紙扉open‼
物語の続きが気になるのは、どの人もだいたい同じですよね?
「完結したねー、この小説。
続いて欲しかったのにさあ~」
「まあね、プリンスとクイーンのその後がどうなったかってのは、本当にかなり気になるよね」
「結ばれるかどうかが分からないってところで『はい、おしま~い』なんて……ひどくね?せめて、あとがきでチョイ見せくらいの感じでさ、書いて欲しかったのにさ~!」
「ねえ~物書かないウチらだけじゃあ、想像出来ないよ~」
「続き、もう本当気になるし!」
「じゃさ、じゃさ、都市伝説のアレ、試してみる?」
「え~?
アレ……噂じゃなくね?」
「中、入ったヤツ、いるらしいよ?」
「マジ?」
「マジ‼」
二人は顔を見合わせ、一冊の小説を机の真ん中に置き、正面に立った。
「「紙扉open‼」」
二人が声を重ねると、小説の表紙がパラリ……と開かれた。
二人の姿が、一瞬にして移動した。
中に、だ。
『『成功!』』
まことしやかに囁かれている都市伝説、ある呪文を唱えれば、完結したストーリーの続きを読めるらしい。
それも中から。
『それで、解除の時は、どうするの?』
『それはね、栞か紐を探して……』
あなたも、どうぞ試してみては?
冒頭では忙しなく話していた二人ですが、物語の中に入るとゆっくりした話し方へと変化しています