パラレルワールドとは・・・
自分でも本格的に書いた架空戦記です。ちなみに、これは序奏のようなものです。
青年は目を覚ますとおかしな空間にいた。
そこはまさに暗黒の世界、太陽の光どころか自分の寝ていた部屋を僅かな明かりすら、自分の手すら確認できないくらいの漆黒の世界だった。そして、まるで無重力空間のように重力がなく、体がふわふわしていた。
「え!?ここはどこだ!?」青年はパニック状態に陥りかけたが、すぐに昨日の夜のことを思い出そうとする。だが、やはりまだ頭が混乱しているのかなかなか思い出せない。
「む~~~~・・・」青年は一休さんのようにこめかみを人差し指で小さな円を描くようにマッサージした。青年は思い出した。確か昨日はいつもよりもやけに眠くていつもは12時にねるのに、今回は9時は布団にこもって寝ていた。
「・・・・いつもどおりじゃん・・」青年はあっけにとられたような顔になった。こうゆう時は前日に何か異変があるものだと思っていたが、昨日は眠かった以外いつもと何も変わらない日だった。青年はあたりを見回すが、暗くて周りどころか自分の腕すら見えない状態でわかるはずがない。そう思っていたとき、異変が起きた。突然青年の目の前に閃光が光った。青年は一瞬驚いて体をすくめて硬直してしまったが、青年の思考にある変化が起きた。まるで光の方に行こうとするのである。青年は心の中で止めようと思ったが、体はゆうことを効かず、まるで何かに吸い込まれるような感覚に近かった。平泳ぎのような動き方で青年は光のように向かって、青年は光に包まれ、そしてその空間から青年は消えた。
目の前が失明するかと思えるほどの激しい閃光が晴れた先には先ほどの暗黒の世界とは全く対照的な世界が広がっていた。そこは昼のように明るく、そしてさっきの光のようなものがあちらこちらに点々とある。例えるならここは明るい宇宙のような場所であった。
「目が覚めたか。」
「・・・誰!?」青年はさっき光に突っ込んだせいで目が太陽を見たときのような黒いぼやであまり見えてなくて、必死でめをこすって周りを伺うと。そこには自分と同じように空間を浮遊している男が一人いた。
「ああ、自己紹介がまだだったね。私の名前は”伊切 徹”。この空間の「創造主」ってところかな。」
「創造主?」男は自己紹介をすると男は青年の方にそのままの姿勢でフィギアスケートの選手のように滑るように移動してやってきた。青年は一瞬フィギア好きの母親を伝送したが、男が自分の目の前に来た時に、緊張でそんなどうでも良いことを考えている余裕がなかった。
「で、君の名前は?」
「・・あ!はい、岡田さとしです。」
「ほう、随分とまぁ。なんというか、シンプルな名前だな。」伊切は横を向き、手のひらで口を抑えて、肩を震わせて笑いをこらえているような素振りをし、横目で青年の方を見ていた。
「それで、ここはどこなんですか?」
「ん?そうだな・・」岡田の質問に伊切は少し考えてから答えた。
「まぁ簡単に言うと”空間の中継地点”とでもいうのかな。」厳密には少し違うけどと伊切は言った。しかし、岡田は妙に納得した。ここが夢だとしてもリアルだし、いまさらそのようなことを言われても今の彼は驚かなかった。
「ほら、見てみな。」と伊切はこの空間に無数に漂っている小さな光のうちの一つを手にとって、岡田に見せた。岡田がその光を覗くとそこには見覚えのある光景が見えた。自分の部屋だ。
「これは!!?」
「これは”君たちの世界”」と伊切は訳の分からないことを口に言うとすぐに違う光を取り、岡田に見せた。そこは日本の東京が写っているがなにか違う。たしかに東京にも英語で書かれた看板が多いが、この東京は英語の看板しかない。それに東京タワーの形も妙に違う気がした。岡田はそう思った。
「そしてこれが”今もなおGHQ占領下の日本”だ。」岡田は驚愕した。どうゆうことなのだと伊切に言ったところ、彼から説明を受けた。
「まぁ、驚くことも無理はないな。説明しよう。この漂っている光の玉は一つ一つは別々の世界を構成されているんだ。君がいた世界もあれば、さっきみたいに違う歴史を歩んだ世界。または違う次元の世界、簡単に言うとファンタジーの世界のようなところだな。それがいろいろあるんだ。」伊切がまるで学校の先生にでもなりきったかのように岡田にこの空間のことを教え込んだ。
「む~、未だに信じられない・・・ん?」岡田はふと自分の真横に漂ってきた光を見た。そこには1面緑の草原で1両の戦車が写っていた。