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50 ラリア連邦内乱7

ストック無いので、見直しも微妙な所です。

誤字や辻褄が合わない所は是非教えて頂けると助かります。

赤いパワードスーツは大剣と大楯を構えながら、真っ直ぐに突っ込んで来る。俺はスピアとローラを退かしてM240G軽機関銃を撃ちまくる。しかし、敵は7.62㎜弾の弾幕を諸共せず更に突っ込んで来る。


「させんぞ!」


サラさんが前に出て剣を構える。敵はそのまま大剣を横薙ぎに振るう。サラさんは大剣を受け止めるのと同時に防御魔法を展開する。だが、その防御魔法ごと薙ぎ払らわれサラさんを吹き飛ばす。


「隙だらけです」


スピアが敵の背後に回り込み、首にサバイバルナイフを突き立てようとする。


ガキィィ!!!


「っ!?」


『亜人風情が、私のパワードスーツに何をするか!!!』


敵が大剣を振るう。しかし、スピアは的確に避けて行く。


『チッ!貴様、サイレントラビットか。通りで貴様からは穢らわしい物を感じる』


「そうですか」


互いに睨み合う2人。しかし、その間にローラも精霊魔法を展開する。


「良い加減倒れなさい!ライトニングブラスター!!!」


『次から次へと鬱陶しい!』


大剣を盾にしてローラの攻撃を防ぐ。俺はバレットM92A1を取り出して構える。


「ヘッドショットで決める!」


ドオオォォン!!!


弾丸は敵の頭に直撃する。更に畳み掛ける様に体や手足に何発も撃ち続ける。


『くっ!その銃は中々の威力が有るじゃないか。だが、無駄な努力だ!」


敵の標的が俺になる。 だが、此処で逃げる訳には行かない。バレットM92A1で更に敵に弾丸を叩き込む。敵も大楯を構えながら更に突っ込んで来る。ローラやサラさんも牽制するが止まらない。


『貴様から先に潰してやろう!』


敵は一気に大剣を振り下ろす。その速度は速い。だが、そのパワードスーツは初期型だ。つまり、重装甲故に装甲が邪魔で格闘戦は不向きなのだ。だから敵が攻撃してくるパターンは大体読める……筈!


『ちぃ!ちょこまかと動き回る!』


「ひえ!勘弁してくれ!」


紙一重で避ける状況。正確にはギリギリに避けるのが精一杯なのだ。だが敵も焦れて来て、大楯を放棄する。そして、空いた左手で俺の顔を掴む。


『このまま握り潰してやろう!!!』


「っ!?!?」


ギシギシと嫌な音が聞こえる。俺は咄嗟にサバイバルナイフを出してフェイスガードとヘルメットの紐を切る。


「脱皮します!!!」スポッ


その瞬間、フェイスガードとヘルメットは握り潰されてしまう。あと少し逃げるのが遅かったら……。


『運の良い奴だ。だが、此処までグォ!……サイレントラビット、貴様の相手は後からにしてやる!』


「私が怖いのですか?図体だけの鎧に包まれて強い気になるのはどんな気分ですかね?」


『貴様!!!この栄光ある近衛専用機を愚弄する事は許さん!!!』


敵はスピアに視線を向け、背中を此方に向ける。今がチャンスとばかりにバレットM92A1を向けようとしたが、パワードスーツの後ろにはバッテリーが取り付けて合った。そして、コードを接続する為の部分も見えたのだ。


(コレは……PDAのハッキング機能を使う時じゃないか?)


