狂乱の笑い
「裏の一面ですか…どういう噂なんですか?」
石橋は表情一つ変えずに答えた。
「裏のランドの地下では人体実験や人身売買さらには臓器売買が行われているというものです。
もしかしたら裏のランドの運営が関係しているのかもしれません。
さっき言った容疑者の父親の経営する遊園地ですから。
しかも後一ヶ月で突然閉園するそうです。
理由は集客の低下による採算悪化だそうですが実際のところはわかりません。
運営会社が真実を言っているとは限りませんから」
「そんな…それではもしその噂が本当だとしたらあの子は…」
「やめて!
想像するだけで吐き気がしてくるわ!」
「すまん悠美。
でも優太がそんな状況だとしたら私も許せない。
私の持つコネの全てを使って裏野ランドを調べてみる」
「あなた…
でもほどほどにしておいてよ。
あなたまでいなくなったら私はどうしたらいいの?
そうなったら私本当に…」
「大丈夫絶対そんなことない。
なんとしても優太の居場所を突き止めてやる」
石橋は夫婦の会話に入ることができなかった。
途切れたタイミングでようやく言葉を発することができた。
「前川さん。
あくまで噂でしかありませんよ。
ただそれが行われているかは定かではありませんがあそこの地下には何かある。
それだけは言えるでしょう。
とにかく何もかもが普通じゃないんです。
あそこは…」
「石橋さん。
何かあったらまたよろしくお願いします」
そう言って浩一は頭を下げた。
悠美も頭を下げた。
それを見た石橋は奮起した。
前川さん含めていろんな人が必死になっている。
そして何よりも優太くんたちのために絶対に解決する!
心の中でそう叫ぶとなるべく落ち着いた声で言った方が前川夫妻は安心するだろうと思い落ち着いた声で言うことを心がけて言った。
「大丈夫ですよ前川さん。
我々警察が全力で捜査していますから。
見つかるのは時間の問題でしょう」
「ありがとうございます。
それでは今日はこの辺で失礼します」
「わざわざきていただいてありがとうございました。
また何かありましたら連絡しますので」
そういうと石橋と前川夫妻は立つ上がって家路に着いた。
裏野ランドの地下ではその時にもまだ男が盗聴していた。
そして映像を見ながら電話をしていた。
「あぁそうだ。
建物は残しておくんだ。
従業員は親父の会社に引き取ってもらうことになっている。
名目上は裏野ランドは親父の会社の持ち物ということにしておくんだ。
そうすれば足もつきにくい。
親父の会社の影響はでかい。
警察も下手に介入できないはずだ。
うん?
なに!?本当なのかそれは!?
会場?
ここで十分だろう。
なーに入るさ。
百人増えたくらいでは問題ないさ。
それにこれが俺の最後の仕事だ。
もうこれが終わったら足を洗って海外に移住しようと思ってるんだ。
客にもそのつもりでいるように言っておいてくれ」
電話はそこで終わった。
終わると映像を楽しそうに見ながら笑っていた。
その笑いは声を出して笑うものではなく犯罪者を超えた人間の笑い。
罪を罪とも思っていない狂気の人間の顔だった。
優太と恭平はそんなことを知らずに話し続けていた。
「おい優太。
俺は今日の拷問は辛いと思うんだ。
痛いけどなにもできないし…
もっと言うと俺らは痛みを知ってしまっているんだ」
「そうかそうだよね。
でも僕は耐えるよ。
頑張ってね。
だってお父さんとお母さんが絶対に助けてくれるはずだもの」
そう言ったの優太の表情は真剣で親を信用しきっている眼差しだった。
恭平はそれに呆れたように返した。
「あのなぁ優太。
そもそも警察もこと場所を把握できていないだろう。
この場所を見つけた時には俺たちはもうこの世にはいねぇよ。
いるとしたら亡霊になっているかだな」
「僕お化けは嫌いだよ…」
「バカ!お化けが怖いとかそんなことを言ってる場合か!
明日もどうせいろんなことされるんだろうからな。
寝たくはねぇな。
そもそもいま夜なのかもわからねぇしな」
「でも寝ないと明日辛いよ?」
「そうだな。
明日も生きていようぜ!!」
取り敢えず明日も更新する予定です。
それと、この話はそこまで長くはなりません。
あくまで「夏のホラー2017」のための作品ですので。
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