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従軍慰安婦は (1)

 私は今、親の介護をしているのですが、日赤に母の見舞いに行った時のことです。

 「ここは北朝鮮か!」

 という大声が聞こえてきました。見ると、

 「北朝鮮か!」と変なオッサンが女の看護師に喚き散らしています。

 看護師は患者にガンガンに喧嘩売りますからね。

 女の看護師は怯まずに、オッサンに付き纏います。

 話が全て聞こえて来たので、全貌がわかりました。

 そのオッサンは、目が覚めると、ベッドに全身を縛りつけられていたのだそうです。

 身動きも取れないほどに。

 当たり前ですけど、そのオッサン、パニックですよね。

 拉致された!

 と思ったそうです。北朝鮮に。

 それで、恐る恐る、そこにいた人に聞いたのだそうで、

 「ここは何処ですか?」

 答えは、

 「日赤です」

 そのオッサン、安心したのと同時に怒りが込み上げて来たんでしょうね。

 縄を解いてもらって、帰ろうとしたら、

 医者の許可がないと帰らせられない

 と、言って、女の看護師が纏わり付くんですよ。

 この看護師、人権を完全に無視してますよね。

 まあ、病院なんて、そんなところなんですがね。

 それで、このオッサン、

 「ここは北朝鮮か!」

 を、連発しているんですよ。

 私は、それを聞きながら、

 北朝鮮だって、そんなことしねぇよ

 と、心の中で毒づいていました。

 

 次の話も、また、病院で見たことなんですが、

 まあ、病院関係者なんて、看護師や技師のように、

 患者と、直接、接する機会が多いほど、

 頭がおかしくなっていき、

 常識なんて、どこかに行ってしまうのです。

 患者にも、責任がある、て言えば、あるんでしょうけど。

 ある技師の女の子(女の子といっても三十代なんですけど)が、朝鮮人の患者に聞いたのです。

 「拉致って、本当に有ったん?」

 朝鮮人にそんなこと聞くなよ!

 非常識な病院関係者に慣れている私でも、思わず心の中で突っ込んじゃいました。

 聞かれた朝鮮人も答えようがないですよね。


 次の話ですが、義理の弟と、酒を飲んだ時の話です。

 義理の弟は、四十歳過ぎてるのに、ネウヨに嵌まっていたのです。

 東京まで、わざわざ行って、お金出して、講演を聞いて来るのだそうです。

 そして、何故か、朝鮮が大嫌いなのです。

 特に、韓国が嫌いです。

 韓国が嫌いなのに、何故か、共産主義が嫌いで、北朝鮮も嫌いです。

 私が、

 労働者の権利は守らなければならない

 と言ったら、

 それって、共産党の主張と同じ

 と、義理の弟が言い出し、

 共産党と同じだから、間違いだ

 と、言うのです。

 労働者のくせにね。

 これだから、1970年代生まれはねえ。

 私は、

 1970年代生まれは、本当のことは何も知らない

 という、偏見を持っています。

 ある歴史雑誌を読んでいた時に、

 織田信長が魔王のイメージを持つようになったのは、戦後の司馬遼太郎のせい

 みたいな記事が書いてあったので、

 これを書いた人のプロフィールを見ました。

 1973年生まれ

 と、書いてありました。

 1973年といえば、司馬遼太郎の「国盗り物語」が、たぶん、大河ドラマで放映されている頃です。

 見てないのは、確実です。

 この頃の大河ドラマは、放映後、録画テープが、再利用されて別の番組になっちゃてますからね。

 名作なのに、総集編しか残っていないのです。

 日本は貧乏でしたからね。仕方ないです。

 もし、この「国盗り物語」を見ていたら、

 織田信長は魔王

 なんて、絶対に言わないと思います。

 高橋英樹さんが、織田信長を演じていたのですが、相手が悪過ぎました。

 近藤正臣さんの、明智光秀、無茶苦茶格好よかったです。

 それにもましてモンスターなのは、平幹二郎さん演じる

 斎藤道三

 ですよね。

 高橋英機さんには悪いですが、織田信長が霞んでいました。

 私の人生に、一番大きな影響を与えた作品です。

 その、何も知らない1970年代生まれが、

 従軍慰安婦はいなかった、

 と、言い出したのです。

 従軍慰安婦がまだ問題になっていない、1970年代には、普通に

 エロ本

 に載ってたぜ、

 と、私が言うと、

 従軍慰安婦という言葉は、朝日新聞が捏造したもので、

 1970年代には存在せず、そんなエロ本がある分けない。

 もし、そのエロ本があれば、歴史的大発見だ

 と、言うのです。

 ただのエロ本が、四十年経ったら、歴史資料になるとは!

 従軍慰安婦はいなかった

 と、言われると、私はムキになります。

 従軍慰安婦はいなかった

 という人を許せません。

 その理由は誰にも言ったことないです。

 まあ、誰にも言えない理由ですね。

 女の人は怒るでしょうね。

 あと、左翼も怒ります。

 義理の弟と論争していた時、隣に妻がいましたしね。

 従軍慰安婦のことが載ってるエロ本は高校生の時に読んでいました。

 でも、従軍慰安婦のことは、その時には、すでに知っていました。

 いつから知っていたか、わかりません。

 私は、

 従軍慰安婦は美談

 だと、思っていたのです。

 

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