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絶望の中で…

「…あのガキはもう少し楽しませてくれだんだがな。

まぁ年齢的なこともあるし仕方がない。

もう少しいたぶり尽くすか…その後でだな。

どれくらいになるだろうな。

金入った瞬間に海外に高飛びするか。

俺もそろそろ足を洗って海外で優雅に暮らしたいしな」


男はそう呟きながらワインを飲んでいた。

男のある空間の真下には二人の閉じ込められている牢屋があった。


そこでも気を失った二人が目覚めた頃だった。


「う、ううん?

僕は一体…そうだ確かあいつになんか色々されたんだ」


優太の横ではさらにひどい傷を負わされた恭平がいた。

まだ恭平は気を失っているようだった。


「恭平くん恭平くん!」


優太は恭平を揺すって起こそうとした。


「うっ…うん?

こ…ここは?

はっ!

そうだ俺はあの男に色々とされたんだった。

優太お前は大丈夫なのか!」


「僕も色々されたよ。

でも恭平くんの方が傷は僕よりも付いているよ」


「悪いな心配かけて。

…でなんか言ってたか?」


「殺しはしない今はまだ。

親のしたことの責任は子供が取るのが理にかなっている。

そんなことを言っていたと思う」


「そんなこと言ってたのか?

俺はこう言われた。

…お前らは高く売れる。

俺は今までにもたくさんやったがお前ら二人は最高額かもしれない。

感謝するよ。

お前らで最後だ。

堪能させてもらう。

言ってた時にあいつの顔は笑っていた。

怖かったよ。


あいつ、絶対に頭おかしいよ」


「僕もそう思う。

ねぇこれからどうなるのかな?」


恭平は牢屋の外を見つめながら神妙な表情で言った。


「わからない。

でも確実に殺される…と思う。

優太の話を聞くと俺らの親に恨みがありそうな感じだし、今は殺さないってことは後で殺すってことだろ?

それに同じことを沢山しているってあいつは言ってた。

それならなんで警察があいつのこと捕まえられないのか…想像もしたくねぇな」


男はワインを飲みながら二人の会話を聞いていた。

二人のある牢屋には盗聴器が仕掛けられているのだ。

男は呟いた。


「俺の目的などガキにわかってたまるものか。

絶対に楽しんでから殺ってやる。

その時の絶望の顔を楽しみにしておこう。


それにしてもこの二人は今までのガキとは会話の内容が少し違うな。

面白そうだ。

もう少し聞くか」


男は映像と合わせて聞いていた。

もちろんそのことを二人は知らない。


一方二日間なんの知らせもない前川夫妻は疲労が溜まり始めていた。


「俺が置いていくなんて言わなければあの子は誘拐なんてされずに済んだのに…すまない」


「私だって同罪だわ。

あの子はきっと元気よ!

大丈夫必ず見つかる…私はそう信じてるわ!」


こんな会話を何回もした。

しかし事態はどんどん悪い情報が聞こえてくるばかりだった。


数時間前に前川家にかかってきた電話で石橋は一つ話すことがあると言った。

そこで前川夫妻は石橋の勤務する警察署に足を運んだ。


「すみません前川さん。

わざわざきていただいて」


「いえかまいません。

それで話したいことというのは?」


「はい。

実は捜査の結果新たな子供が誘拐されていたのがわかりました。

優太くんが誘拐される前日に起こったそうです。

その子の名前は三井恭平。

三井前総理大臣の孫です。

恭平くんの御両親はアメリカのベンチャー企業の社長だそうです」


浩一は青ざめた表情だった。

そして力のない声で言った。


「あいつの息子が誘拐された?

そんなバカな…」


「何か恭平くんの御両親と接点でもあるんですか?」


「…私と三井は中学と高校の同級生です。

親友でした。

大学は違いましたが…卒業した後もちょくちょくあってたんです。

お互い忙しなったからは半年に一回くらいしか会えませんでしたが…


それでそれと優太のことでなんの関係があるんでしょうか?」


「はい実は色々と調べていたら分かったことがあるんです。

こう言った言い方は失礼なのかもしれません。

経営者なら当然のことなのかもしれません。

それでも聞きますか?」


「お願いします」


浩一は藁にもすがる思いで聞いた。


「実はその誘拐された子供の御両親に共通していることがあります。

それは経営者ならライバルとなるような企業を買収したり陥れたりして潰そうとした、ということです。

政治家やタレントの方ならスキャンダルで陥れようとした。

その陥れられた方はその業界にはもう二度と携わることはなかったそうです」


「確かに私も色々しました。

商売人である以上汚い金の亡者でしかありません…」


「それで色々と捜査したんですが犯人がそこにいる可能性が極めて高いと言わざるを得ません」


「なら早く見つけてしまえば…」


「それができないと言ってもいい。

下手をしたら、こちらも殺される可能性があるんです。

一番可能性がある容疑者はある巨大企業の御曹司でして、彼の母親が陥れられたせいで母親の会社は倒産。

その後母親は精神的におかしくなり自殺してしまったそうです。

そのあたりからでしょかか。

父親も息子に対して冷たく当たるようになっていったそうです。


父親の会社は母親の会社の倒産の後で合理的な経営スタイルで巨大企業に成長させましたが…家庭内には問題があった。

そして問題なのがその一族は警察はもとより政財界そして極道にもコネを持っているんです。

そうなると迂闊には手を出さない。


下手をしたらあなた方の命も危ない」


「それじゃぁどうしたらいいんですか!?」


「分かりません。

今決定的な証拠を見つけるために捜査員も奮闘しています。

それからこれは噂でしかないんですが…いわゆる都市伝説としてお聞きください。


裏野ランドには裏の一面があるというんです」



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