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考えてみたら外出部隊が全滅したと書いてあった。つまり、このシェルターには食料が無い状態な訳だ。
「え?マジでヤバく無い?」
キッチンとかも見たが何も無く綺麗な物だった。
更に地下を探そうとしたが水没していた為探索を断念する。
1階に戻り発電機の扉を見つけ開けたのだが。
ジ…ジジ……ジジジジ……
PDAから嫌な音がした。どうやらこのPDAには放射能探知が備わっているみたいだな。発電機自体の部屋の床も水浸しになっており、然も発電機から怪しい音が響いていた。かなり危険な状況だ。いつ発電機が止まるか分からん。
取り敢えず出口に繋がるだろう頑丈な扉を見つけたりすぐ隣に開閉用のスイッチもある。
「取り敢えず外に出よう!そうすれば何とかなる筈!」
外への扉を開放する。重圧な扉がゆっくりと開かれる。太陽の光は無かったけど扉は開いた。俺はシールドとニューナンブM60を装備して扉の外へ向かう。その先に光が漏れていた。
「間違い無い!彼処が出口だ!」
俺は木でできたバリケードを退かして外の世界に足を踏み入れたのだった。
……
と思ったが一端戻りました。いやね、外の世界は森、森、森だらけ。いきなりサバイバル?無理無理、少し様子を見よう。幸い水はあるから多少の飢えは凌げる訳だからな。
一端落ち着いてから外の情報が無いか再度探索した。しかし何も無かった。
「本当っっっに何にもねえ!何だコリャあ!有るのは銃とシールドとサバイバルナイフ!あとその他、どうすんだよコレ?」
暫く考える。だが遅かれ早かれ危険を覚悟で外に行くしかないだろう。だって食料が無いんだよ?
「そもそもサバイバルなんて、無理だよ」
途方に暮れ暫くうな垂れていると物音が聞こえた。然も多数だ!
「な、何で?あ、扉開けっぱなしだ」
発電機がヤバそうだったから開けっぱなしにしたのがダメだったみたいだ。
「兎に角様子を見に行こう。もしかしたら人かも知れんしな」
シールドとニューナンブM60を構えて扉に向かう。
扉の所には緑色の子供くらいの背丈の奴がいた。しかし、見た目はかなりキモイ。
「何あれ、ゴブリンって奴か?え?ここファンタジーな場所だっけ?」
如何見ても友好的では無いし話も通じなさそう。しかし、万が一の事もある。俺はシールドとニューナンブM60を構えて近づく。
「ッ!ギャギャ!ギャギギギガキャ!」
「あ、ダメこりゃ。敵意しか無いわ」
しかし俺は撃てるのだろうか?人に近い形をしてる訳だからな。だが連中はお構い無しに突っ込んでくる。連中は俺を殺しに来る。だから自分な身を守る為に引き金を引いた。
「グギャッ!」
頭に当たりアッサリ倒れた。俺は冷静のまま一体一体の頭に照準を当て撃つ。弾が切れたらスピードローターでリロードして撃つ。後から気付いたがこのPDAには戦闘補助機能が働いて態々スピードローターに弾込めしてくれていたのだ。
こうして俺は10体以上のゴブリンを近寄らせること無く仕留めれたのだった。
……
「如何考えてもこのPDAのお陰としか思えん」
俺の様な戦闘経験の無い奴が、いきなり実戦に巻き込まれても冷静に戦えた時点で可笑しいのだ。だがこれだけは言える。
「お前に助けられたのも事実だしな。よし!行くか。このままウジウジしてたら、このPDAに愛想をつかれちまうからな」
ゴブリンの死体を回収しようとしたらPDAに項目が出だ。全て回収するか、魔石のみ回収するかと表示が出て来る。
「魔石?やっぱりファンタジー系なのか?それにしてはファンタジーとは無縁な場所だけどさ」
俺はPDAを暫く見つめ溜息を吐いた。取り敢えず死体は全て回収する事にした。よく分からないから全て回収しておく。因みにPDAの項目にもゴブリンの死体と出てた。
改めて外に向かう。今度は戻るつもりは無い。木のバリケードの横に白骨死体がある。その死体の横の壁に文字が書かれていた。
”生き残れ! byシュウ・コートニー”
「そう言えば自分の名前が思い出せ無いな。よし!その名前借りてくぜ?」
こうして決意も覚悟も無い状態で俺の旅が始まった。外の世界に何があるか分からない。しかし、俺は生きる為に足を踏み入れたのだった。




