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「う…頭痛い……はっ!ローラ!無事か?」


「ん…んん…」


如何やら気絶してるだけの様だな。取り敢えず周りを見渡す。其処は何も無い唯の洞窟だった。だが、まだ線路は続いていた。


「何とか化け物共を撒いた様だな。しかし、この先如何しようかね」


このまま此処で死ぬのかな?それは流石に勘弁願いたいものだ。PDAから身体状態を調べる。すると尻にダメージがあった。


「また尻かよ!勘弁してよ」


今度はポーションを飲んでおく。尻にも効果あるのかな?ローラは暫く目を覚ましそうに無い為、先に探索する。しかし、この通路は大勢の人達が掘ったのだろうな。

更に奥を歩く。そして丁度右に曲がるルートと真っ直ぐに進むルートがある。特に考える事なく右に曲がる。ライトを当てながら先に進むと、人影が見えた。


「ッ!敵か!いや…アレは!?マジか!?」


あの鋼鉄の人型は間違いない。こんな場所で見つかるなんて信じられない。だが、この時ばかりは信じてない神様に感謝したい所だ。


「まさか、本物のパワードスーツなのか!」


俺は幸運にもパワードスーツを見つけたのだった。


……


パワードスーツはほぼ完璧な状態だった。スペアパーツや予備フレームもあり最高だった。更にパワードスーツ専用武器も見つけたのだ。


M05A4パワードスーツ

重装甲とパワーをメインに置かれたパワードスーツ


M63バルカン6連装タイプ

装弾数2500発

12.7㎜×99NATO弾使用

発射速度 1,000-2,000発/分

速度調整可能


な、なんてロマン溢れるパワードスーツに武器なんだ!然も重くて生身の人間ではまともに持てないのも良い!しかし、上手い話は続かない。


「バッテリーが無い…これじゃあ、動かないからダメじゃん!」


バッテリー残量が無く動かない。然も核ダイヤバッテリーで専用の充電装置が必要らしい。充電装置はあった。しかし、壊れて動かない。


「仕方ないか。全部PDAに仕舞うか」


結局現状の戦力は変わらない。しかし、パワードスーツを3機分とバルカン砲を3個見つけれたのは嬉しい。


「後は充電装置を直せば…俺TUEEE!出来るんじゃね?」


俺の時代が来たなと思っていた時だった。


「シュウー!何処なのー!!返事なさいよ!!」


「あ、やべ!完全に忘れてた!」


俺はダッシュでローラの所に戻ったのだった。


……


「シュウ!何処行ってたのよ!心配するじゃ無い!」


「ごめんな。一応先の方を見たんだよ。でな、そうしたらな…あ、いや何でも無い」


「ん?何かあったの?」


い、言えない。武器とパワードスーツを見つけたのに使えませんでしたなんて。


「いや、何も無かったよ。それより少し休憩にしよう」


俺達はパワードスーツが置いてあった場所に行き、そこで食事をした後交代しながら睡眠を取ることにしたのだった。


PDAの時間機能を見ると夜の21時だったからね。


……


「シュ……きて…起きなさい!」


「んあ?…時間か」


俺は起き上がり保存食と水を出す。


「さて、御飯食べよう」


「うん…」


「どうした?元気無いけど」


「え?…その、さっきまで見張ってたから…寂しくて」


え?…何この子。こんな可愛い子でしたっけ?いやいや、落ち着け俺!こんな状況でハッスルしてる暇無いだろ!


