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俺とクロ、護衛の人達は死傷者を出しつつ敵に対処していた。そんな中スピアさんは敵を圧倒していた。まず敵はスピアさんを捕捉出来ていない。そもそも俺もスピアさんが何処にいるのかよく分かっていない。強いて言うなら敵が悲鳴を上げた所に居るのだろう。


「くっ…こうなればルピノ・ウィリスだけでも確保しろ!」


黒いフードの連中はウィリスさんに一斉に近づいて行く。


「ウィリス様を護れ!!何としてでもだ!!」


護衛の人達もボロボロになりながらも、ウィリスさんを護ろうとする。


「近付かせるか!クロ!遠慮はするな!交互に撃ちまくるぞ!」


「プギャ!!」


俺とクロもウィリスさんを守る為にUMPで敵を撃ちまくる。敵も防御魔法を使いつつ攻撃してくるが、火力の低下は否め無い。更にスピアさんが回り込み首と胴体を泣き別れさせていく。それでも敵は徐々に包囲を狭めて行く。何より護衛の人達が大分やられてしまっていた。


(これは、ちょっとヤバく無いか?)


多勢に無勢。クロと交互にUMPを撃ってるし、更にモスバーグM500も使ってるから距離は保てているが時間の問題だ。


「コートニー様、お願いがございます」


いつの間にか俺の背後にスピアさんが居た。


「ウィリス様を連れて屋敷まで逃げて下さい」


「それは構わ無いけど。スピアさんは如何するの?」


「私は大丈夫です。さあウィリス様、コートニー様と逃げて下さい」


「分かった。コートニー君、宜しく頼む」


俺はスピアさんをもう一度見る。すると、


「ご安心下さい。私も直ぐに屋敷に向かいますので」


スピアさんは軽く笑顔になりながら言ったのだった。


「…分かりました。スピアさん、サバイバルナイフとM92使います?」


「頂きます」


俺はサバイバルナイフとM92、更に予備弾倉を5つ渡す。

そしてバイクを出しエンジンを掛ける。


キュルルル ヴオオオオオン!!!


「さあ、ウィリスさん。ヘルメットを被って!行きますよ!」


「うむ。スピア、死ぬんじゃ無いぞ」


「畏まりました」


そう言うとスピアさんは気配を消して敵に突っ込んで行く。しかし、護衛の人達は如何する?見捨てるのか?


「クロ、あの人達が逃げれる様に助けてやってくれ」


「プキャ!」ポヨン


クロは俺の命令を聞き護衛の人達の所に向かおうとする。


「クロ!お前にもう一丁のUMPを渡す。弾薬も気にするな!上手く使えよ。良いな?」


「プッキャ!」


クロはUMPを二丁構えながら護衛の人達の所に向かって行く。


「ウィリスさん。行きますよ!しっかり捕まってて下さい!」


「お手柔らかに頼むよ?」


そいつは無理な相談だな!


「では、行きます!!」


俺はバイクのアクセルを回し敵に突っ込む。そして、突っ込みながらUMPで撃ちまくる。


「ウィリスさん!屋敷は何方ですか!」


「み、右に曲がってくれ!」


言われた通り右に曲がる。しかし、馬車やら人やらで速く走れそうに無い。その間に敵は迫って来る。


「仕方無いか。ウィリスさん!裏道走って相手を撒きます!」


俺はそう言うとバイクを裏道に走らせる。木箱やらゴミ箱が吹き飛ぶが無視する。しかし、相手も追いかけて来る。なんて連中だ、裏道走ってるからスピードは出せんがバイクに追い付くとか信じられんな。

目の前に影が走る。黒いフードの奴が此方に杖を向ける。俺はUMPを撃ちまくり牽制する。敵は慌てた様子で横道に逃げる。俺はそのまま走り抜く途中で、敵に向けて撃つ。当たったか如何かは確認する暇も無く走り抜けた。更に敵は上から魔法を打ち込んで来る。バイク一気に減速させ攻撃を回避しながら左の路地に入る。しかし、この辺りは入り組み過ぎて地理がよく分からない。


「何とか大通りに出れれば良いんだけどな!」


今は兎に角逃げるしか無い。


俺は裏路地を出来る限り速く走って行った。


……


side スピア


コートニー様がウィリス様を連れて、屋敷まで逃げてくれているので此方は安心出来ます。これで、気兼ね無く敵を殲滅出来ます。


「いえ、1人ぐらいは確保しましょう。情報を吐かせなければいけませんので」


私はサバイバルナイフとM92…でしたね、この2つを構えながら敵に忍び寄ります。本来ならこの様に簡単に出来る事では有りません。しかし、護衛達の方から銃声が鳴り響いています。


