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3月21日、焼け石に水
「智花ちゃんは?」
「遅刻だ」
「そうなんだ。早く来ないかな」
「そんなに智花が気になるか?」
「友達だもん。気にするよ」
「誰が友達だ。智花は私のだ」
「私だって智花ちゃんと話したいよ。沙羅が独占しないで」
「ああ? 何だと?」
「どうしたの二人とも。ヒートアップしてるみたいだけど」
「あ、智花ちゃん。おはよう。割と早かったね」
「助かった。頭が冷えた」
「私は焼け石に水だったってこと?」
「そりゃ無駄って意味だ」
次回「短気は損気」