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6

外に出て少し休憩してから調査を開始する。


「しかし見つからないな。唯の気のせいだったのかな?」


諦めかけながらも森の奥に進む。それから1時間以上は経っただろう。遂にに見つけた。3つの洞穴があり、更に入り口に人や動物の骸骨が飾られてる。そしてゴブリン数体が外に居たのだ。


「よし、帰ろう。PDA見ながら帰れば迷子にはならないしな」


目的達成した為さっさと帰る。あのゴブリン達に集られたら生き残る事は出来ないだろう。俺は強くは無いのだから。


……


帰りは寄り道する事無くPDAを見ながら最短距離を真っ直ぐに進みギルドに向かった。


「あ、いたいた。すみません、東の森ので調査したシュウです」


「はい。結果はどうでしたか?」


「ゴブリンの巣らしき物を見つけました。洞穴が3箇所あり、入り口に人と動物の頭部の骨が飾られてました。更に入り口付近にゴブリン数体を見ました」


俺は見てきた事を全て伝える。


「分かりました。場所はどの辺にありますか?」


受付嬢は東の森の地図を出す。


「ちょっと待って下さい」


PDAを操作してマップを出す。マップをズームアウトしながら出された地図と大きさを揃える。


「あの、それ何ですか?」


受付嬢が聞いてくる。


「え?PDAとしか言えないですね」


「もしかして古代の遺物ですか?」


古代の遺物?


「何それ?」


ついタメ口になってしまった。古代の遺物とは、古代遺跡から発掘された高性能な道具である。この古代の遺物により発展した技術もある。例えば大砲。以前までは魔砲が主力だったが、魔力を使わずに威力も高い為大砲を採用してる。ただし、弾頭と弾薬は分離式である。ギルドカードもそうだ。以前はドックタグだけだったがギルドカードには本人照合が出来る為、冒険者ギルド銀行も設立出来たのだ。他にも街灯や井戸水に下水関係等、公共の場でも活用されているのだ。まあ、簡単に言えば高性能故に劣化版でも充分なんだそうだ。


「まあ、そうなのかな?」


「はあ、私この様な古代の遺物は初めて見ました」


しげしげとPDAを見つめる受付嬢。


「あの、そう言えばお名前は何て言います?」


いい加減受付嬢だと誰か分からなくなる。


「はい、私はカミラと言います」


「ではカミラさん本題に戻りましょう」


俺はPDAを操作して出された地図と大きさを揃える。


「大体こんなもんかな。ならこの辺ですね」


東の森の左側を指差す。街から離れた場所だ。それから先は速かった。直ぐにBランク以上でギルドから緊急依頼が出される。ゴブリン相手にBランク?しかし、ゴブリンの巣に行くと言うことは多数相手にしなければならないのだ。更に敵の本拠地にカチコミに行く訳だからゴブリンに囲まれるのは必須な訳だ。

つまりゴブリン集団でしかも入り組んだ場所になる為危険度は高いのだ。尚、ゴブリンやオークは女性の天敵である為見つけ次第殲滅するのが常識らしい。

するとギルド内がザワザワと騒ぎ出した。何だろう見てみると、ダークエルフがいた。


(おお!耳が長くてとんがってる!スゲー美人でしかも巨乳でスタイル抜群だ!!!)


切れ目に碧く透き通った瞳、そして全てのパーツがまるで造形美がある。更に長い銀髪はサラサラしてそうだ。更にスタイルよく胸がデカイ!!後初ダークエルフを見て若干テンションが無駄に上がった。


「おい!マジかよ!ソロでAランクまで上り詰めたサラ・ブロードハットさんかよ!」


「うっは!スゲー美人じゃん!しかも女でソロでやってんのか?」


「下手な事考えるのは止めとけよ。手え出して何人病院送りになった事やら」


他にも称賛の声や畏怖の声も上がってる。そんな中堂々とした足取りで依頼掲示板を見る。


「?…ゴブリン殲滅か」


迷わずその依頼書を取る辺りこの人もゴブリン嫌いなんだなと理解した。だが俺の出番は無い訳だからサッサと依頼金を貰って大人の街、色街に行くのだ!今はコッチが最優先だぜ!


「この場所を知ってる奴は居るのか?」


「はい!今隣で報酬を受け取っています!」


「ほう」「ん?」


俺は報酬を受け取りニヤニヤしていた。しかし、フルフェイス仕様のヘルメットで見えないがな!


「良し、では案内して貰おうか。報酬は5割で良いぞ」


案内だけで5割だと?