「まあ、俺も起きたし問題無いだろ?」


「うん…ありがとう」


(何でこんなにお淑やかに成るんだよ。何か調子狂うよな)


暫くして俺達は装備を整えて先に進む。そして、広い空間だけがあった。


「何…此処?」


「分からん。だが、何かが有ったのは確かだな」


俺達は周りを探索する。しかし、本当に何も無いのである。しかし、1台のノートパソコンを見つける。俺はコードを繋げて充電器を回して見る。するとバッテリーマークが付いた。


「ローラ、コレを暫く回し続けてくれ」


「良いけど何するの?」


「取り敢えず調べてみるのさ」


ローラに充電器を渡す。暫くして電源を入れる。そしてノートパソコンは起動した。


「嘘!動いたの?」


驚きつつも充電器を回し続けるローラ。


「さて、何かしらの情報があれば良いんだがな」


そう呟きながらノートパソコンを弄った。



10月25日

現状における我々の戦力は変わらない。しかし、いずれは外に出て治安維持に行かねばならないだろう。


10月30日

他の地下鉄の駅にいる連中が好き放題やり始めている。何でも秩序を守る為に必要な事だとか。バカバカしい。秩序は我々軍が作るものだと言うのにな。


11月3日

地下鉄の安全確保の為にパワードスーツをくれと近場の駅から使者が来たが追い払った。序でにパワードスーツ兵で入り口の防衛に当たらせる。近いうちに来るだろうな。


11月11日

身勝手な連中がゾロゾロと来たがパワードスーツ兵を前にして平和がどうとか言い出す馬鹿が居た。だからそいつを見せしめに殺しこう宣言した。


「我々は国の安全確保に努める軍隊である。その為なら民衆を殺す事は厭わない」


11月21日

総員に通達する。全ての物資、装備を持ち12月1日に外に出る。弾薬1発足りとも落とすなよ!そして地上の安全確保を最優先とする。その為なら邪魔する者は全て排除しろ。



追伸、前から言ってるが壊れたパワードスーツや武器の部品を集めて遊ぶんじゃ無い!


以下記録無し




「如何やら此処は軍隊が居たようだな」


「軍?古代人の軍隊が居たの?」


「らしいな。だが、全て地上に移動したらしい」


「そうなんだ…」


若干残念そうにするローラ。


「だが、地上に繋がるルートがある事が分かったな。なら、俺達も此奴らが通った道に行けば地上に出れるかもな!」


「本当!?なら早く探しましょう!」


俺達は周りを再度探索するが、地図などは見つからなかった。


「こっちに道がある。なら、この先に行くとしよう」


「そうね。頑張りましょう!」


俺はUMPを構えながら前に進んだ。


……


途中トンネルが崩れてる部分があったが比較的安全な路線だった。しかし、この路線は間違い無く深い位置に有るのだろう。暫く歩き続けるとグールが大量に居た。グールも此方に気付き突っ込んで来る。


「私に任せて」


そう言うとローラは前に出る。


『雷よ一条の光になり敵を滅せよ ライトニングボルト!!!』


カッッ!!!ドオオォォン!!!


そしてグールは一瞬にして全て燃え尽きた。それと同時にガスマスクに変える俺。


「どお!?シュウ!凄いでしょう!」


「確かに凄いな。然もトンネルに被害無いし」


「でしょう?…ところで、何で仮面変えてるの?」


ローラがガスマスクについて突っ込む。


「グールが焼ける匂いは気持ち悪いからな。ガスマスク付けると防げるんだよ」


「ズルイ!私にも貸しなさいよ!」


「えー、だが断る!」


「貸しなさい!良いから!」


断る俺にローラは掴みかかる。


「俺のを掴むな!止めろよ!臭いが!香ばしいグールの臭いがする!」


この後別のガスマスク貸してあげた。え?早く貸してやれば良いって?ローラは散々人のフェイスガードを馬鹿にしてたからな!仕返しじゃあ!


