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パワードスーツ用のバッテリー関係に関しては一先ず置いておく事にした。少なくともCランクになるまでは王都に残る予定だ。スピアもDランクには直ぐになる事が出来るだろう。そして秘密兵器を見せる為、王都から少し離れた森の中で戦車出して見せたら2人共一応は納得してくれた。

そして、本日はレッドベアー討伐に向かう。前回討伐出来なかったが、レッドベアー自体は別の場所に狩場を移していた様だ。そのまま放置すると危険なので討伐依頼が出ていた為、再度受けたのだった。


「それで今回目撃されたのが南の方だったわね」


「そうだな。さて、今回も俺の銃が火を噴くぜ」


M249軽機関銃を構えながら言う。いやはや、相変わらず素晴らしい銃だな。


「今回はシュウの出番は無いわよ。前回は私の華麗な戦闘を見せれなかったもの」


「えー、じゃあスピアとクロはどうすんだよ?」


「勿論私と一緒に戦って貰うわ。スピアは平気でしょうけどシュウの従魔のスライムは大丈夫なの?」


ローラは心配そうにクロを見る。確かにハタから見れば、只のスライムだからな。


「大丈夫だよ。俺と一緒にアンダーグランドに入ったし、敵に襲われても撃退したからな」


「プッキャ!プッキャ!」ポヨンポヨン


クロも気合充分な様だ。


「そう、なら大丈夫かしらね」


それから南の方へ暫く歩き続ける。


「確かこの辺りでレッドベアーが目撃されたんだよな」


森林があるが其処まで暗く無い。これなら不意を突かれる心配は無さそうだな。


「それでは私が偵察に行って参ります」


「分かった。頼んだよ」


スピアは一礼して消えて行った。


「相変わらず気配が無くなるのが凄いわね」


「いきなり背後から現れるからな。敵にだけでなくスピアにも注意せねばな!」


今度こそ驚かないぞ。逆に捕まえてやるぜ!


「馬鹿な事言ってないで周囲警戒しなさい」


ローラに注意されつつ警戒する。


(来いよスピア,俺の視界から逃れると思うなよ?そして逆に捕まえて色々ヤラシイ悪戯してやるぜ!)


全然警戒して無かった。いや、一応周囲に気を配ってるからあながち間違っては無いだろう。

全神経を使い周囲を見る。周りの音や気配に最大限神経を向ける。自身の心臓の鼓動がやけに大きく聞こえる。そして、背後に気配を感じた。


(そこだっ!!!)バッ!!!


そして其処に居たのは!


「プキュッ!」モグモグ


地面にいる昆虫を食べているクロが居たのだった。


「なんだ。ただのクロか」


残念である。しかし、また背後に気配を感じた。間違い無い…今度こそ!


「捕らえたぞ!!!」バッ!!!


「きゃあ!?」


其処にはローラが居た。そして、俺の手はローラの豊かな胸をガッチリ掴んでいた。


「なっ…なっ…なっ!」


ローラの顔が真っ赤に染まっていく。


「ん〜…落ち着けローラ。これは不幸な事故だ。分かるな?」モミモミ


「…ッ…ッ……」


俺の手は胸を揉んでしまう。ローラの反応は有るが反論は無い。つまり、大丈夫だな!


「俺の警戒心も馬鹿に出来ないだろ?つまりこの状況は、頑張ってる俺に対するご褒美な訳だ。良いね?」モミモミモミモミ


「………いつまで」


ローラから怒りのオーラが見える。しかし、揉む手が止まりません!


「いつまで胸を揉んでんのよー!!!この変態!!!」


その瞬間、ローラの右手が光りだす。まあ…分かってた事だけどさ。


「この感触に感謝してま「死ねええええ!!!」ぎゃああああああ!?!?」


俺の身体に凄まじい電撃が走る。決して恋に落ちたとかじゃ無いからな!


「もう、最低!変態!馬鹿シュウ!」


ローラの罵倒を聞きながら意識が遠くなるのだった。


……


side ローラ・ブルフォート


「全く!いきなり人の胸を揉むなんて。最低よ!」


私はシュウに電撃を喰らわせて気絶させた。このぐらいで済ませて上げるんだから、有難いと思いなさい!