そうと決まれば、俺はPDAからコードを伸ばしながら赤いパワードスーツの背中に飛び付く。そして、コードを繋げハッキング機能を展開する。


『貴様の様なサイレントラビット等、この世から根絶されれば良いのだ!裏切りの種族め!』


「その裏切りの種族に攻撃が当たらないのは無様で御座いますね」


スピアが敵を更に挑発してくれる。敵が動き回るが、PDAの画面を見ながら選択する。


(バッテリーを取り外し、安全装置ロック……予備バッテリーも解除)


そしてハッキング画面が映し出される。


5%……15%……25%……


『残念だったな。貴様の攻撃では、私を倒す事など出来ん!』


「当たらない攻撃をする貴方も、私を倒す事は出来ませんよ?」


スピアは俺に注意が行かない様に接近戦を仕掛けてくれる。然も気配を消してる様子は無い。


30%……42%……54%……


『所詮はその程度の攻撃よ。この近衛専用機の前では貴様の存在は無力だ!』


「そのパワードスーツだけは立派な様ですね。中身は残念な様ですが」


『ッ!貴様、私を侮辱するとは許さん!』


更にスピアは敵を挑発する。しかし、その分敵の攻撃ラッシュが上がって行く。


58%……64%……70%……


(後少し、後少しだけ持ってくれ!)


『先程から避けてばかりだな!所詮は隠れるしか能が無い種族だな!大人しくしてれば良い物を!!!』


「そんな攻撃では私を殺せませんよ?」


スピアに向かい大剣を振るいながら攻撃魔法を放つ。しかし、スピアは紙一重で避けて行く。


73%……88%……92%……


「スピア!良くやった逃げろ!」


「畏まりました」


『っ!?貴様!いつの間に!ええい、離れろ!!!』


そしてPDAの画面は100%の表示が出た。そして……


《ハッキング完了しました》


その瞬間、バッテリーが取り外せる様になる。俺はそのバッテリーを掴み取り、背中から降りる。


『っ!?な、何をした!バッテリーエラーだと!?ええい!貴様がやったのか!!!』


しかし、未だに動き続けるパワードスーツ。多分余力の電力で動いてるのだろう。俺は直ぐに敵から離れる。だが、敵は俺を追い掛けて来る。そして、大剣を横薙ぎに振るう。


ビュウウウン!!!ブシュッ


「ひぎぃ!?」


その瞬間、俺の尻に痛みが走る。またか!またなのか!また尻なのか!いつもいつも尻ばかり攻撃当てやがって!アンダーグランドの時も、今回の件も尻に傷を付けやがって!!!然も横薙ぎに振るわれたから、物理的に尻が4つになっちまったよ!?

