【オペレーション・テッド&メリナ・ラブラブキューピット】終了
リアルの都合上中々執筆出来ない(泣)
一応ストーリー自体は頭の中で出来てるので。ただ、番外編と悪役は楽しかったしです←
side エンシェント
「さて、そろそろ逃げる準備に入るぞ。人質が必要だからな。よし、君に決めた」
予定通りエリナ・ランバートを人質に選ぶ。
「私に触れないで!この悪党!」
「おいおい〜、中々度胸があるじゃないか。まあ、言う事聞きたくないなら別に構わないぜ?代わりに君の友人から紅い花を咲かせる事になるがな」
M92を友人二人に向けて脅す。
「くっ、この卑怯者!」
「はっはっはっ!卑怯者だろうが何だろうが勝ちゃあ良いんだよ!勝ちゃあな!」
何だろう……悪役って結構楽しいな。見たまえ、エリナ嬢の悔しそうな表情。視線だけで俺を倒したいと思ってるのが見え見えだぜ。しかし、何も出来ない無力感に包まれているのだろう。
「悔しかろう?何も出来ないから悔しかろう?残念だったな〜」
「貴方って本当に屑ね」
「何とでも言うが良いさ!さて、お喋りも終わりだ。一緒に来て貰うぞ」
俺はメリナ・ランバートの腕を掴み立たせる。
「離して!自分で立てるわ」
「いつ迄その強気が持つか見ものだな。泣き叫ぶなら今の内だぜ?」
俺はそのままメリナ・ランバートを掴んだまま少し待つ。さあ、テッド君。クライマックスだぜ!
………………………
しかし、テッド君から声を掛けられる事は無かった。
(あれ?テッド君は……え?)
俺は見てしまった。テッド君がめっちゃ震えて俯いてる姿を。
(まさか、ビビってるのか?そんな馬鹿な。ちゃんと作戦は話した筈だ)
俺はラビット、エルフ、ブラックを見る。しかし、皆も戸惑っている様だ。仕方ない。フォローするのも俺達の仕事だ。
「あー!M92の弾倉が抜け落ちてしまったわー!然も遠くに行ってしまったわー!と言う訳でラビット人質預かっててくれ」
「畏まりました。ご武運を」
俺はメリナ・ランバートをラビットに預けて、テッド君の方に飛んで行った弾倉を取りに行く。
(テッド君。どうした?早く俺達を止めないと)
(む、無理です。僕には出来ません)
(馬鹿野郎。此処で動かなかったらメリナ・ランバートは二度と手に入る事は無いんだぞ?)
(で、でも。あんなにいっぱい血を流してるし)
(アレは血糊だ!偽物だよ!良いか?やらなきゃ何も前には進めんぞ)
(う……わ、分かりました。やります)
(おう。頑張れよ)
俺は弾倉を拾い元の場所に戻る。
「待たせたなラビット」
「いえ、大丈夫でございます」
俺はメリナ・ランバートを再度人質にする。そして遂にその時がやって来る。
「待て!貴様等!今すぐ人質を離すんだ!」
「全く。お前はいつも余計な事に首を突っ込むんだからよ」
「でもこの様な悪行を見過ごす訳には行きません」
「そうね。ならチャッチャと終わらせちゃいましょう!」
爽やかなイケメンが立派な鎧に身を包み、長剣と盾を構えている。そして、その後ろに仲間と思われる三人が控えていた。恐らく四人パーティの冒険者なのだろう。
「いやいや、お前らはお呼びじゃ無いから」
俺は全員に合図を送る。そう、邪魔者は素早く排除しなければならないからな。
ラビットは早速イケメンを黙らせる。エルフも魔法を使い相手を痺れさせる。更にブラックも体当たりして相手を悶絶させる。
「いやー、俺の出番無かったな」
「それ以前にあんた達強過ぎない?」
主に強いのはラビットとエルフだがな。あの二人は色々規格外だからな。
邪魔者達を瞬殺して所定位置に戻る。さて、漸く話を進められるな。俺はチラリとテッド君を見る。すると……めっちゃ震えていた。畜生!
「あ、あー!M92を落としてしまったわー!拾いに行くからエルフ、人質宜しく」
「分かったわ。その、頑張んなさい」
俺はメリナ・ランバートをエルフに預けて、再びテッド君の元に行く。
(どうした?何か問題でも起きたのか?)
(や、やっぱり無理です。あんな簡単に冒険者達を倒しちゃうなんて)
(アレは気にしなくて大丈夫だ。ほら、メインディッシュの前の前菜的な役割だよ。だから気にせず助けに来るんだ)
(ほ、本当に大丈夫ですか?)