「でも、スピアとは何処まで行ってるのかな?」


私は普段の2人の様子を思い出す。確かに主人と奴隷の立場だけど、そんな感じは余りしない。寧ろ仲の良い恋人?


「そ、そんな訳無いわよ。だって、サイレントラビットよ?」


私は自分に言い聞かせる様に呟く。けど、シュウは他の人達とは違う事を思い出す。それに、確か若い男女が一部屋に一緒にとか何とか言ってたし。


「ッ!やっぱり変態よ!」


そう罵倒するけど、私の心の中にシコリが出来たのは間違いなかった。


side out


目が覚めたらスピアが居た。しかし、何だろう。後頭部に感じる柔らかな感触は。どうやらヘルメットとフェイスガードは外されてる様だ。


「ご主人様、ご無事ですか?」


「まあ、何とか」


んー…ん?ローラが俺の側で立っていた。いや、立ってる訳では無い。


「よ、ようやく目を覚ましたわね。ほら、サッサとレッドベアーを討伐しに行くわよ」


ローラが動くと、俺は硬い地面に転がる。


「まさか、ローラの膝枕の感触なのか!何てこった!匂いとか感触とかしっかり味っておけば良かった!」


「ねえ、遺言はそれで良いのね?」バチバチバチ


この後直ぐに土下座した。まあ、反省も後悔もして無いがな!


「全く。ほら、行くわよ」


ローラが俺に手を差し伸べてくる。有難く握らせて頂きました。しかし、ローラはレッドベアーが見つかるまでずっと手を繋いだままだった。スピアは何も言わないがウサミミがピクピクしてる。多分イライラしてる動きだ。

この後レッドベアーを8体見つけたが、ローラの精霊魔法と電撃魔法にスピアの近接戦闘と銃の扱いにより瞬く間に敵が駆逐されたのだった。


「中々やりますね」


「あんたもやるじゃない」


何か2人共青春してて、ちょっと羨ましかったです。


「プキュ」ツンツン


「また今度頑張ろうな」


クロの出番が無かった為、代わりに遊んでやりました。


……


レッドベアーを瞬殺して、クロと戯れた後は王都に戻りギルドに向かう。そしてギルドの扉を開けると、冒険者達が俺達を見た後ヒソヒソと小声になっていた。何でだろ?


「今日も絶好調だったわね。明日は如何するの?」


「明日は休みで良いんじゃないかな?そう言えば、俺はもうCランクの試験が受けれるんじゃ無いかな?それにスピアも、後少しでDランクに上がれるかもな」


パーティとは言え、オーガやレッドベアー等の高ランクの魔物を討伐してたからな。


「なら明日はあんた達のランク上げになるのかしらね」


「取り敢えず受付で聞いてみるよ」


討伐部位を換金した後に、試験を受けれるか聞いてみる。すると、予想通り俺とスピアはランク上げ試験を受けれる様だった。なので受付嬢に試験を受ける事を伝える。そして明日試験を受けれるかと聞くと可能だと言われた。


「スピアも試験受ける?」


「はい。私もご主人様をお守りする為に受けます」


「いや、別に自分の為に受けて良いんだよ?」


気合が入ってるスピアに一応突っ込む。


「それでは、此方の方で試験内容を見繕っておきますね。明日の昼過ぎに来て下さい」


受付嬢からの指示を受けてからギルドを出る。


「ローラはCランク上げの試験内容は何だったんだ?」


「私?確か護衛の依頼だったわ。Cランクから商隊やお金持ちの護衛依頼が受注できる様になるのよ。だから基本は護衛依頼になる筈よ。ただ、相手に失礼な態度を取れば一生Cランクにはなれないわ」


「何で…あぁ、成る程。確かにお金持ちや貴族は権力持ってるもんな」


冒険者の1人や2人ぐらい社会的に抹殺出来るだろうしな。


「そういう事。まあ、シュウは何気に礼儀とか出来てるから大丈夫だと思うけどね。因みにスピアの試験は魔物を期日までに規定数討伐になる筈よ」


「俺の時もそうだったからな」


俺達は試験の内容を予想しながら帰路に着いたのだった。


……


翌日、ギルドに向かい試験内容を確認する。スピアは3日以内にコボルト、ゴブリンを合計50匹討伐する事。予想通りの内容だったからスピアも気が楽になっただろう。そして、俺の試験内容は護衛依頼では無かった。


「未探索地の偵察?及び成果を出す事?」


未探索地の偵察

期日:2週間

備考:古代兵器や古代の遺物を多数持って帰りギルドに提出。尚、現金での返金になります。


おいおい!これ俺がアンダーグランドに突入してたのがバレてるやないかーい!然も偵察の内容ちゃうや無いかーい!