俺の尻にかなりの深傷を負わされたが、流石にパワードスーツのバッテリーを引っこ抜かれてしまうと如何しようも無いのだろう。


ウイイイィィィィン…………


パワードスーツから起動音が止まる。そして敵はそのままの格好で動かなくなる。


『くそ!?何故だ!何故動かんのだ!誰か!このパワードスーツから出せ!早くしろ!』


敵はパワードスーツ内に閉じ込められてしまい、身動きが取れない状況になってしまったのだ。


「ご主人様!御無事ですか!」


「シュウ!怪我してるじゃ無い!」


「早く治療した方が良い。この回復ポーションを使うと良い。さあ、傷を見せてくれ」


スピアとローラは心配してくれるし、サラさんは回復ポーションを取り出し傷を見せる様に催促する。だが、尻怪我しましたなんて恥ずかしくて言え無い///


「お、俺は大丈夫だ。怪我は大した事は無いよ……ただ、回復ポーションは貰おうかな?後は自分でやるよ」


「遠慮するな。私がやろう。それに背中を斬られてたみたいだから、1人では難しいだろう」


だああああ!その優しさが今は残酷に感じるー!如何する?如何すればこの状況を打破出来る?……あ、居るじゃないか。最高の相棒が。


「クロ、こっち来てくれ。あ、回復ポーション貰いますね。じゃあ、すぐ戻るんで!!!」シュパッ


俺はクロと回復ポーションを掴み取り、そのまま廊下の影に入るのだった。


……


小話


「そうそう、慎重にやるんだぞ?」


「プキャ!」


「よしよし……ああ〜、痛みが引いていく〜。でも傷痕が残るかな?」


そんな会話を聞く女3人衆はと言うと。


「…………」タレウサ耳


「何よ……私達よりスライムの方が良いの?」


「まあ、シュウ君の趣味にどうこう言うつもりは無いよ」


この後皆の前に笑顔で戻ったら、スピアはウサ耳がメッチャ垂れてるし、ローラは涙目。更にサラさんからは変な誤解を受けていた為、結局理由を話す事になりました。


……


敵、赤いパワードスーツを停止させる事が出来た。今もそのままの姿勢で固まってるし、中から喚き声も聞こえる。初めてパワードスーツと戦った訳だが、圧倒的な防御力と攻撃力には驚いたものだ。更に魔法陣が組み込まれていた為、魔法防御は高くなっている。


「よし、早速弾薬庫に行こう。だけど、敵さんも待ち伏せ完了済みみたいですけど」


アレだけ爆音やら銃声を出してれば、敵も此方の狙いに自ずと気付くものだ。


「私が纏めて吹き飛ばそうか?」


「いや、さっきの戦闘でも大分魔力を消費しただろう?更に魔力を使うのは不味いだろう」


パワードスーツのバッテリーも持ちならが考える。少なくともサラさんの魔力は温存させる必要は有るだろう。しかし、このままだとスピアは気配を消して突撃しそうだし、ローラも精霊魔法を沢山使いそうだ。


「なら、あの赤いパワードスーツを使えば良いじゃ無い?シュウは扱い方分かるでしょう?」


ローラの言う通り扱い方は分かる。分かるんだけど……。


「色が派手過ぎてヤダ」


『貴様!この栄光ある近衛であり、私のパーソナルカラーを侮辱するか!』


「うわ!吃驚した。話聞いてたの?」


まさか話し掛けてくるとは。普通は黙ってるんじゃ無いか?


『ふん!この赤いパーソナルカラーは選ばれたエースのみに許可されるのだ。例え家の力を使おうとしても、模擬戦で直ぐに叩き潰されるからな。正に、実力によって得られる栄光なのだ!』