俺はゴブリン殲滅依頼書を見る。報酬金額は金貨10枚だと!?俺は再度ダークエルフのサラさんを見る。セラさんはニッコリと笑った。


「喜んで案内させて頂きましょう!」


お金と美女の笑顔には勝てなかったよ。


……


ゴブリンの巣まで軽くお互い自己紹介する。そしてセラさんの冒険者生活について軽く聞かせてもらいながら、ゴブリンの巣まで行く。


「あそこです」


「確かにゴブリンの巣で間違い無いな。あの趣味の悪い骸骨の飾りはゴブリンの品性の無さの象徴だな」


中々辛辣な言葉を吐くサラさん。そして躊躇無くゴブリンの巣の前に出る。そして呪文を唱える。


『殲滅せよ ヴァスティン』


セラさんの手から光の塊が出て真っ直ぐにゴブリンの巣の中に入っていく。その直後。



ドオオオオオオン!!!!!!



ゴブリンの巣が炎に包まれた。


「よし、終わりだ。帰るぞ」


「え?こんなアッサリ!」


こんな呆気ない物だったのか?


「今のは威力を弱めた状態だったが、ゴブリン相手なら充分だ。それに密閉空間だから空気は熱く肺が焼けて勝手に死んでいくのさ」


そう言って颯爽と帰っていくサラさん。俺はただ呆然と見送るしか出来なかった。


……


暫くゴブリンの巣を見ていたが出てくる気配は無かった為巣に入ってみた。考えてみたらこんなチャンス滅多に無いだろうからね。中に入るとまだ熱かったが問題なさそうだった。そして意外と広い構造をしていた。そしてゴブリンの死体は黒焦げで所々炭になっていた。


(威力を弱めたって、どんな熱量だよ)


サラさんはAランクだと言っていた。全員がそうだと言わないが人間離れし過ぎだろうに。更に奥に進む。すると人間の死体を発見した。そして近くにはゴブリンと小さいゴブリンの死体を見つけた。それを見て察した。ここはゴブリン生産所だと。そして、ここに囚われた人達はもう。きっとサラさんはコレも理解した上で殲滅したのだろう。人としての尊厳を守る為に。俺は静かに手を合わせて先に進んだ。


……


所々罠もあったが殆ど壊れていた。しかしゴブリンの巣はかなり危険な場所だと分かった。ゴブリン1体なら大したことは無い。だが複数相手にすると危険度が上がり、更に巣に入っていくとなるとBランク以上なのも頷ける。

その時だった。僅かであるが唸り声が聞こえた。まだゴブリンの生き残りが居たのか!俺はM92とシールドを構え先に進む。そして広い空間に出た。ライトを当て周りを見渡す。そして、見つけた。通常のゴブリンより大きい存在。身長も3メートルはあるだろう。更に杖を持っていた。

そいつと目が合う。俺は咄嗟に奴の持つ杖に向かって発砲。弾は杖の先端に付いてた水晶をに運良く当たり欠ける。しかし奴は杖を此方に向け炎の塊を連射する。


「グガアアアアアアア!!!」


避ける為に走る。しかし、シールドでも防いだりしてシールドがお釈迦になる。此方もM92で反撃するがゴブリン自身の肉体に防がれる。


(これピンチじゃん!普通にゴブリンの親玉ピンピンしてるじゃん!そして銃弾がきいてねえ!)


俺は物陰に隠れる。そしてライトを直ぐに消す。


(如何する?9㎜は殆ど効いてない。手榴弾しかダメージを与えれ無さそうだし)


だが、如何やって手榴弾を当てる?あの炎の連射を掻い潜る能力なんて無いぞ?


それでも、やるしか無い!


俺はもう一度場所を移動して1つライトを付けてその場に置く。そう、ライトは囮だ。その間にゴブリンの親玉に接近する。ゴブリンの親玉は囮に喰いつき炎の連射する。その瞬間走る。親玉は此方に気付いた。俺はヘルメットに付いてるライトを付け奴の目に当てる。そしてそのまま手榴弾のピンを抜き奴に向け投げる。親玉は目を手で覆いながら咆哮する。俺はその咆哮をモロに浴び身体が動かなくなる。だが、手榴弾は関係無く親玉に向かって飛んで行く。奴は咆哮をあげて口を大きく開けていた。そして、そのまま手榴弾は口の中に入った。


ゴクンッ


そんな音が聞こえた。親玉はお腹に手を当て俺を見る。俺は顔を逸らした。その瞬間だった。


「グアガッッッ!!!!」


ゴブリンの親玉の腹の中から手榴弾が爆発して破裂した。凄くグロい。


(今日は肉料理は止めとこ)


今日は野菜メインにしようと決めたのだった。

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