「て、馬鹿野郎!こんな試験内容が有って堪るか!」


「そうよ!ちょっとギルドマスター呼びなさいよ!」


「ご主人様、半殺しにしてから無理矢理連れて来ましょうか?」


うん、スピアちゃんなら可能だろうね。ただ半殺しを通り越しちゃう気がする!


「この試験はギルドマスターが決めた事ですので。ただ、ここだけの話何ですけど。ウチのギルドマスターは貴族や王族との繋がりが有るとか。ですので反発せず辞退する事をお勧めします」


受付嬢は嫌悪感丸出しの表情をしながら小声で警告してくれた。


「未探索地ねぇ。場所は何処ですか?」


「ちょっとシュウ行く気なの!危険よ!」


「そうです!余りにも危険過ぎます!」


2人共声を大にして引き止める。だが、コレはチャンスだろう。


「ローラ、スピア聞いてくれ。未探索地ならバッテリーの充電装置が見つかるかも知れない。それに、防具服にRADディフェンダーも有るから大抵の放射能なら対処出来る」


「でも、危険過ぎるわ。未探索地に行った者達は毒の空気によって早死にしたりしてるわ」


「そうです。考え直して下さい。何なら私と試験を受けるのを辞めて…ひ、一つになりましょう」


「あんたね。恥ずかしがるぐらいなら言わなければ良いじゃない。それに、そんな事は断じて許しません」


「私がローラさんの意見に従うとでも?」


「何よ。ヤル気?」


「やれるものなら。どうぞ」


すんごい表情で睨み合うローラとスピア。俺の心配してるんだよね?


「兎に角大丈夫だから。それで場所は何処になりますか?」


「此方が地図になります。北の門を出て真っ直ぐ行きます。暫くすると右手に髑髏マークの看板が有りますので、それが目印になります。しかし、本当に行かれるのですか?」


受付嬢はローラとスピアを見てから俺に聞く。俺も2人を見るとまだ睨み合っていた。うん、怖いです。


「はい、行きます。ただ明日からでも大丈夫ですか?」


「大丈夫ですよ。では明日から未探索地の探索ですが、お気をつけて下さい」


こうして俺はランク上げ試験を受ける事にしたのだった。


(別に全部提出する必要は無いもんな。必要な物は貰ってしまおう。武器のスペアパーツも沢山有りそうだしな)


試験に落ちてもメリットは大きいので大丈夫さ。仮に落ちてもまた受ければ良いだけだしな。


「さて、今日は準備の為に買い物に行くかな。2人共…まだ睨み合ってるし」


2人共さっきより殺気が出てますよ?何つってな!


「また下らない事考えたでしょう」


「ご主人様」


「べ、別に考えて無いし!てか何で分かるんだよ!」


本当に女の勘は馬鹿に出来ないから困る。この後スピアは1人で魔物討伐に向かった。


「直ぐに終わらせてきます」


そう言ってギルドから出て行ったのだった。


「スピアなら心配は要らないわよ。それでシュウは如何するの?」


「今から明日に向けて準備するよ。テントとかはあるから食料と12.7㎜の弾を買って行くよ」


手持ちの銃の弾で12.7㎜の弾薬以外は揃ってるからな。


「なら早く買い物終わらせてショッピングじしょう。私まだ王都をしっかりと見てないもの」


この後、俺はローラと一緒に買い物に行く事にしたのだった。


……


12.7㎜の弾薬を買ってから王都を観光する。


「武器屋で古代兵器を見たけど、やっぱり高いわね。その、今この狙撃銃とハンドガンなんだけどさ。返した方が良い?」


「ん?別に返さなくて良いよ。俺が使うよりローラが使った方が良いだろう。それに、俺はミニミ軽機関銃とM16A4を使ってるからな。3つも4つも一気に使えないし」


ローラは少し申し訳無さそうな表情をする。確かに銃は高かった。アサルトライフルは金貨200枚以上してたし、スナイパーライフルも金貨80枚してるし。やはり銃の値段は高騰してるのだろう。


