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今はもう深夜になる。やはり不安もあり中々寝付けそうに無かった。


「はぁ、大丈夫だと言うけどな」


この屋敷は鉄柵だけで無く結界も張られている為安心出来るらしい。目に見える訳では無いが敵意ある者からの侵入を防げるらしい。それに見回りもやってるのだから。


「この辺はハイテクだよな。敵意で判断するとか凄すぎだろ?」


大丈夫だと自分に言い聞かせる様に言うが、それでも不安はある。仕方無く少し庭を歩く事にする。気分転換すれば気が晴れるだろうからな。


side サッチ


「さて皆さん、そろそろ突入ですよ。結界が有りますが…まあ、大丈夫でしょう。強行突入して行きますからね。この作戦は時間との勝負になります」


私は部下達に語り掛ける。全員静かに聞いてる様で何よりですね。


「それでは結界に穴を開けましょうか。私のモットーは静かに、そして素早く終わらせる。コレがベストです。『闇より侵食せよ シャドウクロンチメント』」


私は結界に手をかざしながら魔法を唱えます。すると如何でしょう?あんなに綺麗で高価な結界に、綺麗な穴が開いたでは有りませんか。


「それでは皆さん突入」


その瞬間全員が静かに侵入して行きます。


「さて、後はルピノ・ウィリスの確保ですかね」


本当ならサイレントラビットを捕らえたいのですが、いかんせん私は近接戦闘は嫌いなのでね。確実に捕らえれる方を選ばせて貰いましょう。私は闇魔法で闇に溶け込みながら侵入したのでした。


side out


何と無く嫌な予感はしていた。それが気の所為かだと思っていた。


「ん?…人影」


暗くてよく見えなかったが、一瞬人影が見えた気がした。俺はライトを付け庭を見て見る。しかし、特に何かが見えた訳では無かった。


「気の所為か?」


暫くライトを動かし周りを見る。そしてゆっくり庭の中を歩く。その時ふと思った。


(映画とかだと背後に敵が居るんだよな)


それで何となく振り返ると、フードを被った奴が居た。


「マジかよ!?」


M16A4を敵に向けて発砲する。何発か命中して黒尽めの奴は呻き声を出しながら倒れる。しかし、次の瞬間俺に向けて魔法が多数飛んでくる。


「うわあああ!?これ無理無理!死んでまうわ!?」


必死来いて逃げる。え?反撃しないのかって?敵が何処に居るかよく分かりません!しかし、銃声や魔法攻撃の音により護衛の人達も此方に来る。


「何の音だ!?」


「て、敵だ!?総員戦闘態勢!!」


「ウィリス様を守れ!急げ!」


次々と護衛の人達は来る。そして、黒フードと護衛達の戦いが始まった。


「うへぇ。映画も馬鹿に出来んな」


物陰に隠れながらリロードしながらボヤく。それにM16A4はUMPより威力、貫通力が段違いだから戦い易くて良い。

しかし、クロを連れて来なかったのは厳しい所だ。敵と護衛達では敵の方が強い。魔法の威力、連射、防御どれを取っても敵の方が上だし。


「クソ!こっちに来んな!」


M16A4を撃ちまくる。近距離だと結構貫通してくれる。


「クッ!あの無魔に対し集中攻撃!放てえええ!」


「うえ!?ちょっとやめて!」


俺は速攻で屋敷内に退避する。そして爆音。後ろを振り返ると、さっきまで居た場所は粉々になってる。


「何あれ…RPGとか持ってんの?」


魔法強過ぎ!


「それでもやるしか無いだろ!!」


走りながら射撃する。他の護衛達も敵と戦っているが劣勢だ。敵の方が連携や動きが速いのだ。間違い無く手練れだろう。更に、魔法を使う時呪文を唱えて無い。所謂無詠唱と言うやつだ。護衛達が詠唱しようとすると邪魔するように魔法を放って来るのだ。しかも威力は高い。


「あの古代兵器持ちを黙らせろ!」


敵の誰かが叫ぶ。なら俺はそっちの方に撃ちまくる。そのお返しと言わんばかりの魔法が飛んで来る。


「逃がさんぞ」


「ッ!なんかヤバそうなのが来やがった!」


そいつはナイフを両手に持ち突っ込んで来る。M16A4で倒そうにも避けられたり、防御魔法により弾かれる。


「仕留める!」


そいつは一気に飛び掛かり俺のM16A4を蹴飛ばす。そして、そのまま俺に伸し掛かる。


「覚悟!」


「くそっ!」


俺は敵の腕を掴み耐える。しかし、敵は身体強化を使いそのままナイフを押し込む。俺はナイフをフェイスガードで防ぐ。そして敵を一気に此方に引き込む。ナイフはフェイスガードを貫けない。そして突然引き込まれた敵は、俺に抱き着く形になる。その状態からM92を取り出し撃ちまくった。

