夢の遊園地
この作品は小説家になろうの企画「夏のホラー2017」に応募するための作品です。
僕の時間の都合で少しの間連載してから、応募させていただきます。
なんせ、応募の基準が完結済みとあるものですから…
ともあれしばらくの間よろしくお願いします。
徐々に血が出てきます。
苦手な人はご注意ください。
「お父さん、お母さん早く早く!」
子供の親をせかす声だった。
楽しみにしている場所に行く子供なら誰でもする行為。
それに対して少年の両親はにこやかに答えた。
「そんなに急ぐと危ないぞー」
「そんなに慌てなくても遊園地は逃げないわよ」
そう言った母親はお腹をさすっていた。
いま少年が歩いているのは、遊園地の駐車場の中の歩道だった。
まさにどこにでもいる遊園地きた仲の良い家族だった。
「今からチケットを買うからお母さんと少し待っていてくれるか?」
父親の太く強い声が少年にはかっこよく感じていたのだろう。
少年は目を輝かせて頷いた。
それを見た母親は言った。
「うふふ、この子ったらお父さんのことが大好きなのね。
でも少しはお母さんのことも見て欲しいなぁ」
そう言った母親に対して少年は無邪気にこう答えた。
「僕、お母さんのことも大好きだよ!!」
時として子供の何気ない一言は大人には突き刺さることがある。
これもその一例なのだろう。
母親はとても嬉しそうに頷きながら言った。
「嬉しいわ」
これだけ言うのに一瞬涙さえも母親は堪えた。
それほどにまで久しぶりに言われた言葉なのだ。
そこに父親が戻ってきた。
「おーいチケット買ってきたぞー!
いや〜並んでてたいへ…?
何かあったのか?」
母親は夫の耳元で囁いた。
「あなたこの子ったらね………」
夫もその言葉に嬉しそうに言った。
「それは良かったじゃないか。
俺もすごく嬉しいな!
それじゃ夢の国に行こうか」
「優太、最初はどれに乗りたい?」
「うーんとね僕あれに乗りたい!!」
そう言って優太が指差した方向にあったのはティーカップだった。
ティーカップに乗った後も楽しく遊園地で遊んでいた。
夕方近くになって閉園時間も近くなってきた頃に全て始まる。