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突然だが、俺は冒険者ギルドにて今いちゃもんを付けられている。先に準備が出来た為依頼を探しておこうと思ったんだが。


「大体お前の様な奴がAランクのローラさんとパーティ組んでるんだよ!何か弱みでも握って脅してるんだろ!」


「いや、弱みなんて握って無いよ」


「それにあの高級奴隷だってお前の様な奴が持てる筈が無いだろ!」


「俺も死に物狂いで頑張ったんだよ?」


違うと否定しても信じてもらえない。そして相手方は段々エスカレートして行く。


「今直ぐパーティを解散しろ。それからあの高級奴隷も解放しろ。じゃないと痛い目にあって貰うぞ?」


別の奴がそう言うと俺を囲い始める。


「無魔相手に多数で脅しに掛かるとは。さては、お前ら俺が怖いんだな?」


「な!何を言ってる!お前の様な無魔に怖がる必要は無い!」


「ジョシュ、彼奴の口車に乗るな。そうやって上手くやって来たんだろうが、俺は騙されんぞ」


「流石リーダーだぜ」


ちょっとドヤ顔になるリーダー。そして、そんなリーダーを褒める仲間達。


「それで、俺が応じなければどうすんの?まあ、応じる必要が無いけどな」


「ふっふっふっ。なら、我々が貴様を成敗してくれるわ!」


その瞬間、剣やナイフの柄を握る。俺もミニミ機関銃の銃口を向ける。


「人を撃った事はある。それに自身の身を守る為なら相手の犠牲は…致し方無いよな」


どんな人も撃ちたいとは思わない。だけど自身を守る為には必要なんだ。この世界の人の命は軽いからな。


「お、おい待てよ。俺達は剣を抜いて無いだろ?」


「俺も引鉄をを引いてないからセーフセーフ」


これっぽっちもセーフじゃ無い気がするけど大丈夫だろう。暫く睨み合いが続く。しかし、相手方が剣の柄を離す。


「お前ら、剣を離せ。シュウ・コートニー、貴様の悪行はいずれ世に知れ渡るだろう。その時は覚悟するんだな!正義は我々にあるのだからな!」


リーダーはそう言うと去って行く。それに追従して行く仲間達。


「なんだからなぁ。後で変な噂とか立てられそう」


いや、絶対立てるな。俺が相手側だったら絶対立てるもん。しかし、相手側の気持ちは分からんでもない。無魔である俺が絶世の美女と呼べる2人とパーティ組んでるからな。それは羨ましいし妬ましいだろう。


「でも有名税とは違う気がする」


別に俺は有名人じゃ無いしな。取り敢えず今の事は一旦横に置いておいて依頼を探すのだった。


……


あの後直ぐにローラ達は来た。しかし、俺の様子が可笑しい事に気付いたスピアは心配そうに側に寄って来る。正直フェイスガード越しなのに分かるスピアが凄いと思う。


「ご主人様、どうかされましたか?」


「いや、大した事じゃ無いよ」


別に俺は自分の風評については気にしないからな。


「それで何か依頼は見つけたの?」


「いや、まだ見つけて無い」


「あら?そうなの。なら今直ぐ決めましょう」


しかし手頃な依頼は見つからず。今回は街を冷やかしに行くかと思っていると声を掛けられた。


「もしかして、コートニーさんですか?」


「ん?あれ、まさかローレンツさんですか?」


其処には以前、バイクに乗せて王都まで送って行った魔導車両開発部所属のオーソン・ローレンツさんがいた。


「お久しぶりです!いやー、ようやく会えました。お礼をしたくても出来ませんでしたからね」


「普通会う機会は無いですからね」


「でしたら、今から家に来ませんか?勿論無理にとは言いませんが」


俺はローラとスピアを見る。


「私は別に良いわよ。今日は依頼がなさそうだし」


「私はご主人様に付いていきますので」


そうと決まれば話は早かった。俺達はローレンツさんの家に伺う事にしたのだった。


……


ローレンツさんの家に向かう途中で話をしていた。今は新型の魔導車の開発が行われているらしい。そしてローレンツさん自身は新しい別の設計図を書いてるとか。


「今は魔導車では無く、コートニーさんの持つ二輪車をモデルにして設計図を書いてるんです」


「へぇ、凄いですね。でも、バイクが市場に出れば結構売れると思いますよ。車より燃費は良さそうだし」


バイクは車重とか殆ど無いからな。強いて言うなら体重ぐらいだし。


「はい。後はエンジンの小型化が出来れば完璧ですからね」


今後の魔導車両の話をしながらローレンツさんの家に着いた。家は普通の住宅だ。強いて言うなら車庫が大きいぐらいだろう。


「特に何かがある訳では有りませんが、どうぞ中に」


「お邪魔します」


家は車の部品や模型が多数飾られていた。これはちょっとテンション上がるな!