鈍い銃声が何回か響く。その瞬間敵の身体が硬直する。そして、相手はゆっくりと倒れた。


「ハアッ!ハアッ!ハアッ!ヤバかった。後少し判断が遅かったら」


間違い無く死んでいたのは俺だ。俺は死体を一瞥して周りを見る。様々な魔法や怒声が飛び交う。敵も味方も乱戦状態になってる。一体何故そこまでして戦うのか。俺はM16A4を構え直し照準を当てながら敵を狙おうとする。すると、メイド服がチラリと見えた…気がした。

乱戦の中をよ〜く見ると、スピアさんが敵の首を斬りまくっていた。蹴りや拳などの体術は勿論のこと、M92も使ったりしてる。更に身体強化もしてるのだろう、敵が普通に吹っ飛んでる。首を斬り落とせば首が宙を飛ぶ。そう、丁度俺の目の前に飛んで来た様に。


ドチャッ


生首とバッチリ目が合ってしまった。


「あ…な、なんかゴメンなさい」


グロ系の対処は俺には難しい様だった。


side サッチ


「ぐあ!…ウィリス…様、お逃げ…下さい」


「やれやれ、やはり使えない部下はとことん使えない訳ですか。あれ程静かにやる様にと言った矢先にこの騒ぎですからね」


「貴様は…何者だ」


私は無能な元隊長を始末した後、ウィリスの身柄確保に成功した。


「それを知る必要は有りませんよ。さあ、一緒に来て頂きましょう。手足を失いたくは無いでしょう?」


私はウィリスを説得する。コレはスムーズに事を進めるのにピッタリなんですよ。


私がウィリスに近付くと、もう一つの気配をドアの向こうに感じた。しかし、この気配は。


ガチャ ギイイィィ


ドアがゆっくりと開かれる。そして、スライムが1体いた訳ですが。


「何です?この低クラスの魔物は?」


「プ!プキャ!!」ポヨンポヨン


何やら跳ねてる様ですが、威嚇か何かですかね?


「邪魔です」


私は闇魔法を放ちスライムを消します。さて、後はウィリスを回収して撤退です。幸い部下が騒ぎを起こしたので、それを利用しま「プ?」…何?

先程のスライムが何故かまだ生きています。可笑しいですね、確かに当てた筈でしたが。


「まぁ、良いでしょう。コレで消えなさい」


強めの闇魔法放ちスライムを消します。さて、今度こそ「プ?」…は?其処には先程のスライムが居ました。


「ク…ククク。此処までコケにする低クラスの魔物は初めて見ましたよ。『闇の力よ、その者を包み込め シャドウホール』」


この魔法は一見地味に見えて強力な物です。闇魔法独特なものですが、対象を包み込み握り潰す。後は肉団子が出来るだけですね。


「さて、たかがスライムに構ってる暇は有りませんからね。さあ、ウィリス様ご同行を「プ?」…え?」


バ…バカな。さっきシャドウホールが直撃した筈?


「プー…プキャ!」


ジャキン!ジャキン! シャラン シャラン


スライムから触手が出たと思えば…何ですかあれは!古代兵器にナイフまで有るじゃ無いですか!?


「プキャー!!!」


「ッ!不味い!?」


銃口から火が出た瞬間、私は転移魔法を使い離脱します。と言っても、結界が張られてる為私が最初に開けた穴までしか転移出来ませんでしたが。


「作戦失敗ですか」


それより、私の魔法が完全に無効化されてた事がショックでしたがね。しかもスライム相手に逃げるとは。


「主人には正攻法で行く事を進めときましょう」


私が出来るのはこの助言を伝える事ぐらいですしね。そう呟きながら闇の中に溶け込みます。幾ら権力が有るからと言っても、流石にこの騒ぎでは警備隊が来るでしょうからね。


side out


乱戦が始まるとスピアさんの独壇場だった。暗闇に紛れてるから余計に捕捉出来ないから、敵からしたら堪ったものでは無いだろう。そして敵の抵抗は無くなり、立っているのはスピアさんだけだった。ライトを当てると…血塗れです。


「ス、スピアさん。大丈夫ですか?怪我とかしてません?」


「はい、大丈夫でございます」


どうやら平気な様だ。しかし、凄かったなぁ。


「いやー!凄かったですよ!まるでCG映画みたいにカッコ良かったですよ!」


ワイヤーアクション顔負けの動きで凄かったなぁ。


「カッコ…良かったですか?」


「はい!凄くカッコ良いですよ!ち、因みに…俺にも今の動きとか出来ますかね?」


暫くスピアさんに質問していたが、残念そうに苦笑いしていた。まあ、無理なのは知ってましたけどね。


「そう言えば、ウィリスさんは大丈夫かな?」


「ッ!今すぐウィリス様の元に行きましょう!」


俺達はウィリスさんの執務室まで走る。そして、執務室まで来てドアを開ける。


「ウィリス様!ご無事ですか!」


ウィリスさんは無事だった。と言うか、クロに向かって水晶を当てていた。


「おお、スピアにコートニー君か。私は大丈夫だったよ。君の従魔に救われたのだ」


「プッキュ!プッキュ!」


何と!クロがウィリスさんを守ってくれたらしい。偉いぞ!