「因みに普通の近衛の人達はどんな色何ですか?」


『白がベースで黒いラインが入っているな。全く、地味な色合いだよ!』


うーん、確かに地味だな。


「でも、そんな奴に勝ったシュウは凄いじゃない!」


ローラが嬉しそうに言ってくれる。しかし、敵はそんなローラに食ってかかる。


『待て!私は決してその男に負けた訳ではない。貴様等によって負けたのだ。私は多数の敵に対して勇敢に戦ったのだ!』


「でも最後はシュウの手で止められたじゃない」


『ッ!そ、それは……偶々運が良かったのだ。それに、私はサイレントラビットと戦っていたのだ!』


「スピア、囮になってくれてありがとうな。お陰で何とかなったよ」


「ご主人様のお役に立てて光栄でございます」


しかし、それは全て計算されてた動きだった。サイレントラビットのスピアなら、気配を完全に消す事が出来た。だが、敵の気を惹きつける為ワザと気配を消さなかったのだ。


「……残念だったわね」


『う、煩い!だが、コレで勝ったと思うなよ?貴様等は最早袋の鼠だ。諦めて投降するんだな!はっはっは!』


「何よ!そんな古代兵器を身に付けて負けた癖に偉そうに言わないでよ!」


『喧しい!』


何故か敵とローラが喧嘩を始める。俺は考える。敵から引っこ抜いたバッテリーを手の内で弄びながら……あ、これ使えばええやん。


「良い手段がある。此奴を使おう」


俺はPDAからA-3dパワードスーツ 通称ウォールを1つ取り出す。そして、敵から奪ったバッテリーを背中に装着して、開閉スイッチを押す。


パシュウウウウ ガチャン


背中の部分が開いて中に入れる状態になる。


「コレは驚いた。シュウ君は古代兵器……パワードスーツを持っていたのか?」


「ローラと一緒にアンダーグランドに入ってた時にね。ただ、バッテリーが無かったから使えなかったんですよ。よっと」


俺はウォールの中に入る。そして閉鎖ボタンを押して背中を閉じる。


《メインシステム起動。システムチェック開始》


おや?このパワードスーツら音声付きだったんだね。然も女性ボイスとは中々気がきくじゃないか。


《油圧、駆動系、伝達回路、オールグリーン。バッテリー残量は95%、継戦時間は5時間45分です》


「そうか。なら、充分だ」


《了解。最後に搭乗者登録をお願いします》


「名前はシュウ・コートニーで宜しく」


《名前、音声、指紋、眼球を登録します。A-3dパワードスーツ・ウォールは貴方の物になりました》


な、何だと。つまり……専・用・機だと?萌える展開じゃ無いか!


「良いね良いね!因みに君名前は?」


《私は戦闘サポートAIエリスです。以後宜しくお願いします》


そして、目の前に様々な表示が出てくる。先ずは右上にウォールの状態を示す人型の表示が出て来る。左上にはマップと生体反応。右下には装備武器と残弾。右下は特に無かったが、多分通信用の場所だろう。真ん中は照準し易い様になっている。恐らくパワードスーツのAIエリスがサポートしてくれるのだろう。


「中々テンション上がるじゃ無いか!皆!遂に俺もパワードスーツデビューしたよ!ただし6時間ぐらいだけどな!」


「流石ご主人様です!古代兵器を難無く扱える!素晴らしいとしか言えません!」


スピアがキラキラした表情をする。初めて見る表情だったから遂マジマジと見てしまう。


「へえ、中々頑丈そうね。これなら敵の攻撃も大丈夫そうね」


「それに、パワードスーツという古代兵器は中々壊れ難いと言われてるからな。だが、現存する物は殆ど国が確保してるみたいだがな」


そうなんだ。でも、ランクの高い冒険者とかは持ってそう。


「装備も整った所だし、早速弾薬庫に向かうか。武器は何にしようかな?」


《PDA内にM63バルカン砲を確認。しかし、残弾が1024発ですが使用しますか?》


「あー、そう言えば毎分1000発ぐらいだったけかな?」


《はい。発射速度も毎分1000〜2000発まで変更可能です》


「取り敢えず1000発でお願い」


《了解です。毎分1000発に設定します》


PDAからM63バルカン砲を取り出す。すると、右下にM63バルカン砲と残弾1024発が表示される。


「よし、早速弾薬庫に向かうか。敵が待ち伏せしてるけど俺が露払いして行くよ」


そして弾薬庫に向かおうとする。しかし、それに待ったを掛ける奴が居た。


『待て!貴様、そのパワードスーツを何処で手に入れた!然も、第三の声が聞こえるのか!』


「第三の…声?何それ」


『第三の声とは、このパワードスーツに備わっている声の事だ。ただし、パワードスーツによっては何も聞こえない物も有るのだ』


それってさ……音声がミュートになってるだけじゃね?


「第三の声ね。エリスも第三の声って呼んだ方が良い?」


《拒否します》


そっか、別に良いんだけどね。しかし、誰が第三の声って言ったんだろう?


「第三の声ってさ、誰から聞いたの?」


『かつて我々が此の地にやって来た時に協力して貰った古代人から聞いたのだ。歴史書にもその様に記されてるから間違い無い』


それってさ……絶対面白半分で言っただけだろ。間違い無いよ。俺がその立場だったら同じ事やるもん。


「まあ何でもいいや。兎に角先に行こうか」


「そうね。もしシュウが無理だと判断したら、直ぐに逃げるのよ?良いわね」


「分かったよ。無理はしないさ」


こうして、俺達は弾薬庫に向かうのだった。


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― 新着の感想 ―
[一言] この先出てくるかもしれませんが、狭い艦内でパワードスーツを着ていても、しゅうの持つバレッタがあれば即しでは? 対戦車ライフルと言われたバレッタなら装甲車程度の草稿は軽く抜けますから。
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