「へぇ、この模型凄く細かく出来てるわね」


「確かに細部まで作り込まれてます」


「それは私が趣味で作ったんですよ」


ローラとスピアの言葉に嬉しそうに答えるローレンツさん。


「さて、コートニーさん。何かお礼がしたいんですけど何か出来る事はありますかね?あ、模型なら1つだけでしたら…」


模型をくれると言うが、ちょっと悲しそうな表情をするローレンツさん。別に取らないから大丈夫だよ。


「だったら、このバッテリーを充電出来ます?」


ダメ元でパワードスーツ用のバッテリーを見せる。


「これは、確かパワードスーツ用のバッテリーですね。珍しいのをお持ちで」


意外にもバッテリーの事を知っていた。


「このバッテリーは開発部の研究材料にもなってるんですよ。かなりのエネルギーを保存出来て、長持ちするのでね。それで充電ですが、かなり時間が掛かります。それに雷系の魔力を使います」


「あー、やっぱり厳しいですかね」


「そうですね。私のガレージに置いてある充電装置は魔導車両の魔石を充電する為の物ですから」


やはり簡単に話は進みそうに無いな。


「ですが、魔石充電装置のモデルはパワードスーツ用のバッテリー充電装置です。ですので古代遺跡や古代の軍事施設にはあると思います」


「それは分かりますが、軍事施設なら国が調べ尽くしたのでは?」


しかしローレンツさんは首を横に振るう。


「確かに各国の軍は古代の軍事施設に行きました。そして、毒の空気や防衛装置によって多数の犠牲を出して得たのが僅かな戦利品だったそうです。具体的な物は公開されてませんが、恐らく犠牲に見合わなかったと思います。勿論中には手付かずの古代兵器を手に入れたのも有るでしょう」


「因みに近場に軍事施設は有りますか?毒の空気があっても構いません」


「ちょっと待ちなさい!それは危険よ!」


「ご主人様…」


ローラとスピアが心配する。それはそうだろう。放射能に態々突っ込に行くのだからな。


「確かに危険だ。だけど大丈夫!俺には秘密兵器が有るからな!」


秘密兵器とは戦車ロトに耐放射能防具服だ。この装備があれば放射能に対して多少は対処出来る。


「そんなに心配すんなよ。後でキチンと説明するからさ。それでローレンツさん、未探索の軍事施設の場所を教えて下さい」


「とても危険ですよ?それでも聞くんですか?」


俺は静かに頷く。ローレンツさんは溜息を吐きながら未探索の軍事施設の場所を教えてくれた。全部で三ヶ所。聖エルガー教国に二ヶ所、サムラ共和国に一ヶ所だ。詳細な場所も地図で教えて貰えたので迷う事は無いだろう。


「ローレンツさん、ありがとうございます」


「正直これがお礼になるとは思えないのですが。コートニーさんが納得してるなら私からは何も言えません。ただ、無理はしないで下さい」


俺達はローレンツさんに感謝しながら別れたのだった。


「ねえ、本当に大丈夫なの?秘密兵器が有るとか言ってたけど」


「実際に見せた方が早いかな?ただ、今日はもう遅いから明日見せるよ」


PDAで時間を確認すると17:00を示していた。


「さて、先に晩御飯にしよう。スピアはオススメのお店の場所知ってる?」


「はい、彼方の方に肉料理が絶品との事です。その向かいの店はバイキング形式になります」


「だったらバイキングの方にしましょう!ね?良いでしょう?」


「プッキャ!プッキャ!」


ローラとクロはバイキングに行きたい様だ。ならバイキングにしようか。


「じゃあバイキングのお店に案内してくれ」


「畏まりました。此方です」


こうして俺達は一旦食事を取ることにしたのだった。


小話


食事を終えて宿に戻ってからローラとスピアを部屋に呼んだ。


「秘密兵器の一つを紹介しよう!ジャジャン!耐放射能防具服です!」


「唯の動き難い防具じゃない」


「そんな事無いよ?放射能から身を守ってくれるのさ。確かに動き難いのは事実だけどね」


「それで敵に囲まれたらどうするの?」


「んー…逃げます」


「そんなの着て逃げれる訳無いでしょう!」


「ご主人様、私は心配です」


この後説明するも2人共納得はせず。寧ろ余計に心配させてしまいました。


「もう一つの秘密兵器を見たら安心するから!」


「それでも危険よ!」


「そうです。一度私と寝て考え直しましょう」


「そうよ、スピアと寝て…て、ちょっとアンタ!何抜け駆けしようとしてるのよ!」


「私はご主人様の奴隷です。ご主人様に尽くすのが私の務めです!」


この後2人共キャットファイトしてしまう。それを止める為…いや、正直に言うよ。俺も混ざる為に止める振りをして突入した。そして予想通りにくんずほずれずの状態になった。柔らかな巨乳やとてもイイ香りで最高だぜ!?


(我が策に死角無し)キリッ


しかし余計に騒がしくなり、宿の店主に怒られました。

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