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次の日、ギルドに向かい依頼を受ける。しかし、Fランクの受けれる依頼は町の中の依頼のみだ。とは言えそう難しい物は無い。
・店の手伝い 時給銅貨15枚
皿洗いをやってくれれば大丈夫です。料理の手伝いも出来るなら更に時給アップします!
・荷物運び 時給銅貨10枚
2人程手伝いが欲しい。仕事内容は酒瓶を運ぶ事。以上だ。
・屋根の修理 成功報酬銀貨5枚
雨漏りが酷いから直して欲しい。
・城壁の補強 時給銅貨20枚
人数に制限は無し。体力に自信のある奴はどんどん来てくれ!
内容はシンプルなだけに基本日雇いなのが現実だ。因みに外の依頼はEから受けれるが討伐依頼も大した物は無い感じだ。俺は特にその辺は気にしないので適当に依頼を受ける事にした。
……
今日は屋根の修理と庭の草むしりをやって終わった。
屋根の修理はPDAを使い完璧に直した為報酬に色が付いた。そして草むしりは、何方かと言うと依頼人と世間話が殆どだったな。ただ俺の格好はどう見ても新人の格好では無い。考えてみて欲しい。フルフェイスでソコソコの防具を身に付けた奴が、屋根の修理に来たとか、草むしりに来たとか。依頼人は顔を引き攣らせていたが…俺は気にしない!←
そんな毎日を送ってるとEランクに上がった。FからEに上がるのは普通に毎日1つは依頼を受ければ遅くても2週間位で上がれる。ただ、EからDに上がる時はギルドから試験依頼を受注して成功したらランクは上がる。試験依頼も多少運が関わる。その時簡単な依頼しか無ければそれで大丈夫な訳だしな。稀に退職した元冒険者と手合わせとかあるらしい。
そして俺は常時討伐依頼を受ける事にする。この常時討伐依頼は態々受け付けで依頼をする必要は無く外に行って狩るだけだ。今回はゴブリン討伐で討伐数に制限は無い。
……
城壁の外に向かいゴブリンを探す。やはり森の中に潜んでるのかな?一応ここに来る前に調べたが東の方でゴブリンが数体目撃されてる。俺はシールドとニューナンブM60を構えつつ森に足を踏み入れる。
暫く歩くと目的のゴブリンを見つけた。数は8体。初めて戦った時は一方的に倒せた。しかし、気を抜くつもりは無い。距離は10メートル。もう少し距離を開けたかったが森の中だから仕方無い。ニューナンブM60をゴブリンに向ける。照準を頭に向けて引き金を引く。
弾はゴブリンの頭に当たる。ゴブリンはそのまま倒れるが他のゴブリン共は音に反応して此方を見る。俺は更に撃ち込み2体倒す。ゴブリンは此方に気付きナイフや棍棒を振り回しながら此方に来る。俺は焦らず冷静に銃の弾をリロードして直ぐに撃つ。絶対にゴブリンの間合いには入らない。
そしてゴブリン共をスムーズに倒す事が出来た。やはり銃は強い。魔法が使えないと聞いた時は残念だったが銃でも充分戦えるし、生きる為の物はあるのだからこれ以上の贅沢は言うつもりは無い。
「さて、今日はゴブリン退治に精を出しますか」
再びリロードしながら先に進んだ。
……
暫くゴブリンを討伐していたが、可笑しいと考え始めていた。森の中を彷徨いゴブリン狩りをして思ったのが、ゴブリン以外の魔物が居ないのだ。普通ならウェアウルフやコボルト、スライム等、他の魔物も居るはず。しかし、居るのはゴブリンだけ。
「俺、ゴブリンだけでもう30体近くは倒したぞ?」
どう考えても異常だ。だから討伐しながら調べる事にした。すると戦闘音が聞こえた。
俺はそちらに向かって走る。すると、まさに駆け出しと言わんばかりの冒険者4人がゴブリンに囲まれていた。
「メイ!魔法はまだ使えないのか!マック!盾でゴブリンを抑えろ!」
「まだ魔力が回復し無いよ!」
「無茶言うな!囲まれてるんだぞ!」
「クソッ!リズ!動けるか!」
どうやら怪我をした仲間を庇ってるみたいだな。うん、落ち着いて観察してる場合じゃ無いな。助けないと危ない状況だ。
「この距離なら、此処だ!」