……


何度か休憩したり、人の声が聞こえたのを無視しながら歩き続ける。まだ水や食料はあるが弾薬が心許なくなって来た。


(せめてショットガンが直せればな良かったんだかな)


それから2日ぐらい経ち、いくつか駅のホームについたが入り口は完全に瓦礫で埋もれてたり、化け物の巣窟になっており探索どころか出口すら見つけれなかった。


「もう…無理よ。出口何て」


「ローラ…一旦休もう」


流石にローラの精神が危険になって来た。


「だって…これだけ探しても出口が見つからないなんて」


ローラは更に呟く。


「こんな所で死にたく無い!!いや!嫌よ!?死にたく無いよ!?!?」


俺は静かにローラを抱き締める。


「ローラ、俺も怖い。わかるだろ?俺も震えてる。けどな、俺はお前と生きて脱出したい。そして、一緒に飯でも食おうぜ?いつまでも萎びた干し肉なんて詰まんないだろ?」


「シュウ…私…私も一緒に脱出したいよぉ…。一緒に御飯食べてるの…したい。か、買い物も…お洒落も沢山…したいよぉ」


「分かった。脱出したら買い物付き合うからさ。だから諦めんな」


俺は更にローラを強く抱き締める。ローラも抱き締めて来る。


「うん…うん……ごめんなさい」


「気にすんな。俺も折れかかってるしな」


実は折れかかってるのは嘘だ。今この時も冷静なのだ。PDAは決して見捨て無い。


「さて、現状の確認でもしよう」


そう呟きローラを解放しようとするが。


「もう少しだけ…このままで…お願い」


「お姫様のお願いなら仕方ありませんな」


「ふふ、何よそれ」


俺とローラは暫く抱き合っていた。最後まで諦めない為に。


……


それから俺は武器の確認をする。まずはUMPの残弾が120発ぐらいだ。モスバーグM500はフレームが壊れて使えない。SR-25の弾はまだ余裕があるから大丈夫だろう。M92やニューナンブM60も平気だ。最後は対物ライフルのバレットM82A1もノータッチなので残弾20発だ。

UMPの弾が無くなれば、次はM92で戦うしか無い。早く脱出口を見つけなくてはならないだろう。


「さて、そろそろ次の駅のホームだ。これで最後にしたいね」


俺はそう呟きながらローラと共に歩き出した。


……


駅の近くまで来たらネズミの化け物の死体が大量に転がっていた。


「これは一体?」


「何、これ?」


俺達は死体を調べる。鋭利な刃物で切られた様な痕がある。さらに、トンネルの壁にも5本の線が至る所にあった。


「然もこの大きさ。かなりの大物だわ」


俺はローラの呟きに同意する。そしてバレットM82A1を取り出し構える。


「ローラ、取り敢えず先に進むぞ」


「分かったわ」


先に行くと何も居ない。強いて言うなら白骨化した死体が至る所に転がってるぐらいだ。


「急いで出口を探そう」


「そうね。急ぎましょう」


そしてライトが壁に当たった時だった。6つの光が見えた。いや、ライト反射したのだろう。


ドシイイィン グルルルルルル


そいつは突然俺達の目の前に降りて来て眺めに来る。きっと余裕の表れなのだろう。


(こ、これは…死んだな)


此奴は間違いない。初めてアンダーグランドに入って見た強者だ。


「シュウ!逃げて!!!『ライトニングボルト!!!』」


「グガアアアア!?」


6つ目の化け物にライトニングボルトが直撃して雄叫びを上げる。その瞬間俺は走る。そして俺が居た場所に奴の腕が振るわれていた。


「ローラ!お前も逃げろ!兎に角遠くにだ!」


「その前にシュウが先よ!私はアンタを見捨て無い!!!」


俺はバレットM82A1を奴に向ける。そして引き金を引く。対物ライフルの轟々しい音がトンネル内に響き渡る。そして弾丸も間違い無く奴に直撃する。しかし、奴は平然と立っていた。


(ダメージが無いのか!?)


更に撃ち続けるが効果がある様には見えない。


「グルアアアアアアア!!!!!!」


「きゃあ!?」


「ローラ!!!」


奴がローラに向かって何度も腕を振るう。しかし、彼奴は此方を無視してローラを執拗に狙ってる。


(如何する?奴の弱点は?脆い部分は何処だ!?)


