地底から響く様な
悪魔の声が、
聞こえて来ました。
「○○、
助けてくれえ」
○○は、
私の苗字です。