「それに、俺が使うよりローラに使われた方が銃も喜びそうだしな。俺が銃なら美人に使われたいし」


「何馬鹿な事言ってるのよ。まあ、ありがとう」


ちょっとだけ頬を染めるローラ。そんな甘酸っぱい空気になり始めた時だった。


「ローラ教官!やっと見つけた!それに、貴様!よくもあの時は逃げたな!」


其処には以前会った事のあるイケメンボーイがいた。


「あら、貴方どうして此処に?」


「急用が有ったんだ。ゴメンな」


「くっ、貴様と話すと調子の狂う」


えぇ、そんな事言うなよ。悲しくなっちゃうだろ?


「それよりローラ教官、まさか本当にこんな奴とパーティ組んでいるんですか?」


「ええ、そうよ。私はシュウとパーティ組んでるわ。でも、それに対して貴方から何かを言われる筋合いは無いわ」


「しかしローラ教官!噂話は聞いて無いですか?」


それからイケメンボーイは次々と噂話を言っていく。Aランク冒険者に寄生する低ランク野郎とか、高級奴隷を違法なやり方で手に入れたとか、キメラ・スネークの一員では無いかとか。


「はぁ、そんな冒険者が居るんだな。全く最低な奴だな!正しく恥知らずな奴だよ!」


「本当ね!楽に高ランクの冒険者に寄生出来る訳無いわ。その内ボロが出て殺されるわ」


「確かにな。それに、高級奴隷を違法なやり方で手に入れた時点で終わってるし」


「高級奴隷商人を敵に回すなんて。命知らずと言うより、ただの馬鹿ね」


あははは〜と笑う俺とローラ。その噂の主には同情する気にもならんわ。


「ッ!?き、貴様の事だ!シュウ・コートニー!!!」


その瞬間、俺と奴の間に一陣の風が吹いた。


「な、なん…だと…?嘘だろ…おい」


俺は膝を地面に落として空を見上げる。うん、良い天気だ。


「ちょっと!そんな根も葉も無い噂を誰が広めたのよ!」


「ローラ教官は騙されてるんです!だから其奴から離れて下さい!」


「そんな訳無いでしょう!私はね、シュウに助けられたのよ!あの時、私を助ける為にアンダーグランドに残ったのよ!あの絶望の中、シュウは諦めずに私と一緒に脱出と頑張ったんだから!」


ローラは声を大にして俺を擁護する。


「くっ、教官は騙されてます。だから俺が必ず目を覚まさせます!シュウ・コートニー!お前に決闘を申し込む!」


「え?断る」


イケメンボーイは目を見開く。まさか即答で拒否されるとは思わなかったのだろう。だが、考えてみて欲しい。もし決闘で銃を使えば高確率で相手を殺してしまうからな。


「怖気付いたか!やはり噂は本当だな!ローラ教官、こんな卑怯な奴と一緒に居ると「黙りなさい」…え?きょ、教官?」


「シュウ、例え周りが敵だらけだとしても私は味方だから」


「ローラたん…惚れてまうわ」


「……バカ」


イケメンボーイを無視して俺を気に掛けてくれるなんて。それに1人でも味方が居るのは嬉しい限りだ。


「くっ…教官。俺は、諦めませんよ。絶対に教官の目を覚まさせます!シュウ・コートニー、お前の様な奴には必ず天罰が下るだろう!」


イケメンボーイは捨て台詞を吐きながらな去って行った。


「今更だけど、レイスガーディアンズも王都に来てるのかな?」


「多分そうね。じゃなかったら、あの男は王都には来ないでしょうし」


「でもレイスガーディアンズはメイフィスに居るんじゃない?」


「なら個人で来たのかしら?まあ、何でも良いわ。兎に角此処から離れましょう」


俺は立ち上がりローラと一緒に歩き出す。それから王都観光を再開したのだった。


小話


「なあ、俺ってそんな非道な奴に見える?」


「その仮面を外せばかなりマシになる筈よ」


ですよねー。残念である。

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