考えてる余裕は無い。ローラの側に奴が近づく。


「この化け物が!これでも喰らえ!?」


奴はローラに向けて大きく腕を振りかぶる。それと同時に閃光弾をローラと奴の間に投げ込む。そして閃光弾の圧倒的な光が奴の動きを一瞬止める。その隙にローラの所まで走り押し出すッ!?


ドゴオオオン!!!


「グハァ!?…な、何が?」


如何やら俺は奴に吹き飛ばされた様だ。


「グルアアアア!!!」


如何やら俺に狙いを定めた様だ。大方獲物を狩るのを邪魔したから怒ってるのだろう。俺はライトを消しバレットM82A1を奴に向ける。奴の目だけが此方を見ているのが見える。


(他の情報は要らない。彼奴の…目ん玉だけを撃ち抜く)


ゆっくりと近づく。


(まだだ…もっとだ…もっと近くに)


更に無用心に近付く。そして……


(ッ!そこだ!!!)


奴が腕を振り上げる瞬間、引き金を引いた。


ドオオォォン!!!


「 グギアアアアアアアアア!?!?」


奴は悲鳴をあげる。そして早々に逃げて行く。あの巨体であの移動速度はかなり速い。


「と、取り敢えず、ゴホ…何とかなったか?」


霞む視界と思考の中で声が聞こえたが、返事は出来そうに無かった。


……


目が覚めると暗闇の中に淡い光に包まれていた。


「あ!ようやく目を覚ましたわね!もう、凄く心配したんだから」


如何やら回復魔法を使っててくれた様だ。


「奴は…何処に?」


起き上がりながらローラに聞く。


「うん。凄い悲鳴の後に彼処のトンネルから逃げて行ったわ。それと、ありがとう」


「ん?まあ、気にすんな。仲間だろ?」


「っ!…うん、ありがとう」


この後ヘルスチャージを打って復活してローラを少しビビらせてしまった。


「さあ、あっちに行くぞ。彼処のが駅の出入り口だからな」


「本当に!なら急ぎましょう!」


勿論出口は塞がってる。しかし瓦礫で塞がって無く、土で塞がっていた。


「よし!掘るぞ!ローラ、お前の分のスコップだ!」


「分かったわ。これで、脱出出来るのね?」


「上に何にも無ければ大丈夫だろうよ!」


そう言いながら掘り進める。


「あっ!精霊を感じる!シュウ!精霊が居るわ!ちょっと退いて!」


そう言ってローラは俺を退かす。


『精霊よ私の為に道を開ける力を貸して』


俺には聞き取れない言葉を発するローラ。そして、


「行くわよ!『ライトニングブラスター!!!』」


その瞬間目の前が真っ白になった。そして、確かな外の風を感じる。ゆっくりと目を開けるがまだ見えそうに無い。


「ほら、こっちよ。手に捕まって」


ローラが俺の手を掴みながら進んで行く。段々目が光に慣れてきた。


「あ…出れたのか」


「うん、出れたのよ」


俺達は遂に過酷なアンダーグランドからの脱出に成功したのだった。


「シュウ、まだ目見えそうに無い?」


「もう少しかな?」


そう呟きヘルメットとフェイスガードを外す。


「あぁ、風が気持ちいいな」


「そうね…ね、ねえ、まだ目は見えないのよね?」


「ん?そうだよ。もう少し掛かるかな」


「そう……なら……」



チュッ



え?何今の甘酸っぱい音は?然も俺の右頬に何か柔らかいのを感じたんですけど!!!


「ローラ!目が慣れたからもう一回今のをやってくれ!確証を得る為に!」


「んん〜、秘密」


そう言う彼女の顔は少し赤いが笑顔なのを、俺はしっかり見たのだった。


……


小話


「そう言えば、さっき精霊魔法使ってたよな。弓が無くても使えるのか?」


「弓は呪文無しで使える為の魔導具なのよ」


成る程ね。

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