「プキャキャキャ!!プキャキャキャ!!」


コートニー様の従魔のお陰で、敵の目を引き付けて頂いてるのでスムーズに接近出来ました。


「さて、黒い方は1人残せば良いでしょう」


私はそう呟き品性を感じない方達を始末して行きます。


「あ?」「え?…」「ん?なん……」「あれ?れれれ…」「は…え?」


気付かれずに次々と首と胴体を泣き別れにして行きます。


「ッ!?何やってる!サイレントラビットが其処に居るぞ!!」


流石に気付かれましたね。しかし、それが如何かしましたか?私はM92とサバイバルナイフに体術を使い更に始末して行きます。それにしても、M92は中々使い勝手が良いですね。音が出てしまうのが少々難点ですが。


「クックックッ。貴様がサイレントラビットか。凄まじい力だ。正にその力は我々にとって必要になるだろう」


何やらブツブツ喋ってる黒い方が居ますね。まあ、無視して周りを消しますが。


「さて、サイレントラビットよ。この俺ルドルフ様が相手に「失礼。トン!←首トン」ガフッ!…ば、バカな」


取り敢えず確保しましたので、後は全て消しましょう。それにコートニー様も心配でありますし。


「クソ!サイレントラビットが。忌まわしき裏切りの存在が!!貴様の様な奴は大人しく捕まってれば良かったものを!?」


残り数人の黒い方の1人がそう呟きます。


「遺言はそれで宜しかったでしょうか?」


「忌まわしき存在は消えて無くなれ!?」


黒い方は古代兵器を懐から出そうとします。


「プキャ!」


次の瞬間、従魔のクロがマシンガンを2丁持ちながら撃ちまくります。そして次々と黒い方達は倒れて行きます。しかし、中には防御魔法を展開する者も居ます。なので私は背後に回り込み首を切断して行きます。

尋問用の1人を残して全ての敵を殲滅出来ました。後はこの1人を護衛の人達に任せます。しかし防御魔法を展開するなら、同時進行で攻撃魔法を出来なければ意味は有りませんよ?まあ、此方は楽に殲滅出来ましたから良いのですが。


「さて、貴方はクロですね。これからどうします?」


「プ?…プキャ!」ポヨン ポヨン


クロは護衛の人達の所に向かいます。恐らくコートニー様から言われた事を守るのでしょう。


「私も一旦屋敷に戻りましょう。それで居なければ探しに行けば良いでしょう」


そうと決まれば屋敷に向かいます。恐らくですが、コートニー様なら無事にウィリス様を連れて屋敷まで連れて来られるでしょう。私はそう思いながら屋敷に向かいました。

私はコートニー様に対して、いつの間にか信頼を寄せていました。いつから?と聞かれれば、きっと、あの人が盗賊を撃ち抜いた時でしょうか。…いいえ、違いますね。

サイレントラビットとして、裏切りの象徴としての私の存在を否定しなかったからだと思います。だから、私にとって少し特別な人なのかも知れませんね。


side out


side シュウ


バイクで走りながら、UMPで敵を倒して行く。敵もバイクの速度に追いつけず苦戦してる。


「良し!これなら逃げ切れるぞ!ウィリスさん、一旦表の通りに出ます。其処から指示をお願いします!」


「うむ、分かった。しかし、君も中々無茶をするものだ。私も若い頃はそれなりに無茶をしたものさ」


ウィリスさんは何やら昔話を語り出す。


「あの時もこうして妻の手を握りながら逃げてたなぁ。いやはや、久々に昔を思い出したら懐かしくなってきたよ」


「じゃあ、食事の時にお話しをお願いしますよ!敵はまだ追ってきてますから!」


バイクを大通りに向けて走らせる。このまま行けば大通りに出れる筈だ。しかし、敵も馬鹿では無い。俺の走ってる道の前に立ち塞がる。そして杖を此方に向ける。


「貴様等だけは絶対に逃すか!!敵を滅せよ!ファイアーアロー!!」


敵の魔法が此方に真っ直ぐに飛んでくる。俺はアクセルを回した後、両手をハンドルから離しウィリスさんを抱き抱えながら飛び降りる。バイクはそのまま敵に突っ込んで行く。バイクにファイアーアローが直撃するも、敵にそのまま突っ込んで行く。


「何!ぐあっ!?」


バイクに体当たりされた敵は吹き飛ばされる。バイクも敵を巻き込みながら横転する。俺は倒れた敵にM92の銃口を向ける。


「お前達は何者だ?何故スピアさんとウィリスさんを狙う!」


「くっ…無魔と侮ったツケか」


そう呟くと、敵は懐から小瓶を取り出しに入った液体を飲む。て、それ毒じゃん!


「待て!飲むな!?」


「我等の主人に……抵抗した報いを……受け…ゴハッ…あ……」


敵はそう言って死んだ。


「チッ!ウィリスさん逃げますよ!幸いバイクは動きますから!」


尤も、ライトの部分から上のボディが吹き飛んでるけどね。


「分かった。しかし、私の若い頃もこんな感じの事をだな…」


分かったから昔話は後にしてくれ!


「では行きます!」


バイクを走らせる。そして、屋敷までかっ飛ばしたのだった。

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