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【オペレーション・テッド&メリナ・ラブラブキューピット】その1

番外編になります。読み飛ばしても話しの流れは変わりません。

番外編


ラリア連邦に居た時のシュウ達の日常の一部。ローラとパーティを組み始めて少し日にちが経った時の話。


……


「何か普通の依頼しか無いな」


ギルドの依頼掲示板を見ながら呟く。何れも討伐、討伐、捕獲、討伐で在り来たりなのだ。


「ならこれ受ける?」


ローラは鉱山の鉱石掘りの依頼を見せる。


「それはまた今度な。何気に鉱山まで遠いし。他に何か無いかな〜」


依頼掲示板を見ていくと、低ランクの場所まで来てしまう。しかし、種類は無駄に豊富だ。尤も雑用系がメインだが。


「ん?……恋愛相談か」


一枚の依頼を読んでみる。


恋愛相談 銀貨5枚

氏名 テッド

兎に角誰かに相談したい。出来れば告白したいです。成功すれば追加で銀貨5枚払います。宜しくお願いします。


「ほほう。コレは中々興味深い依頼だな」


決して野次馬根性で依頼を受ける訳では無い。ちょっと恋に迷える人を手助けしてやりたいだけさ。ほら、俺スピアが居るから勝ち組だから余裕があるし←


「此方の依頼を受けるのですか?」


「おうよ!さて、早速受けようっと」


「本当にそんな依頼受けるの?それFランク用じゃない」


ローラは呆れた風に言う。だが気にしない。


「ローラは恋愛経験有るだろ?なら大丈夫だろ。俺だって……アレ?青春はした様な気がするんだが記憶がイマイチだな」


仕方無い。取り敢えず感覚で行くか。俺は依頼書を持ちながら受付に行くのだった。


……


小話


「べ、別に余裕よ。恋愛……ぐらい」ブツブツ


ローラは下を向きながら誰かに言う訳もなく呟いていた。


「誰かを好きになった事が無いのですか?」


「うっさいわね!スピアは如何なのよ!」


「私はご主人様と一緒になれましたので……ポッ///」


「くっ、何気にアンタは恋愛成就してたのね」


例えお金で買われたとしても、スピアが望んだ形だったので良かったらしい。恋愛の形は人それぞれである。


……


受付嬢に依頼を見せて受理して貰うのと同時に詳細を教えて貰う。

依頼主はテッド君。年齢は14歳。ラリア連邦の軍学校に通ってる生徒らしい。それなら軍学校に行けば会えるだろう。今は昼過ぎ辺りだから時間もある。俺達は軍学校に向かう事にした。

軍学校に到着したので、門の直ぐ横に受付が有るので依頼主のテッド君を呼んで貰う事にした。因みに呼び出し理由を聞かれたので、恋愛成就の為と答えました。それから暫く待つとテッド君と思われる少年が来た。少々気弱そうな少年だが、足取りはしっかりしている。伊達に軍学校に所属してはい無いのだろう。


「ど、どうも初めまして。テッドと言います」


「君が依頼主のテッド君だな。俺はシュウ・コートニーだ。こっちはパーティメンバーのローラとスピアだ」


お互い自己紹介をした後、放課後に近場の公園の噴水のある所で待ち合わせをする事にしたのだった。


……


軍学校の授業が終わりを告げる鐘が鳴る。それと同時に俺達は公園に向かう。早めに向かったつもりだが、先にテッド君は待っていた。


「それで依頼の詳細を聞こう」


「は、はい。あのその前に一つ良いですか?」


不安そうに聞くテッド君。


「その、貴方達はFランクでは無いですよね。然も装備とかしっかりし過ぎてると言うか……」


「ん?間違いは無いよ。俺達はテッド君の恋愛相談に乗る為に来たのさ」


M240G軽機関銃を構え直しながら言う。スピアもモスバーグM500を持ち、クロもUMP2丁構える。


「……あんた達ワザとやってるでしょう」


「ふっ、今この瞬間から戦いは始まってるのだよ。つまり何時でも準備万端なのをアピールしてテッド君に安心させるのも俺達冒険者の役目だぜ」


「いや、あの、別に戦争する訳では無いんですけど」


テッド君が何か言ってるが気にし無い。


「さあ、話を聞こうか。今この瞬間にも君の想い人が、不良っぽい奴に寝取られる可能性は高いからな!時間は有限だぞ!」


「不安になる事言わ無いで下さい!」


この後テッド君は恋愛相談をする。内容を簡単に言うと飛行科のワイバーン乗りのメリナ・ランバートと言う女性を一目惚れしてしまった。でも高嶺の花だからどうするか迷ってるらしい。尤も、この内容を話すのに小一時間話していた為途中寝てしまったのは秘密だ。フェイスガード様々ですわな。


「よし分かった。つまりテッド君が告白出来るシチュエーションを作れば良いんだな!」


「待って下さい。如何してそうなるんですか!僕は恋愛相談をしたくて」


俺はテッド君の肩に手を乗せる。


「俺達に任せな。何たって冒険者だからな!然もAランクのローラもいる訳だからな!それはもうバリバリに燃える展開にしてやるぜ!」


他人の恋愛に手を出すと碌でも無い事が起きそうだが、丁度良い暇潰しになりそうだし。いやー、楽しくなって来たぜ!


「と言う訳で、テッド君はメリナ・ランバートの行動パターンを俺達に教えてくれ。出来れば休日に外出する予定があるのかが知りたい。俺達もそれを元に行動するから宜しくな!」


「ええ!そんな事出来ませんよ!」


俺はテッド君の肩に手を乗せる。


「出来ませんじゃ無い……やるんだよ。やらなければ寝取られると思えばやれるだろ?」


「だから何で不安を煽るんですか!やめて下さい!」


「良いのかテッド君?不良達が寄ってたかってメリナ・ランバートにあーんな事やこーんな事をしてしまっても?それを防ぐ為に必要な事なんだよ!」


「く、本当にこの人達に任せて大丈夫かな?」


結局テッド君はメリナ・ランバートの休日の予定を調べる事になった。そして、時間も夕方過ぎになったので一旦別れる事になった。


「メリナ・ランバートの休日の行動が分かるまで待機だな。そう言うば作戦名を決めてなかったな」


「作戦名?別に要らないでしょう」


「ローラは分かってないな。作戦名はやる気を出す為には必要な事だぜ?早速考えようか」


何が良いかな?出来ればカッコイイ感じにしたいよな。


「なら【恋愛成就】で良いんじゃない?」


「うわー、ローラはセンス無いな。そのままじゃ無いか」


ピキッとローラの額に青筋が見えるが気にし無い。


「でしたら【寝取られるメリナ・ランバートを救え】では如何でしょう?」


「お?中々良いじゃ無いか」


「まだ寝取られて無いでしょう?それにその辺はシュウの妄想じゃない」


ローラがスピアに突っ込みをいれる。


「俺も考えたぜ【オペレーション・テッド&メリナ・ラブラブキューピット】これは中々テンション上がるじゃ無いか!」


我ながら良いセンスじゃ無いか!


「何よ!シュウのセンスだって微妙じゃない!」


「何を!ローラよりマシだろ!」


「殆ど変わら無いじゃない!」


結局この後地面にアミダクジを書いて【オペレーション・テッド&メリナ・ラブラブキューピット】に決まったのだった。


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