だから迷わす引き金を引いた。銃声と同時にマックと呼ばれた奴の前のゴブリンを倒す。
「ッ!?誰だ!」
「援護する!下がれ!」
更に引き金を引き此方に敵を寄せる。ゴブリンも俺の方が危険と判断したのか一部を冒険者達に残して此方にくる。
「マジかよ。誰だよゴブリンが低級の魔物とか言った奴はよ」
どう見ても統率が取れてる。なら、リーダー格を潰す。そしてリーダー格を見つけた。長い槍に首飾りをしてる奴だから直ぐに判断出来た。其奴に照準を当て…撃つ。
「ギガッ!」
其奴が倒れたらゴブリンの動きが鈍くなり始めた。それでも距離は詰められた為サバイバルナイフを構える。
「せいっ!」
シールドでゴブリンを吹き飛ばしながらサバイバルナイフで1匹ずつ仕留める。ゴブリンが距離を取ればニューナンブM60に切り替え撃ちまくる。銃声にビビったのか、不利になったのを悟った奴は逃げて行く。そして残ったゴブリンを他の冒険者と一緒に倒して行った。
……
パンッ
最後のゴブリンにとどめを刺して冒険者達を見る。
「良し、これで終わりか。そっちは大丈夫?」
「あ、ああ…助かった。でも、リズが」
「はぁ…はぁ…」
どうやら腹部に弓矢を受けて深手を負ったみたいだ。弓矢には毒が付いていたのか傷口が変色し始めている、
「ポーションは無いのか?」
すると全員首を横に振るう。
「金が無くて…買って無いんだ」
「バカじゃねえの?」
俺の台詞に俯く3人。金ケチった結果仲間が死に掛けるとはダメだろ。
「もう、の◯太君はしょうがないな…ガサゴソ、パラリパッパパー『ヘルスチャージ』」
ヘルスチャージ出した瞬間一斉此方に顔を向けるの◯太と仲間達。
「それ、古代の回復剤か!大抵の傷なら治せる万能薬!しかも一つ最低金貨10枚はする高級回復剤じゃ無いか!」
え?そうなん?これそんなに高価なんか?
「因みにお金は?」
全員首を横に振るう。
「……この話は無かった事に「待ってくれ!頼む!分割で払うから!助けてくれ!」だあー!抱き着くな!気持ち悪い!」
くだらない漫才やってるとリザの顔色がどんどん悪くなっていた。何かゴメン。
「まあ、お金は期待して無いから良いよ。その代わりお前達パーティにデカイ貸しが出来たからな。いつかでいいや返してね」
「え?そんなんで良いのか?」
「逆に聞くけどポーション代ケチってる今のお前達に何が出来るのさ?」
俺の台詞にまたしても俯く3人。
「じゃあ、帰るか。さっさとゴブリンの討伐部位と魔石回収して此処から離れよう」
俺の言葉に賛成する3人。その後の行動は速かった。ゴブリンから回収する物回収して東の森から撤退した。
「あ、あの…アンタの名前は?」
道中の◯太が名前を聞いてくる。まあ、此処はクールに教えよう。
「俺はシュウ・コートニーだ。シュウで良いさ」
「そうか、シュウさん。ありがとうございます!後俺の名前はの◯太じゃ無くて…」
「お!城壁だ!もう直ぐだぞ!」
「今回ばかしはヤバかったな」
「だからちゃんと装備整えようって言ったのに!」
「でも、本当に助かりました」
ワイワイと喋りながら帰路に着く俺と冒険者4人。リズはマックに背負われてますけどね。
……
「さて、換金して解散だ」
「あ、あの…お金何ですけど」
の◯太が申し訳無さそうに聞いてくる。
「お前達が討伐した分はお前達のだよ。それに言っただろ?貸しだってな」
何やら熱い視線を感じるが、やだコレ良いね!
「あ、ありがとうございます!」
「さあ、換金換金」
俺達は換金して解散する事になる。
「あ、あのシュウさん。もし良ければ俺達とパーティ組みませんか?」
パーティに誘われたが断る事にする。
「すまんな。1人の方が気楽なんだ。じゃあな、の◯太とお前達」
「だから俺はの◯太じゃ無くて!あ、ちょっと!」
俺はそのまま背を向け歩き出す。ある場所を下見に行く為だ。
「エロ本だけだと限界があるからな!これは必要な事だしな!」
ソロ最高!俺は大人の空間に足を踏み入れ下見を存分にした後、明日行こうと決意したのだった。明日が楽しみだぜ!!!