(大丈夫さ。さあ、男を見せる時だぜ)
俺はM92を拾い元の場所に戻る。
「待たせたなエルフ」
「別に良いけど。その、大丈夫なの?」
「勿論さ。さあ、脱出するぞ!」
俺は再度メリナ・ランバートを人質にして出口に向かう。そして、遂にテッド君が動き出す。
「ま、待つんだ!か、か、か、彼女をおおお置いて行け!」
震えながら俺達に立ち塞がるテッド君。
「ほう、まだ俺達に刃向かう馬鹿が居たとはな。痛い目に遭いたくなければ座ってな」
M92の銃口を向けながら脅す。
「ぼ、僕だって……僕だって!」
「僕〜?はっ!僕なんて言ってるならママのおっぱいでも吸ってな!」
「うわああああ!!!僕だってやれるんだあああ!!!」
テッド君が此方に走って来る。
「ラビット、エルフ、ブラック!あの小僧をやっちまいな!」
「了解しました」「全くもう」「プキャ!」
先ずはラビットが接近。そして殴り掛かろうとする。
「ひっ!」「さあ、どうぞ」
ラビットはその場で少し止まる。身構えて居たテッド君はラビットを殴る。
「くあっ!?」ガシャーン
ラビットはテッド君に殴り飛ばされ、結構なスピードで空いている机に突っ込む。
「ラビット!クソ!何をしている早く奴を倒すんだ!」
「うわあああ!!!」
続いてエルフも接近戦をするが同じ様に吹き飛ばされる。更にブラックも蹴り飛ばされる。
「な、何なんだテメェは。唯のガキじゃあ無いみたいだな」
「ぼ、僕は、メリナさんを助ける!」
「はっ!ヒーローにでもなったつもりか!良いぜ?ヒーローになって見せろよ!」
俺はメリナ・ランバートを離し、M92の銃口を向ける。そして引鉄を引く。
マズルフラッシュが出て銃声が響く。それと同時にテッド君も動き出す。テッド君の体が若干光ってる様に見える。テッド君はそのまま突っ込んで来る。空薬莢が地面に落ちるのと同時ににテッド君は拳を振り上げる。
「うおおおお!!!喰らええええ!!!」
「こ、こんな馬鹿な事が有ってたまるボゲェええ!?!?」
テッド君は無意識に身体強化してたのだろう。俺は腹を殴られてカウンターまで吹き飛ばされる。て言うかムッチャクチャ痛いんですけどー!
ラビットは倒れたままだがウサミミがピン!と立ち上がる。そしてめっちゃソワソワしたりツンツンしてる。きっと心配してくれてるんだな。でも、今は動く訳にもいかないから我慢してる。
「はあ、はあ、はあ……メリナさん。大丈夫ですか?」
「え、ええ。ありがとう。貴方、同じ学校の?」
「は、い。航空艦の士官候補生として所属してます」
テッド君が意外とエリートだった件について。まさか士官候補生だったとわ。知らなかった。
「そう。でも凄いわね。あんな簡単に悪党達をやっつけちゃうなんて」
「いや、そ、それ程でも無いです」
他愛の無い会話を続けるテッド君とメリナ嬢。そして、遂にテッド君が動き出す。
「あの、メリナさん」
「ん?何?」
「その、ぼ、ぼ、僕と」
キタキタキタキター!遂にキター!愛の告白ターイム!盛り上がって来たぜ!しかし腹がムッチャ痛い……。
「僕と、僕と!」
ドキドキすんな!もう周りを見てみると皆固唾を飲んでる状況だ。メリナ嬢の友人二人も目をキラキラさせてるし。間違いなく学校に言いふらすだろう。そして、よく見たらカツラを着けて変装してるパパラッチ娘も居るし!
「僕と!」
さあ、言え!言うんだ!テッド!そのままゴールインしちまえ!
緊張の一瞬。テッド君は目を瞑り、メリナ嬢も若干頬を赤らめている。そして周りのお客さんもソワソワしてる。
「僕と……友達になって下さい!」
…………………………は?
「えぇ……無いわーガク」
余りの安パイな展開に脱力する。それと同時に腹の痛みも増す。
「え、ええ。良いわよ。じゃあ、宜しくねテッド///」
「は、はい!宜しくお願いします///」
しかし、メリナ嬢も満更では無いご様子。もしかしたらこの先ゴールインする可能性は高いかも知れん。
この後、テッド君達はお客さんから拍手喝采を受ける。その間に俺達は静かに撤収するのだった。
……
「何か最後が締まらなかったが、一応手応えは有ったな」
俺達は一旦離れて公園の広場に来ている。まあ、暫くしたら戻って片付けの手伝いをしないとな。
「そうですね。他にお怪我をされてはいませんか?」
「大丈夫。お腹だけさ」
「でも、これで良かったんじゃ無い?今度は私達が居なくても自力で告白した方が良いでしょう?」
「それもそうかもな。さて、もう少ししたら戻るか」
そんな時だった。テッド君が此方に走って来る。
「あの、今日はありがとう御座いました」
「良いよ良いよ。それより早くメリナ嬢の所に行った方が良いんじゃ無い?」
「はい。少し御手洗いに行くと行ってますから。それからコレが追加銀貨5枚です。残りはギルドに行けば貰えますから。それでは」
「おう。まあ、頑張れよ。それじゃあな」
テッド君は走ってメリナ嬢達の所に向かう。結果は微妙な所だったが、これはこれで良かったかな。それに楽しかったしな。
「さて、そろそろ戻るか」
「そうですね。お店の人達にも感謝しなくてはいけませんからね」
「後は片付けね。ならサッサと終わらせましょう!後、報酬を使って今日の夕食は豪華に行きましょう!」
「プキャ!プキャ!」
「良いなそれ。良し!なら早いとこ終わらせようぜ!」
こうして【オペレーション・テッド&メリナ・ラブラブキューピット】は一応成功したのだった。
本編は少し時間掛かります。連載開始次第Twitter、lobiにて報告します。