「それよりだ。コートニー君このスライムだがね、【闇の女神の加護】が付いていたよ」


「闇の女神の加護ですか?…それは何ですか?」


「コートニー様は加護をご存知ですか?」


俺は首を横に振るう。するとスピアさんが説明してくれた。

加護とは、火、水、雷、氷、土、光、闇、無の各属性に神様が宿ってると言われてる。普通は【精霊の加護】か、唯の【加護】の何方かが付く。だが、【女神の加護】は滅多に付く事は無い。そもそも、女神や神様には限りがある訳だから少ないのは当然だ。


「つまり、クロに【女神の加護】が付いてるのは凄いと?」


「凄いもんじゃ無いよ。女神、神様と付いてる事はその属性そのものの加護が付いてるのだ。つまり君のスライムは、闇魔法を完全に無効化する事が出来る訳だ」


え?闇属性に対して無敵状態ですか?凄いなそれは!


「プッキャ!プッキャ!」ポヨンポヨン


「ん?おお!良くウィリスさんを守ったな!偉いぞクロ!それにお前は何か凄く強いらしいぞ?」


「プキュ〜」スリスリ


んー、良く分かって無さそうだな。まあ、ゆっくり教えて行こう。


「兎に角、この事は誰にも言わない方が良いだろう。それと他の属性には対処出来ないから気をつける様に」


「分かりました。所で、これからどうします?」


敵の襲撃は沈静化出来ただろう。後は暫く警戒するぐらいかな?


「うむ、敵がまだ来る可能性は高い。しかし、無闇に動く訳にも行くまい。それに警備隊も来た様だしな」


外を見ると鎧姿の集団が居た。


「やれやれ、遅いご到着な訳か。ま、別に良いけどさ。俺は暫く警戒しておきますよ」


「すまんなコートニー君。こんな事に巻き込んでしまって」


「気にしないで下さい。それでは見回りして来ます」


俺はクロを連れて見回りをする。すると、背後にスピアさんが居た。


「あれ?スピアさんはウィリスさんの側に居た方が良いのでは?」


「今の私はコートニー様の専属メイドになっておりますので」


「いや、それでもウィリスさんの側に居た方が良いのでは?」


「ご安心下さい。護衛の方は他にも居りますので」


それでもウィリスさんが心配だろうに。


「じゃあ、ウィリスさんの周辺を見回りましょうか」


俺はそう言うと書斎の近くをうろつくのだった。


……


「しかし、クロの奴が凄い加護の持ち主だったとはな。初めて見た時はちょっと賢いスライムかと思ったよ」


「因みにどの様な出会いで?」


「俺が銃でスライムを倒し終えたら、後から来たんですよ。そして銃を向けるとビビったんだよね。それで、此奴は銃が何か分かってるんだなぁと思ったんですよ」


俺の頭の上で寝てるクロ。流石に今日は疲れたかな?


「やはり加護の影響で知能が上がってたのでしょうか?」


「さあね。ただ最初は灰色だったんだよね。それから暫くアンダーグランドに入ってたら黒くなったんだよ」


俺はクロを腕に抱き撫でる。うん、スベスベしてて気持ちいいな。


「普通ならスライムは従魔には出来ないでしょうし、しないでしょう。それでも従魔したのは何故です?」


「うーん、普通なら一緒にスライム同士行動するでしょう?でも、此奴は一歩離れてたんですよ。もしかしたらさ…寂しかったのかも知れないからさ」


なら、俺が一緒に居てやろう。俺も独りだからな。暫くクロを撫で続ける。時々動くが抵抗は無い。庭には警備隊の人達が居るから少し騒がしい。それでも月は俺達を照らしてる。


「クロは幸せ者ですね」


スピアさんは呟く。しかし、少し寂しそうな雰囲気がある。


「そうかな?結構無茶させる時もあるしな」


「いえ、コートニー様の腕の中で安心して寝てる事が何よりの証拠です」


スピアさんはクロを見つめる。そう言えば、サイレントラビットは迫害されてたっけ?


「スピアさん。俺の胸ならいつでも貸しますよ!さあ!バッチこい!」


クロを左腕に納めながら言う。まあ、スルーされるだろうけどね。


「では、失礼します」


スピアさんは俺にもたれ掛かる。


「は、はい!バッチこいです!」


この後の展開は良く覚えてない。ただ、柔らかな髪の感触や仄かに香る良い匂いは間違い無く本物な訳で…まあ、静かに受け入れるさ。お互い沈黙する。しかし、決して気不味い雰囲気は無く暖かな雰囲気は有ったのは間違い無かった。

残念だったな!チート持ちはクロだよ!←

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