運命の部屋
満月の夜。
三鷹君と俺は裏山へ向かった。今年の夏はむしむし暑くて大変である。外にいるよりは家にてクーラーを賭けた部屋でゴロゴロしたい気分である。
取りあえず地蔵の前に来てみたが、「塔」らしきものはどこにも見当たらない…。
願いはちゃんとあるのになぁ…。つまりというかやはり、あの噂は嘘だったんだ。
地蔵に背を向け家へ帰ろうとした瞬間だった。「ピカッ」と見たことないくらいの光が俺たちを包んだ。
すると夕焼けの砂漠に来ていた。しかし、明るいが満月はしっかりと出ている。砂漠は何もなくただ地平線に向かって広がっているだけ。
だが、一つだけ何かがあった。それは、砂漠にあるには異様なもので地面から何か黒いものが空に向かって伸びていた。よくみると…、なんだあれは?「塔」…か…、?そうだろう。これが噂に名高い「塔」なんだろう。
うわぁああぁあああ。くそ、なんてところに来てしまったのだろう。おかしいだろ、こんなものが存在していいわけがない。しかも俺たちはどこかにワープしたのだ。
そんなこと科学的におかしいぞ(しかし、僕は科学の事をよく知らないのだが…ってそんなことを言っている場合ではないっ)
すると、それにビビったのか三鷹君は呻いている。
俺は彼に言った。
「取りあえずあの「塔」に行かないことには話しにならないぞ」
「でも、指が…。とにかく死ぬんだぞ?」
と彼は言う。馬鹿が…。砂漠の真ん中にいたところで死ぬだけなんだぞ。だったら、死ぬにしても取りあえずはあそこに行くべきだ。
「なら、おいて行かしてもらうよ」
「わ、分かったよ」
と言い結局彼は着いてくることになった。
そして俺は歩き始めた。
しかし、だが塔までの距離は意外に長くどんどんと体も疲労し始め、ついにはそこらへへたり込んでしまった。
駄目だ。
「そうだ、ジャンケンしてみない?」
「え?なんで?」
「だってさぁ、何も起こらないし退屈だし、取りあえず噂に従ってみようぜ」
「でも、それじゃどっちかしぬよね?」
「でも仕方ないだろ。二人とも死ぬよりは一人が生き残った方がいいだろう」
「そりゃそうだがなぁ」
俺はやってみるぜ
「出さなきゃ負けよ…」
「!、ちょまって」
「ジャンケンポン」
俺は「グー」彼は「チョキ」だった。
すると彼は何かに吸い込まれ消え失せた。
しかし、俺もその瞬間何かに吸い込まれた。
そして、気が付くと何もない大広間的なところへ俺はいた。
めちゃめちゃやな